
眠りが浅いのはなぜ?考えられる原因と深く眠るための対処法を解説
夜中に何度も目が覚めたり、朝まで眠ったはずなのに疲れが残っていたりすると、「どうして眠りが浅いのだろう」と不安になる方もいるでしょう。睡眠時間を十分に確保していても、眠りの質が低下すると心身の疲れが十分に回復しないことがあります。
眠りが浅くなる原因は一つではありません。自律神経の乱れをはじめ、スマホの使用や食生活、寝室環境など、日常生活のさまざまな要因が影響すると考えられています。
この記事では、眠りが浅くなる主な原因や現れやすいサインを解説するとともに、今日から実践できる改善方法を紹介します。夜の過ごし方や寝室環境、食事の工夫まで幅広く取り上げるので、自分に合った方法を見つける参考にしてください。
眠りが浅いのはなぜ?考えられる主な原因
眠りが浅くなる背景には、自律神経の乱れや生活習慣、寝室環境など複数の要因が関係しています。
一つだけが原因とは限らず、いくつかの要因が重なることで睡眠の質が低下するケースも少なくありません。まずは、代表的な原因について確認していきましょう。

夕方以降のストレスや緊張で交感神経が優位になっている

人の体は、活動時に働く<strong>交感神経</strong>と、休息時に働く<strong>副交感神経</strong>がバランスを取りながら機能しています。
しかし、夕方以降も仕事や人間関係によるストレスが続いたり、緊張した状態が長引いたりすると、交感神経が優位なままとなり、心身がリラックスしにくい状態です。その結果、寝つきが悪くなったり、眠っても途中で目が覚めたりすることがあります。
また、考え事をしながら布団へ入る習慣も、脳が活動状態から切り替わりにくくなる原因の一つです。眠る前は照明を少し落とし、ゆったり過ごす時間を設けることで、落ち着いた気分で就寝前の時間を過ごしやすくなります。
就寝1時間前までスマホやパソコンの画面を見ている
寝る直前までスマホやパソコンを使用している方もいるでしょう。スマホなどから発せられる<strong>ブルーライト</strong>は、体内時計に影響を与えるとされており、眠気を促すホルモンである<strong>メラトニン</strong>の分泌に影響する可能性があります。
さらに、SNSや動画の視聴、ゲームなどで脳が刺激を受けると、眠る時間になっても興奮状態が続きやすくなります。
睡眠の質を高めたい場合は、就寝1時間ほど前からスマホフォンやパソコンの使用を控え、本や音楽などリラックスできる過ごし方へ切り替えることがおすすめです。
眠りが浅いときに現れるサイン

眠りが浅い状態は、自分では気付きにくい場合もあります。しかし、日中の眠気や夜間の中途覚醒など、体はさまざまなサインを出しています。ここでは、代表的なサインを紹介するので、自分の状態と照らし合わせてみましょう。
夜中に2回以上目が覚めて時計を確認してしまう
睡眠中に何度も目が覚め、そのたびに時計を確認してしまう場合は、<strong>中途覚醒</strong>が起きている可能性があります。
一度目が覚めてもすぐ眠れる場合は大きな問題にならないこともありますが、何度も目覚めたり、再び寝つくまで時間がかかったりすると、睡眠の質が低下しやすくなります。
また、「残り、何時間しか眠れない」と時間を気にしすぎることで焦りが生まれ、さらに眠れなくなることも少なくありません。目が覚めても時計を何度も確認しないよう意識することも大切です。

昼食後や午後の会議中に強い眠気に襲われる
十分な睡眠時間を確保しているにも関わらず、昼食後や午後の会議中に<strong>強い眠気</strong>を感じる場合は、眠りが浅く、十分に休息が取れていない可能性があります。
会議や勉強中に集中力が続かなかったり、運転中に眠気を感じたりする場合は注意が必要です。
日中の眠気が続くと仕事や家事の効率が低下するだけでなく、事故やけがにつながるおそれもあります。夜間の睡眠を見直すきっかけとして、自分の体調の変化を振り返ってみましょう。

眠りが浅い人が取り入れたい夜の習慣
眠りの質を高めるためには、就寝前の過ごし方を見直すことが大切です。寝る直前まで活動的に過ごすのではなく、心と体を少しずつ<strong>休息モードへ切り替える</strong>ことで、自然な眠りにつながりやすくなります。
ここでは、今日から取り入れやすい夜の習慣を紹介します。
就寝90分前に38〜40度の湯に15分つかる
深く眠りたいときは、<strong>就寝90分前</strong>を目安に、38〜40度程度のぬるめのお湯へ15分ほどつかる方法がおすすめです。
入浴によって一時的に深部体温が上昇し、その後ゆるやかに下がるタイミングで眠気が訪れやすくなると考えられています。
一方で、42度以上の熱いお湯は交感神経を刺激しやすく、体質によっては目が冴えてしまうこともあります。ゆっくり湯船につかり、心身をリラックスさせる時間を意識してみましょう。
また、毎日できるだけ同じ時間に入浴する習慣をつけると、就寝までの流れが一定になり、体内リズムも整えやすくなります。無理に長風呂をする必要はないため、続けやすい方法で習慣化することを意識しましょう。
就寝1時間前から間接照明に切り替えて4秒吸い8秒吐く呼吸をする
寝る前は、部屋の照明を<strong>間接照明</strong>や暖色系の明かりへ切り替えることも効果的です。明るい照明は脳を活動モードへ切り替えやすいため、眠る前はできるだけ落ち着いた環境を整えましょう。
あわせて、4秒かけて鼻から息を吸い、8秒かけて口からゆっくり吐く呼吸を数回繰り返す方法もおすすめです。呼吸に意識を向けることで気持ちが落ち着きやすくなり、眠る準備を整えやすくなります。
呼吸法は回数にこだわる必要はなく、自分が落ち着けるペースで続けることが大切です。静かな音楽を流したり、ストレッチを軽く取り入れたりすると、さらに心身をリラックスさせやすくなるでしょう。
眠りが浅い原因になる習慣を見直す

睡眠の質を下げる習慣は、普段の生活のなかに隠れていることがあります。すべてを一度に変える必要はありません。
まずは取り組みやすいものから見直し、無理なく続けることを意識しましょう。
就寝3時間前以降はコーヒーやエナジードリンクを飲まない
コーヒーやエナジードリンク、濃いお茶などに含まれる<strong>カフェイン</strong>には覚醒作用があります。夕方以降に摂取すると眠気を感じにくくなり、寝つきが悪くなる原因になる場合があります。
そのため、就寝3時間前以降はカフェインを含む飲み物を控えるとよいでしょう。また、スマホを寝室へ持ち込むと、通知や画面の光が気になり、眠る直前まで操作してしまうこともあります。
就寝前は寝室の外で充電するなど、自然と触れない環境をつくる工夫も役立つでしょう。
夕食は就寝3時間前までに済ませ揚げ物や飲酒を控える

夕食の時間や内容も、睡眠の質に影響を与える要素の一つです。就寝直前に食事をすると消化活動が続き、体が十分に休まりにくくなることがあります。夕食は<strong>就寝3時間前まで</strong>を目安に済ませるとよいでしょう。
また、脂っこい料理は消化に時間がかかりやすく、アルコールも眠りを浅くする要因になるとされています。夜は消化のよい食事を意識し、食べ過ぎや飲み過ぎにも注意しましょう。
眠りが浅い人のためのぐっすり眠れる寝室の整え方

睡眠の質を高めるためには、寝室の環境づくりも重要です。どれだけ睡眠時間を確保していても、光や音、室温などが合っていないと途中で目が覚めやすくなります。寝具を買い替えなくても改善できることは少なくないため、まずは身近なところから見直してみましょう。
遮光カーテンと耳栓で外光や生活音を遮る
街灯や朝日などの光が寝室へ入り込むと、眠りが浅くなる原因になることがあります。<strong>遮光カーテン</strong>を活用して外からの光を抑えることで、睡眠中に目が覚めにくい環境を整えやすくなります。
また、車の走行音や家族の生活音が気になる場合は、耳栓やホワイトノイズを利用する方法もおすすめです。静かな環境をつくることで、睡眠中に余計な刺激を受けにくくなります。
可能であれば、寝室へ入る前から照明を少し暗めにしテレビなどの音も控えめにすると、眠るための環境を整えやすくなります。小さな工夫を積み重ねることが、快適な睡眠につながるでしょう。
室温を夏26度前後冬18〜20度に保ち枕の高さを合わせる
寝室は暑すぎても寒すぎても眠りの妨げになります。室温は<strong>夏は26度前後、冬は18〜20度</strong>を目安に調整すると快適に過ごしやすくなるでしょう。
さらに、枕の高さが合っていないと首や肩に負担がかかり、途中で目が覚める原因になることもあります。寝返りが打ちやすく、首が自然な角度になる高さを目安に、自分に合った寝具を選ぶことも大切です。
寝具は長年使用するとへたりが生じ、体を十分に支えられなくなる場合があります。枕やマットレスに違和感があるときは、現在の寝具が自分の体に合っているか見直してみることも視野に入れてみてください。
眠りが浅い人の睡眠の質を高める食事のとり方

毎日の食事も、睡眠の質を支える大切な要素です。栄養バランスが偏ると体内リズムが乱れやすくなるため、睡眠に関わる栄養素を意識しながら食事を組み立てることが大切です。
ここでは、毎日の生活へ取り入れやすい食事の工夫を紹介します。
朝食で納豆や乳製品などトリプトファンを含む食品をとる
<strong>トリプトファン</strong>は、睡眠に関わるホルモンであるメラトニンの材料となる必須アミノ酸です。
トリプトファンは体内でつくることができないため、食事から摂取する必要があります。納豆やヨーグルト、牛乳、チーズなどを朝食へ取り入れることで、不足を補いやすくなるでしょう。
また、GABAを含む発芽玄米やトマトなどを毎日の食事へ取り入れることも、健康的な食生活につながります。特定の食品だけを食べるのではなく、主食・主菜・副菜を組み合わせながら、さまざまな栄養素をバランスよく摂取することも意識しましょう。
就寝前は脂っこい食事を避け消化のよいものを選ぶ
夕食が遅くなった日は、食事内容にも気を配ることが大切です。揚げ物などの料理は消化に時間がかかり、就寝中も胃腸が活発に働き続ける場合があります。
夜遅い時間に食事をする場合は、おかゆやうどん、豆腐など<strong>消化のよい食品</strong>を選ぶと、体への負担を抑えやすくなります。また、食べ過ぎを避け、腹八分目を意識することも睡眠環境を整えるポイントの一つです。
夜食が必要な場合は、食べる量を控えめにし、温かいスープや豆腐など胃腸へ負担をかけにくい食品を選ぶ方法もおすすめです。
食後すぐ横にならず、少し時間を空けてから就寝すると、より眠りやすくなるでしょう。
眠りが浅い状態が続くときの注意点

生活習慣を見直しても眠りの浅さが改善しない場合は、病気が隠れている可能性も考えられます。無理に我慢せず、必要に応じて医療機関へ相談することも大切です。
いびきや日中の強い眠気があれば睡眠時無呼吸症候群を疑う
大きないびきをかく、睡眠中に呼吸が止まると指摘されたことがある、日中に強い眠気を感じるといった場合は、<strong>睡眠時無呼吸症候群</strong>の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群では、眠っている間に呼吸が何度も止まるため、十分な睡眠時間を確保していても疲れが取れないことがあります。このような症状が続く場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
浅い眠りが3週間以上続くなら睡眠外来や心療内科を受診する
夜中に何度も目が覚める状態や、眠りが浅い状態が<strong>3週間以上</strong>続く場合は、一度専門医へ相談することをおすすめします。
睡眠外来や心療内科では、生活習慣や睡眠状態を確認したうえで、必要に応じた検査や治療を受けることができます。「そのうち治るだろう」と自己判断せず、症状が続く場合は早めに相談することが大切です。
眠りが浅い人が睡眠を内側から支える習慣

睡眠環境や生活習慣を整えることに加え、体の内側から睡眠をサポートする習慣を取り入れる方法もあります。無理なく続けられる方法を選び、毎日の習慣として定着させることが大切です。
GABAを含む発芽玄米やトマトを毎日決まった時間にとる
<strong>GABA</strong>は、発芽玄米やトマトなどに含まれる成分として知られています。
毎日決まった時間に食事や飲料から取り入れることで、生活リズムの一部として続けやすくなるでしょう。
就寝前の1杯として続けやすい飲料を習慣にする
健康習慣は、無理なく続けられる方法を選ぶことが何より重要です。就寝前のリラックスタイムに、温かい飲み物などを取り入れることで、毎日の習慣として定着しやすくなります。
習慣を整えてぐっすり眠れる毎日へ

眠りが浅くなる原因は、自律神経の乱れや生活習慣、寝室環境などさまざまです。そのため、一つの対策だけでなく、夜の過ごし方や食事、寝室環境を総合的に見直すことが改善への近道になります。
まずは入浴やスマホの使い方、寝室環境など、今日から始められることを一つずつ取り入れてみましょう。
睡眠は毎日の積み重ねによって少しずつ整っていくものです。すぐに変化を感じられなくても、夜の習慣や寝室環境、食生活を継続して見直すことで、睡眠の質の改善につながる可能性があります。焦らず、自分に合った方法を続けることを意識してみてください。
さらに、体の内側から睡眠をサポートしたい方は、生活リズムや睡眠環境を見直すことも選択肢の一つです。無理なく続けられる方法を見つけ、ぐっすり眠れる毎日を目指しましょう。
参考文献
厚生労働省 e-ヘルスネット|睡眠の質
厚生労働省|健康づくりのための睡眠ガイド2023
国立精神・神経医療研究センター|睡眠障害の対応と治療ガイドライン
