
カフェインは寝る何時間前まで?睡眠への影響と体内に残る時間を解説
221 カフェインは寝る何時間前まで?睡眠への影響と体内に残る時間を解説
午後から夕方にかけてもコーヒーやお茶を飲む習慣があり、夜の寝つきへの影響が気になっている方もいるのではないでしょうか。
仕事の合間の一杯が習慣になっている方ほど、量やタイミングを見直すきっかけを探しているかもしれません。
カフェインが体にどれくらい残るのか、自分は何時から控えればよいのかわからないまま過ごしているケースもあります。夕方の一杯を楽しみたい気持ちと、夜しっかり眠りたい気持ちの間で迷う場面もあるでしょう。
本記事ではカフェインが睡眠に与える影響から半減期の考え方・飲み物別の含有量・1日の目安・注意したい人・控えたいときの飲み物までを順に整理します。
カフェインは寝る何時間前まで?

何時間前までに控えるべきかという数字は、あくまで一般的な目安にすぎません。実際にはカフェインへの感受性や体質、普段の摂取量によって適した時間は変わってきます。
ここではまず一般的な考え方を確認したうえで、自分に合わせて調整するための視点を紹介します。
数字を鵜呑みにするのではなく、自分の生活リズムに落とし込む姿勢が大切です。就寝時刻が日によって変わる方は、その日の予定に合わせて調整することを意識しましょう。
一般的な目安と考え方
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、夕方以降のカフェイン摂取を控えることが勧められています(※1)。
カフェインの分解には時間がかかるため、夕方に摂った分が就寝時にも体内に残る可能性があります。就寝何時間前なら影響がないと一律には決められず、摂取量や体質も踏まえて考えることが大切です。
ただし数値そのものよりも、自分の体感を確認しながら調整する姿勢が大切です。目安の時間を過ぎても寝つきが悪いと感じる場合は、控える時間をさらに前倒しする調整も考えられます。
敏感な方は就寝5〜6時間前から控える
カフェインへの感受性の個人差により、少量でも寝つきに影響を感じやすい方もいます。
カフェインに敏感な方については、就寝の5〜6時間前から控えることが目安として示されています。夕方まで待たず、自分の就寝時刻から逆算して控え始めましょう(※2)。
少量のコーヒーでも夜眠れなくなった経験がある方は、この目安を参考にしてみてください。自分の体質に合わせて、目安よりも早めに切り上げる判断も選択肢の一つです。
カフェインを飲んだ後に眠気を感じにくい・目が冴えると感じるといった経験がある方は、感受性が高いタイプかもしれません。一度に飲む量を調整してみるのも選択肢の一つです。
摂取量が増える場合は早い時間から控える

一度に飲む量が多めの場合や、日中に何杯も飲んでいる場合は、体内に残るカフェインの総量も増えやすくなります(※3)。
一杯あたりの量は少なくても、回数が重なれば合計量は大きくなっていきます。摂取量の多かった日ほど、控え始める時間を早めに設定するといった調整が現実的です。
会議や作業に追われて何杯も飲んでしまった日は、いつもより早めに切り上げる意識を持つとよいでしょう。量とタイミングの両方を意識することが、無理のない付き合い方につながります。
杯数を数える習慣をつけると、思っていた以上に摂取量が多かったと気付くきっかけにもなります。スマートフォンのメモ機能などを使って記録してみるとよいでしょう。
カフェインの睡眠への影響

カフェインの覚醒作用は、睡眠のさまざまな段階に影響が及ぶと考えられています。入眠から覚醒までの一連の流れのなかで、複数の面に影響が及ぶ可能性がある点は覚えておきたいところです。
ここでは代表的な三つの影響を確認します。いずれも個人差があるため、自分に当てはまるかどうかを振り返りながら読み進めてみてください。
複数の影響が重なっている場合は、生活全体を見直すきっかけとしてとらえるとよいでしょう。
一つひとつは小さな変化でも、積み重なると翌日の体調に響いてくることがあるでしょう。日々のちょっとした違和感を見逃さないことが、生活を整える第一歩になります。
寝つきの悪化
カフェインの覚醒作用により、布団に入ってもなかなか寝つけないと感じるケースがあります(※4)。
特に就寝の直前まで摂取していると、脳が覚醒した状態のまま入眠のタイミングを迎えることになりやすいでしょう。
寝つきの悪さが続く場合は、日中のカフェイン摂取のタイミングを見直す価値があります。夕方以降は別の飲み物を選ぶのも一つの方法です。
深い睡眠の減少
カフェインの摂取により、深い眠りの時間が短くなる傾向があるとされています(※5)。
深い睡眠は体の回復に関わる時間帯とされており、その割合が減ると、睡眠時間を確保していても疲れが残りやすくなる場合があります。
朝起きたときにすっきりしないと感じる日が続く場合は、朝の目覚めや日中の過ごし方を振り返ってみましょう。
中途覚醒の増加
カフェインの利尿作用や覚醒作用により、夜中に目が覚めやすくなるケースも報告されています(※6)。
トイレのために目が覚める頻度が増えたと感じる場合、水分だけでなくカフェインの量も関係している可能性があります。一度目が覚めると、そこから再び眠りにつくまでに時間がかかることもあり、結果として睡眠の質が下がる要因の一つです。
夜中に何度も目が覚める自覚がある場合は、就寝前の水分摂取とあわせてカフェインの量も見直してみるとよいでしょう。
カフェインの半減期と体内に残る時間

カフェインは摂取後すぐに体内から消えるわけではなく、一定の時間をかけて分解されるものです。
ここでは半減期の考え方と、体内に残る時間の目安を確認します。仕組みを知っておくと、何時間前から控えればよいのかを自分なりに考えやすいでしょう。
カフェインの血中半減期
カフェインの血中半減期は、厚生労働省の睡眠ガイドでは日本人で3〜7時間とされています。ただしこの時間には個人差があり、体質や年齢・肝機能の状態・妊娠の有無などによって変わることが知られています(※7)。
年齢を重ねるにつれて分解に時間がかかるようになると感じる方もいるでしょう。若い頃と同じ感覚で飲んでいると、睡眠に影響が出ることもあります。
半減期はあくまで目安であり、誰にでも同じように当てはまるわけではありません。喫煙習慣の有無や併用している薬によっても分解の速さが変わるといわれています。
カフェインが体内に残る時間
半減期の考え方をもとにすると、摂取したカフェインが体内からほぼなくなるまでには半減期の数倍程度の時間が必要という見方が一般的です(※8)。
夕方に摂取したカフェインは、就寝時間になってもある程度体内に残っている可能性があります。夕方の一杯が、思っていた以上に夜の睡眠へ影響しているケースも珍しくありません。
数値だけにとらわれず、自分の体感を目安に調整することが現実的です。就寝時間から逆算して、余裕を持って控え始めることが結果的に近道になる場合もあります。
飲み物別のカフェイン量

普段口にする飲み物には、種類によって含まれるカフェイン量に差があります。
ここで紹介するのは、代表的な飲み物のおおよその目安です。数値は淹れ方や銘柄によって変動するため、あくまで参考の一つとしてとらえてください。
同じ種類の飲み物でも、抽出時間や湯量によって濃さは変わってきます。自宅で淹れる場合と店舗で提供されるものとでも、量に差が出ることもあるでしょう。
コーヒーのカフェイン量
ドリップコーヒーのカフェイン量は、100mLあたり60mgが目安です。1杯150mLの場合は、約90mgに相当します(※9)。
豆の種類や抽出方法によって幅があるため、同じ一杯でも含有量は変わってくるでしょう。深煎りか浅煎りかによっても、感じる苦味や成分の印象は変わります。
緑茶のカフェイン量
緑茶(せん茶の浸出液)には、100mLあたり約20mgのカフェインが含まれています(※10)。
コーヒーと比べると少なめですが、続けて何杯も飲む場合は積み重なる量にも意識を向けたいところです。食後に習慣的に飲んでいる方は、1日の合計量を一度振り返ってみるのもよいでしょう。
紅茶のカフェイン量

紅茶(浸出液)には、100mLあたり約30mgのカフェインが含まれています。カップ1杯150mLの場合は約45mgです(※11)。
茶葉の種類や抽出時間によっても差が出やすい飲み物です。濃く淹れるほどカフェイン量も増える傾向があります。
ミルクや砂糖を加えても、カフェイン量そのものは大きく変わりません。温かい紅茶を習慣にしている方は、夜は別の飲み物に替えてみるのも一つの方法です。
エナジードリンクのカフェイン量
エナジードリンクなどのカフェインを多く添加した清涼飲料水は、製品によってカフェイン量の幅が大きく、厚生労働省の資料では100mLあたり32〜300mgとされています。1本の内容量も異なるため、表示を確認しましょう(※12)。
ほかの飲み物と併用すると摂取量が想定より増えやすいため、成分表示を確認する習慣が役立ちます。運動前や仕事の合間に飲む機会が少なくない方ほど、合計量を意識しておきたい飲み物です。
缶やペットボトルタイプは一気に飲みきってしまいやすいため、量を把握しにくい点にも注意が必要です。ラベルの成分表示を確認する習慣をつけておくと、摂取量を把握しやすくなります。
カフェインの1日の摂取量の目安

カナダ保健省は、妊娠中・授乳中などを除く健康な成人について、1日のカフェイン摂取量を最大400mgまでとしています(※13)。
厚生労働省のQ&Aでは、これをコーヒーのマグカップ(237mL入り)で約3杯に相当すると紹介しています。ただしこれは一律の基準ではなく、体質や体調によって適した量は変わってきます(※14)。
複数の飲み物を組み合わせて飲む場合は、それぞれの含有量を意識しながら合計量を把握しておくと調整しやすくなります。
コーヒーとエナジードリンクを同じ日に飲むなど、組み合わせによっては合計量が増えやすい点にも注意が必要です。
日中の摂取量が多かった日は、夜のカフェインをより控えめにするなど、その日ごとにバランスを取る視点も大切です。毎日同じ量を機械的に守るのではなく、その日の体調や予定に合わせて柔軟に調整していきましょう。
妊娠中・授乳中の方や子どもが注意したいこと

妊娠中は、カフェインの代謝速度が遅くなり、普段より体内に長く残ることが知られています。授乳中は、摂取したカフェインの一部が母乳を通じて乳児に移行する点に注意が必要です(※15)。
妊娠中と授乳中では注意点が異なるため、それぞれの状況に合わせて日常的な摂取量を見直しましょう。
子どもは体格が小さい分、同じ量でも影響を受けやすいと考えられており、成人と同じ感覚で与えることは避けた方がよいでしょう(※16)。
エナジードリンクや炭酸飲料のなかにもカフェインを含む製品があるため、原材料表示を確認する習慣が役立ちます。
持病がある方や薬を服用している方も、カフェインとの相性が気になる場合は医師や薬剤師に相談することをおすすめします。自己判断で量を増減させるよりも、専門家の意見を踏まえる方が望ましいでしょう。
飲み物以外でカフェインを含む食品や医薬品

カフェインはコーヒーやお茶だけでなく、チョコレートやココアなどの食品にも含まれています。デザートやおやつとして口にする機会も少なくないため、意識しないまま摂取していることもあるでしょう(※17)。
市販の風邪薬や鎮痛薬・眠気覚まし用のドリンク剤などにもカフェインが配合されている場合があり、意識しないまま摂取量が増えているケースも考えられます(※18)。
体調がすぐれないときに市販薬を服用する際は、成分表示を確認しておくとよいでしょう。飲み物だけでなく食品や医薬品に含まれるカフェインにも目を向けておくと、意図しない摂取を避けやすくなります。
夜のカフェインを控えたいときの飲み物

夜はカフェインを含まない飲み物に置き換えるという工夫も一つの選択肢です。
普段の習慣を大きく変えなくても、飲み物を選び直すだけで取り入れやすい工夫です。ここでは代表的な三つの飲み物を紹介します。
デカフェコーヒー
デカフェコーヒーは、通常のコーヒーからカフェインの大部分を取り除いた製品です(※19)。
コーヒーの風味を楽しみながらカフェインの摂取量を抑えられるため、夜にコーヒーを飲みたい方に向いている選択肢です。
ゼロになるわけではない製品もあるため、気になる場合は表示を確認するとよいでしょう。
麦茶やそば茶

麦茶やそば茶には、もともとカフェインが含まれていません(※20)。
香ばしい風味があり、温かくても冷たくても楽しめるため、夜の飲み物として取り入れやすい特徴があります。食事の際にも合わせやすく、日常に取り入れるハードルが低い点も魅力です。
ルイボスティーやハーブティー
ルイボスティーやハーブティーも、カフェインを含まない飲み物として知られています。
香りや味わいを楽しみながら、夜のひとときを落ち着いて過ごしたいときに選ばれることがあります。種類によって香りや味わいが異なるため、いくつか試して好みのものを見つけるのも楽しみ方の一つです。
夜のカフェインと上手に付き合い、眠りやすい生活リズムを整えよう

カフェインの摂取タイミングを見直すことは、夜を心地よく過ごすための一つの方法です。
就寝と起床の時間をできるだけ一定に保つことや、寝る前にスマートフォンの画面を見る時間を減らすことも、眠りにつきやすい環境づくりに役立ちます。部屋の照明を落ち着いた明るさに調整することも、入眠をスムーズにする工夫の一つです。
日中に適度な運動を取り入れることも、夜の自然な眠気につながりやすい習慣とされています。軽いウォーキング程度でも、続けることで体のリズムが整いやすくなるといわれています。
無理のない範囲で体を動かす時間を確保することも、夜の眠りを支える工夫の一つです。カフェインだけに気を配るのではなく、生活習慣全体を見渡しながら、自分に合った夜の過ごし方を少しずつ整えていくことが大切です。
焦らず一つずつ見直していく姿勢が、無理のない習慣づくりにつながります。
