
カルシウムやマグネシウムとミネラルの関係は?バランス、豊富な食品、摂取方法を解説
カルシウムやマグネシウムは、骨や歯の形成、筋肉や神経の働きなど、体のさまざまな機能に関わるミネラルです。
どちらも体内で十分に作り出すことができないため、日々の食事から適切に摂取することが大切です。ただし、特定のミネラルだけに偏るのではなく、さまざまな食品を組み合わせて栄養バランスを整えることが基本となります。
本記事では、カルシウムとマグネシウムの基本的な役割・豊富に含まれる食品・日々の食事に取り入れる方法や注意点をわかりやすく解説します。
カルシウムとは

カルシウムは、体のなかで私たちの体のなかで比較的多く含まれるミネラルの一つです。体重の1〜2%を占めるとされ、その大部分は骨や歯を形づくるために使われています。
一部のカルシウムは血液や筋肉などに存在し、筋肉の収縮や神経の情報伝達などに関わっています。
体内では血液中のカルシウム濃度を一定に保つ仕組みが働いています。長期にわたって摂取量が不足すると骨の健康に影響する可能性があるため、年齢や性別に応じた量を日々の食事から摂取することが大切です。(※1)
マグネシウムとは

マグネシウムもまた、体に欠かせない私たちの体に欠かせない必須ミネラルの一つです。体内では多くの酵素の働きに関わり、エネルギーの産生、筋肉、神経の働きなどを支えています。
体内のマグネシウムの多くは骨や筋肉などに存在しており、骨を構成する成分の一つでもあります。
マグネシウムの摂取量は、普段選んでいる食品によって異なります。海藻類、豆類、種実類などを含め、多様な食品を日々の食事に取り入れることが大切です。(※2)
カルシウムやマグネシウムとミネラルの関係

カルシウムとマグネシウムは、どちらもミネラルの仲間です。ミネラルは体の構成成分として、また機能を支える成分として働くため、日々の食事から摂取する必要があります。
ここでは、ミネラルの基本と、そのなかでカルシウムやマグネシウムがどのように位置付けられるかを整理します。
ミネラルとは
ミネラルは、体に必要な私たちの体に必要な五大栄養素の一つに数えられる無機質です。炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルのうち、体内で十分に作ることができず、食事から摂取する必要がある成分です。
体重全体に占める割合は多くありませんが、骨や歯の形成、体液のバランス調整、神経や筋肉の働きなど、体のさまざまな仕組みに関わっています。
日本人の食事摂取基準では、複数のミネラルについて、年齢や性別に応じた推奨量や目安量などが示されています。(※3)
カルシウムやマグネシウムは多量ミネラル

ミネラルは体内に存在する量や必要量などにより、多量ミネラルと微量ミネラルに分けられます。カルシウムやマグネシウムは、一般に多量ミネラルに分類されます。
多量ミネラルには、カルシウム、マグネシウムのほか、ナトリウム、カリウム、リンなどがあります。いずれも体の構成や機能に関わるため、日々の食事から適切な量を摂取することが大切です。
一方、微量ミネラルには鉄、亜鉛、銅、ヨウ素などがあります。必要量は比較的少ないものの、健康を保つために必要な栄養素です。(※4)
カルシウムとマグネシウムのバランス
カルシウムとマグネシウムは、それぞれ異なる役割を持ちながら、筋肉や神経、骨などの機能に関わっています。
ただし、カルシウムとマグネシウムについて、すべての人に共通する「理想的な摂取比率」が公的な食事摂取基準として定められているわけではありません。
年齢や性別に応じて設定された、それぞれの推奨量や目安量を参考にすることが基本です。乳製品、小魚、海藻類、種実類、大豆製品など、さまざまな食品を組み合わせて摂取しましょう。(※5)
カルシウムが不足するとどうなる

カルシウムの摂取量が長期にわたって不足すると、骨の健康に影響する可能性があります。
一方、体に現れる症状にはさまざまな原因があるため、けいれんやしびれなどの症状だけでカルシウム不足と判断することはできません。
ここでは、カルシウムの摂取不足と関係が深い骨の健康について確認します。
骨や歯が弱くなる
体内のカルシウムの大部分は、骨や歯に存在しています。血液中のカルシウム濃度は一定の範囲に保たれており、食事からの摂取量が長期にわたって不足すると、骨に蓄えられたカルシウムが利用されます。
その状態が長く続くと、骨量や骨密度に影響する可能性があります。骨の健康には、カルシウムだけでなく、ビタミンD、タンパク質、運動習慣なども関わります。
若い頃から、カルシウムを含む食品を継続して取り入れることが大切です。(※6)
筋肉のけいれんやしびれが起こる
カルシウムは筋肉の収縮や神経伝達に関わるミネラルです。病気などにより血液中のカルシウム濃度が大きく低下した場合には、筋肉のけいれんやしびれなどが現れることがあります。
ただし、足がつる、体がこわばる、手足がしびれるといった症状は、カルシウム不足以外にも、脱水、運動、血流、神経の異常、薬の影響など、さまざまな原因で起こります。
症状が続く場合や強い症状がある場合は、食品やサプリメントだけで対処せず、医療機関に相談しましょう。(※7)
マグネシウムが不足するとどうなる

マグネシウムは、筋肉や神経をはじめとする体のさまざまな機能に関わっています。
ただし、日常的な不調だけでマグネシウム不足と判断することはできません。重度の欠乏は、特定の病気、薬の使用、消化吸収の問題などによって起こることもあります。
筋肉のけいれんなどが起こる
マグネシウムは、筋肉や神経の正常な働きに関わっています。そのため、重度の欠乏状態では、筋肉のけいれんなどの症状がみられることがあります。
ただし、こむら返りや足のつりが起きたからといって、直ちにマグネシウム不足であるとは限りません。運動量、発汗、脱水、冷え、薬の影響なども関係します。
症状だけで不足を自己判断してサプリメントを大量に摂取することは避けましょう。症状が繰り返す場合は、医療機関に相談することが大切です。(※8)
不眠やイライラの原因になる
疲労感、気分の変化、集中しにくさ、眠りに関する悩みなどは、生活習慣、心理的な負担、病気、薬の影響など、さまざまな要因によって起こります。
これらの変化を、マグネシウム不足だけに結び付けることはできません。
体調が気になる場合は、特定の栄養素だけを補おうとするのではなく、食事、運動、休養など生活全体を振り返りましょう。不調が長く続く場合には、医師などの専門家に相談してください。(※9)
骨や歯が弱くなる

マグネシウムは、カルシウムと同様にに骨に存在するミネラルの一つです。
骨の健康には、カルシウムやマグネシウムだけでなく、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質、運動習慣など、複数の要因が関わっています。
特定の比率を意識するよりも、それぞれの栄養素を含む食品を幅広く取り入れることが大切です。(※10)
カルシウムが豊富な食品

カルシウムを補うためには、含有量の多い食品を知り、日々の献立に取り入れることが大切です。ここでは、代表的な食品を4つのカテゴリに分けて紹介します。
乳製品

牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品は、カルシウムを含む代表的な食品です。日々の食事に取り入れやすく、タンパク質なども一緒に摂取できます。
普通牛乳には、一般的にコップ1杯程度で約200mg前後のカルシウムが含まれますが、正確な含有量は食品の種類や商品によって異なります。利用する商品の栄養成分表示も確認しましょう。
牛乳や乳製品が苦手な方は、カルシウムを強化した豆乳や飲料などを選ぶ方法があります。通常の無調整豆乳が牛乳と同程度のカルシウムを含むとは限らないため、「カルシウム強化」などの表示を確認することが大切です。(※11)
小魚や魚介類
しらす・ししゃも・小あじなどの小魚類は、骨ごと食べられるためカルシウム源を摂取しやすい食品です。干しえびや煮干しなど、乾燥させた食品にもカルシウムが多く含まれるものがあります。
小魚はそのままご飯にのせたり、和え物やパスタに加えたりと、料理への活用の幅が広いのも魅力です。乾物として常備しておけば、忙しい日にも取り入れやすいでしょう。
魚介類からは、カルシウムのほか、タンパク質や食品によってはビタミンDも摂取できます。(※12)
大豆製品
木綿豆腐・厚揚げ・凍り豆腐・納豆などの大豆製品にも、カルシウムが含まれています。
ただし、豆腐のカルシウム量は、凝固剤の種類や製造方法によって異なります。栄養成分表示がある場合は確認しましょう。
木綿豆腐や厚揚げは、味噌汁、煮物、炒め物などにも使いやすい食品です。凍り豆腐は保存性が高く、副菜にも活用できます。(※13)
野菜や海藻類
小松菜・水菜・チンゲンサイ・切り干し大根などの野菜類にもカルシウムが含まれています。
わかめ・ひじき・昆布などの海藻類にもカルシウムを含むものがあります。ただし、食品ごとに含有量や1回に食べる量が異なるため、特定の食品だけに頼らず、複数の食品を組み合わせましょう。
野菜や海藻類は、味噌汁、煮物、サラダ、和え物などに取り入れられます。
マグネシウムが豊富な食品

マグネシウムは、海藻類、種実類、豆類など、さまざまな食品に含まれています。ここでは、日々の食事に取り入れやすい食品を紹介します。
海藻類
わかめ・ひじき・あおさなどの海藻類には、マグネシウムが含まれています。乾燥品として常備しやすく、味噌汁やサラダ、和え物などに利用できます。
海藻類には、食物繊維やヨウ素なども含まれます。ただし、ヨウ素や塩分を多く含む食品もあるため、一つの食品を大量に食べるのではなく、適量を取り入れましょう。(※14)
ナッツ類
アーモンド・カシューナッツ・くるみなどのナッツ類にも、マグネシウムが含まれています。間食や料理のトッピングとして取り入れやすい食品です。
ナッツ類は脂質やエネルギーも多く含むため、量を決めて食べることが大切です。「手のひら一杯」などの表現は、手の大きさや食品の種類によって量が変わるため、商品の1食分表示などを参考にしましょう。
塩分の摂取量が気になる場合は、食塩を加えていないものを選ぶ方法があります。(※15)
大豆製品
大豆・納豆・豆腐・きなこなどの大豆製品には、マグネシウムが含まれています。タンパク質も一緒に摂取しやすい食品です。
納豆はそのまま食事に取り入れやすく、きなこはヨーグルトや飲み物などに加えることができます。
日々の食卓に、豆類や大豆製品を無理のない範囲で取り入れましょう。
カルシウムとマグネシウムを摂取する方法と注意点

カルシウムとマグネシウムは、特定の比率に合わせることよりも、年齢や性別に応じたそれぞれの摂取基準を参考にしながら、日々の食事から摂取することが基本です。
乳製品、小魚、野菜、海藻類、種実類、大豆製品などを組み合わせることで、さまざまな栄養素を摂取しやすくなります。
通常の食品について、カルシウムやマグネシウムを朝食や夕食などに分けて摂取すると、必ず吸収や働きが高まると一律にいうことはできません。特定の時間帯にこだわらず、毎日の食事のなかで継続して摂取しましょう。
一方、サプリメントから大量に摂取する場合には注意が必要です。特にマグネシウムをサプリメントなどから過剰に摂取すると、下痢などが起こることがあります。
腎臓の機能が低下している方、治療中の病気がある方、薬を使用している方は、自己判断でサプリメントを利用せず、医師や薬剤師に相談しましょう。
機能性表示食品を利用する場合は、商品ごとに届け出られている機能、対象者、摂取目安量、注意事項が異なります。
カルシウムやマグネシウムを含んでいるという理由だけで、すべての商品に同じ機能があるわけではありません。パッケージや届出内容を確認し、食生活を補助する選択肢の一つとして利用しましょう。(※16)
カルシウムとマグネシウムは良質な睡眠に必要

カルシウムやマグネシウムは、神経や筋肉などの正常な働きに関わるミネラルです。
一方で、一般的な食品からカルシウムやマグネシウムを摂取することで、入眠、睡眠の質、目覚めなどが改善すると一律にいうことはできません。
眠りが浅い、寝つきにくい、朝起きても疲れが残るといった悩みには、生活リズム、光、運動、カフェインやアルコールの摂取、ストレス、病気、薬の影響など、さまざまな要因が関係します。
睡眠の悩みが続く場合は、特定の栄養素だけで解決しようとせず、生活習慣全体を見直しましょう。日常生活に支障がある場合や、強い眠気、いびき、呼吸の停止などがみられる場合は、医療機関に相談することが大切です。
