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食物繊維の栄養とは?水溶性と不溶性の違いと多い食品を解説

食物繊維の栄養とは?水溶性と不溶性の違いと多い食品を解説

食物繊維は体によいと聞いていても、「どのような働きがあるのか」「十分にとれているのかわからない」と感じている方も少なくないのではないでしょうか。

食物繊維は第6の栄養素とも呼ばれ、健康維持に役立つ働きが報告されています。

本記事では、食物繊維の基本的な役割や水溶性・不溶性の違い、1日に必要な目標量について分かりやすく解説します。

毎日の食事を見直すきっかけとして、ぜひ参考にしてください。

食物繊維は第6の栄養素と呼ばれる働きを持つ

食物繊維の栄養とは?水溶性と不溶性の違いと多い食品を解説

食物繊維は、人の消化酵素ではほとんど分解されず、小腸で吸収されることなく大腸まで届く成分です。

かつては体内で利用されないため不要なものと考えられていましたが、近年では腸内環境を整える働きや健康維持への重要な役割が明らかになり、第6の栄養素とも呼ばれるようになりました。

主要なエネルギー源ではありませんが、一部は大腸で発酵され、生成した短鎖脂肪酸がエネルギーとして利用されます。

そのため、毎日の健康を支える栄養成分として、意識して取り入れることが大切です。

消化酵素で分解されず腸まで届く

食物繊維の栄養とは?水溶性と不溶性の違いと多い食品を解説

食物繊維は、私たちの体内にある消化酵素ではほとんど分解されないため、小腸で吸収されずに大腸まで届くことが特徴です。

大腸では腸内細菌のエサとなり、一部は発酵・分解されて短鎖脂肪酸が作られます。

短鎖脂肪酸は腸内環境を整える働きがあると考えられており、健康維持にも役立つ成分です。

主要な栄養素のように小腸で消化・吸収されるものではありませんが、一部は大腸で発酵され、生成した短鎖脂肪酸が体内で利用されます。

一部の水溶性食物繊維は糖質の吸収を緩やかにする

一部の水溶性食物繊維については、糖質の吸収を緩やかにし、食後血糖値の上昇を抑えることや、胆汁酸などの排出に関与することが報告されています。

毎日の食事に食物繊維を取り入れることは、健康的な食生活を続けるための一つの工夫といえるでしょう。

食物繊維の栄養は水溶性と不溶性の2種類に分かれる

食物繊維の栄養とは?水溶性と不溶性の違いと多い食品を解説

食物繊維は、大きく水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分けられます。

それぞれ性質や体内での働きが異なるため、どちらか一方だけではなく、バランスよく摂取することが大切です。

水溶性食物繊維には、果物に多く含まれるペクチンや海藻に含まれるアルギン酸などがあり、水に溶けてゲル状になる特徴があります。

一方、不溶性食物繊維には、野菜や穀類に含まれるセルロースなどがあり、水に溶けにくく便のかさを増やす働きが期待されています。

それぞれの特徴を理解して食品を組み合わせることで、食物繊維の働きをより効果的に食生活へ取り入れられるでしょう。

水溶性は水に溶けてゲル状になる

一部の水溶性食物繊維は、水に溶けるとゲル状になり、胃や腸の中をゆっくり移動する特徴があります。

そのため、食事に含まれる糖質の吸収を緩やかにして食後血糖値の上昇を抑える働きや、胆汁酸などの排出に関与する働きが報告されています。

代表的な成分にはペクチンやアルギン酸、グアーガムなどがあり、果物や海藻類、大麦などに多く含まれています。

不溶性は便のかさを増やして腸を動かす

不溶性食物繊維は、水に溶けにくい性質を持ち、水分を吸収して便のかさを増やす働きがあります。

便の量が増えることで腸が適度に刺激され、ぜん動運動が促されるため、お通じを整える効果が期待されています。

代表的な成分にはセルロースやヘミセルロース・リグニンなどがあり、ごぼうやきのこ類・豆類・玄米などに含まれています。

また、噛み応えのある食品が多く、よく噛んで食べることにつながります。

健康な腸内環境を維持するためには、不溶性食物繊維だけに偏るのではなく、水溶性食物繊維と組み合わせてバランスよく摂取することが大切です。(※1)(※2)

食物繊維の栄養がもたらす健康効果

食物繊維の栄養とは?水溶性と不溶性の違いと多い食品を解説

食物繊維は、腸内環境を整えるだけでなく、私たちの健康維持にもさまざまな働きを持つ栄養成分です。

特に、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は、それぞれ異なる特徴を生かしながら体の調子を支えています。

不溶性食物繊維は便のかさを増やして腸の動きを促し、お通じを整えることにつながるお通じの改善につながることが期待されています。

このように、食物繊維は日々の体調管理を考えるうえでも欠かせない栄養素です。

便通を整える働きが期待される

食物繊維は、便通を整える働きが期待されます。また、一部の水溶性食物繊維には食後血糖値の上昇を緩やかにする働きが報告されています。

水溶性食物繊維の中には腸内細菌に利用されるものがあり、腸内環境に関与すると考えられています。

これらをバランスよく摂取することで、お通じを整えることが期待できるでしょう。毎日の食事で継続して取り入れることが、腸内環境を健やかに保つポイントです。

一部の水溶性食物繊維は食後血糖値の上昇を抑える

一部の水溶性食物繊維は、水に溶けるとゲル状になる性質があり、胃から腸への食べ物の移動をゆるやかにします。

そのため、糖質の吸収速度が緩やかおだやかになり、食後血糖値の急激な上昇を抑える働きが期待できるでしょう。

毎日の食事で食物繊維を意識して取り入れることは、健康的な食生活を続けるための大切なポイントです。

食物繊維が多い食品と栄養を逃さない食べ方

食物繊維の栄養とは?水溶性と不溶性の違いと多い食品を解説

食物繊維を効率よく摂取するには、毎日の食事でさまざまな食品を組み合わせることが大切です。

食物繊維は、ごぼうやブロッコリーなどの野菜・きのこ類・豆類・海藻類・果物・大麦や玄米などの穀類に含まれています。

それぞれ含まれる食物繊維の種類が異なるため、特定の食品だけに偏らず、幅広く取り入れることが健康維持につながるでしょう。

また、野菜やきのこは加熱するとかさが減るため、一度に多くの量を食べやすくなります。

汁物や炒め物・煮物などに取り入れると、無理なく摂取量を増やせるでしょう。

毎日の食事に少しずつ食物繊維が含まれている食品を取り入れることが、不足を防ぎ、腸内環境を整える第一歩になります。

ごぼうやきのこ類

ごぼうやきのこ類・豆類・玄米には、不溶性食物繊維が含まれています。

不溶性食物繊維は水分を吸収して便のかさを増やし、腸のぜん動運動を促すことで、お通じを整える働きが期待されています。

毎日の食事では、炊き込みご飯やみそ汁・炒め物などに取り入れることで、無理なく食物繊維を補うことができます。

海藻や大麦

わかめや昆布、もずくなどの海藻類や、大麦、オートミールには、水溶性食物繊維が含まれています。

一部の水溶性食物繊維は水に溶けるとゲル状になり、糖質や脂質の吸収をゆるやかにする働きがあります。

白米に大麦を混ぜて炊いたり、海藻をみそ汁やサラダに加えたりすると、毎日の食事でも無理なく摂取量を増やせるでしょう。

水溶性と不溶性の食物繊維を組み合わせて取り入れることが、健康的な食生活につながるでしょう。

18~74歳女性の食物繊維は1日18g以上が栄養の目標量

食物繊維の栄養とは?水溶性と不溶性の違いと多い食品を解説

食物繊維は健康維持に欠かせない栄養素ですが、十分な量を毎日摂取できている人は多くありません。

令和6年国民健康・栄養調査では、20歳以上の男女計における食物繊維摂取量の平均値は、1日18.1gと報告されています

年齢や性別によって目標量と実際の摂取量は異なりますが、目標量に達していない層もみられます。

野菜だけで必要量を満たすのは難しいため、豆類やきのこ類・海藻類・果物・全粒穀物なども組み合わせて取り入れることが大切です。

まずは毎食に食物繊維を含む食品を1品追加するなど、無理なく続けられる工夫から始めることで、目標量に近づけやすくなるでしょう。

75歳以上の女性は1日17g以上が目標

食物繊維の栄養とは?水溶性と不溶性の違いと多い食品を解説

75歳以上の女性における食物繊維の1日の目標量は、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」で17g以上とされています。

食物繊維は一度にまとめてとるよりも、毎食に野菜や豆類・海藻・きのこ・果物などを取り入れ、無理なく積み重ねることが目標量の達成につながります。

日頃の食事を少し工夫するだけでも、必要量に近づけることができます。

日本人の多くは目標量に届いていない

食物繊維は健康維持に欠かせない栄養素ですが、日本人の多くは目標量まで十分に摂取できていません。

食生活の変化により、野菜や豆類・海藻・きのこなど食物繊維を多く含む食品を食べる機会が減ったことも一因と考えられています。

目標量を満たすには、毎日の食事で主食・主菜・副菜をそろえ、野菜や海藻、豆類を意識して取り入れることが大切です。

普段の食事を少し見直すだけでも、食物繊維の摂取量を増やしやすくなります。

食物繊維が不足すると起こりやすい不調

食物繊維の栄養とは?水溶性と不溶性の違いと多い食品を解説

食物繊維は腸内環境を整え、健康を維持するために欠かせない栄養素です。

食物繊維の摂取不足は、便量や排便回数の低下と関連することがあります。便秘やお腹の張りには、食事以外のさまざまな要因も関係します

食物繊維の摂取量が多い食生活は、2型糖尿病や循環器疾患などの発症リスク低下との関連が報告されています。ただし、疾病予防には食事全体や運動なども関係します。

毎日の食事で野菜や海藻・豆類・きのこ類・全粒穀物などを意識して取り入れ、不足しないよう心がけることが健康維持につながります。

お通じの乱れにつながりやすい

食物繊維が不足すると、便のかさが増えにくくなり腸の動きも低下しやすいため、便秘を引き起こす原因の一つになります。

食物繊維は腸内細菌に利用される成分の一つであり、摂取量と腸内細菌叢との関連が研究されています。

毎日の食事で十分な食物繊維を摂取し、腸内環境を整えることが、健康を保つために役立ちます。

生活習慣病の発症リスクとの関連が報告されている

食物繊維の摂取量が多い食生活は、2型糖尿病や循環器疾患などの発症リスク低下との関連が報告されています

一部の水溶性食物繊維には、血中コレステロール濃度の上昇を抑える働きが報告されています。

さらに野菜や豆類・海藻など食物繊維が含まれている食品を積極的に取り入れることで、生活習慣の見直しにも役立ちます。

毎日の食事で継続して摂取することが大切です。

食物繊維の栄養を毎日の習慣で無理なく補う方法

食物繊維の栄養とは?水溶性と不溶性の違いと多い食品を解説

食物繊維を十分に摂取するには、特別な食事を用意するよりも、普段の食生活に少し工夫を加えることが大切です。

例えば、白米に大麦や雑穀を混ぜて炊くと、無理なく食物繊維の摂取量を増やせます。野菜やきのこ、海藻を毎食一品加えることも効果的です。

さらに、おやつを菓子類から果物やナッツに替えたり、食物繊維を含むシリアルや、果物・オートミールなどを加えたヨーグルトを取り入れる方法も続けやすいでしょう。

毎日の小さな積み重ねが、食物繊維不足を補うこと食物繊維不足の改善や腸内環境の維持につながります。

無理なく続けられる方法を選び、自分の生活スタイルに合わせて習慣化することが、健康づくりの第一歩です。

白米を大麦や雑穀に置き換える

食物繊維の栄養とは?水溶性と不溶性の違いと多い食品を解説

食物繊維を手軽に増やしたい場合は、毎日食べる白米を大麦や雑穀入りご飯に置き換える方法がおすすめです。

大麦には水溶性食物繊維の一種であるβ-グルカンが含まれ、食後の血糖値の上昇をゆるやかにしたり、腸内環境を整えたりする働きが期待されています。

白米に少量混ぜて炊くだけなので、特別な調理は必要ありません。毎日の主食を少し工夫することで、無理なく食物繊維の摂取量を増やせます。

間食を果物やナッツに変える

食物繊維を無理なく補うには、間食の内容を見直すことも効果的です。

スナック菓子や洋菓子の代わりに、りんご・バナナなどの果物・アーモンドやくるみなどの無塩ナッツを選ぶと、食物繊維を手軽に摂取できます。

果物にはビタミンやミネラルも含まれ、ナッツには良質な脂質も含まれています。

ただし、ナッツはカロリーが高いため、食べ過ぎには注意しましょう。毎日の間食を少し工夫することで、食物繊維不足を補うこと食物繊維不足の改善につながります。

腸内環境と睡眠・休息との関連は研究段階

食物繊維の栄養とは?水溶性と不溶性の違いと多い食品を解説

腸内環境と睡眠等との関連が研究されていますが、食物繊維摂取による改善効果は確立していません 。

食物繊維は便通を整えるだけでなく、腸内環境を改善することで全身の健康維持にも役立つ栄養素です。

近年では、腸と脳が互いに影響し合う腸脳相関という考え方が注目されています。

食物繊維を摂取しただけで睡眠が改善するわけではなく、規則正しい生活や適度な運動と組み合わせることが大切です。

毎日の食事で食物繊維を意識的に取り入れ、健康的な毎日を過ごしましょう。

※腸内環境と睡眠との関連は研究段階であり、食物繊維の摂取によって睡眠や自律神経の状態が改善することが確立しているわけではありません。

腸内環境と休息との関連は研究段階

食物繊維を十分に取り入れ、腸内環境を整えることは、体全体の健康維持につながります。

睡眠の質は食事だけで決まるものではなく、適度な運動や規則正しい生活、十分な睡眠時間など複数の要因が影響するでしょう。

食物繊維を含む食品を毎日の食事に取り入れ、生活習慣全体を整えることが大切です。

※食物繊維による睡眠・自律神経への改善効果は確認されていません。

食物繊維を取り入れ、バランスのよい食生活を心がけましょう

食物繊維の栄養とは?水溶性と不溶性の違いと多い食品を解説

一部の水溶性食物繊維には、糖質の吸収を緩やかにし、食後血糖値の上昇を抑える働きが報告されています

18~74歳の女性では1日18g以上、75歳以上では17g以上を目標に 、野菜やきのこ・海藻・豆類・大麦などを毎日の食事へ無理なく取り入れることが大切です。

参考文献

  1. e-ヘルスネット「プロバイオティクス」
  2. 農林水産省「野菜・果物をとろう!:農林水産省:農林水産省」
  3. 厚生労働省「ࠝbody mass index㸸BMIࠊయ㔜 (kg)¹㌟㛗 (m)2ࠞࡀᶆ‽ࡾࡼⴭࡃࡋእ࠸࡞࠸࡚ࢀ⪅ࣇࠊ࠾࡞ࠋࡿࡍ࡜」
  4. 厚生労働省「食物繊維の栄養の参考資料」
  5. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
  6. 国立長寿医療研究センター「腸内フローラと健康」
  7. 農林水産省「食塩の取りすぎに注意:農林水産省:農林水産省」