
40代は寝ても疲れがとれない?原因や改善方法、疲れがとれやすい睡眠のポイントを解説
40代になって仕事や家事に追われ、寝たはずなのに身体が重い、日中眠気が強いと感じることはありませんか。40代男性・女性ともに1日の睡眠時間は7時間未満と、ほかの年代と比較しても低い傾向にあります。
働き盛りの世代にとって、睡眠不足は共通の悩みです。加齢などで諦めている方もいるかもしれませんが、実は加齢以外の原因もあるのが事実です。原因と対策を整理すれば改善の余地があります。
この記事では、40代によくある睡眠不足の原因を整理しながら、生活習慣や食事を含めた現実的な改善方法を紹介していきます。記事を読み終える頃には、自分に合った改善方法が見つかるはずです。
年を重ねても、すっきりとした目覚めや、充実した毎日を過ごすためのヒントを手に入れていってください。(※1)
40代は寝ても疲れがとれない?

40代を過ぎた頃から、以前よりも疲れが残る、7〜8時間寝てもすっきりしないなどと感じる方もいるのではないでしょうか。これは気のせいではなく、実際に加齢による睡眠の変化 が起きていることが科学的にも証明されています。
厚生労働省の報告によると、脳波を用いた研究によって、夜間に実際に眠ることができる時間は加齢とともに短くなっていきます。例えば25歳では約7時間、45歳では6.5時間、65歳では6時間と変化がしていく傾向です。
そのため、以前と同じ時間に布団へ入ったとしても、実際に眠れる時間は減少している状態です。また、加齢によって深いノンレム睡眠(深い睡眠)の時間が減り、浅い眠りの時間も増えてきます。
途中で目が覚める、十分に寝たと思っても、疲れが取れていないと感じやすくなるのもそのためです。こうした睡眠の変化は、40代の頃から顕著に起きやすく、異常なことではありません。
大切なのは、加齢による変化だから諦めるのではありません。今の自分に合った睡眠の取り方や、生活習慣を整えることです。原因を正しく知れば、改善点も見えてきます。(※2)
40代が寝ても疲れがとれない主な原因

寝ても疲れが取れない原因は、ひとつ解決しても改善しない場合があります。加齢による身体の変化だけが原因と思われがちですが、複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。
実際には生活リズムの乱れや慢性的なストレス・ホルモンバランスの変化・生活習慣など、複数の要因が重なって疲れが取れない状態を引き起こしています。
特に40代は仕事での責任が増す時期と身体の変化が重なりやすく、複数の要因が重なってしまいがちです。原因がわからないまま年齢のせいにして諦めてしまえば、改善のチャンスも逃してしまいます。
まずは自分に当てはまる要因を把握してみてください。以下の項目をひとつずつ確認して、自分の疲れの原因を整理してみましょう。(※3)
加齢による体力・回復力の低下

加齢とともにノンレム睡眠の時間は減少し、浅い眠りが増えていきます。深い眠りは、休息に関係するとされています。その時間が短くなると、同じ睡眠時間でも回復感が得られにくくなっていきます。
また、加齢による筋肉量や体力の低下も、疲れが残りやすくなる傾向に影響します。若い頃と同じ感覚で生活していると、身体がついていかないと実感するのは、こうした肉体的な変化から生じているといえるでしょう。(※4)
慢性的な睡眠不足や生活リズムの乱れ
40代は、仕事や家庭における役割が増える世代です。睡眠時間を削ってでも、対応する事柄が増える時期にもなってきます。日本人の睡眠時間は、国際的に見てもかなり低い水準です。
特に、働き盛りの40代こそ慢性的な睡眠不足に陥る状況になりやすいです。睡眠不足が続くと疲労が蓄積し、週末に長く寝ても解消しきれないことが知られています。
また、夜型生活や不規則な就寝・起床時間は体内時計を乱すため、睡眠の質を下げる原因にもなるでしょう。(※5)
仕事や家庭による心理的ストレスの蓄積

健康づくりのための睡眠ガイド2023によると、仕事などによる日中のストレスが睡眠休養感(睡眠で休養がとれている感覚)の低下と関連することが報告されています。
40代は職場での責任や仕事が増え、プレッシャーや悩みを抱えやすい立場であることが増えます。そのため、日中に受けたストレスが夜間の眠りを浅くしたり、入眠を妨げたりする要因にもなってくるでしょう。
心が落ち着かないまま眠りにつくと、脳が十分に休めません。そのため、翌朝の疲れが取れない感覚にもつながりやすいです。(※6)
ホルモンバランスの変化による影響
40代以降の男性は、LHO症候群(男性更年期)を発症する場合があります。これは、加齢によりテストステロンというホルモンが減少するためです。
主な症状は睡眠障害や倦怠感、意欲の低下などです。ストレスや生活習慣の乱れ、肥満もテストステロン低下の要因になります。不調が続く場合は自己判断を避け、専門医に相談しましょう。
また、女性も40代から更年期に入る時期です。睡眠の悩みは、早めに対処しましょう。(※7)
寝ても疲れがとれない状態の改善方法

原因を知った後は、実際に改善に向けて動き出すのが大切です。いきなり変えるのは大変そうと感じる方もいるかも知れません。ですが、すべてを一度に変える必要はありません。
大きな変化をしなくても、日常のなかで少しずつ取り入れられる方法から始めていきましょう。
睡眠の質は、運動・ストレス管理・食事・生活リズムといった、複数の要素が組み合わさり成り立っています。どれかひとつでも完璧にこなそうとするよりも、できそうなことから少しづつ取り組んでいきましょう。
そのほうが長続きしやすく、身体の変化も感じやすいです。まずは今日からできることを見つける意識で、以下の改善方法を参考にしてみてください。(※8)
適度な運動をする
運動には、睡眠習慣づくりに役立つとされていることが報告されています。特に、継続した運動はよい眠りにつながるとされている習慣です。日中の活動量を増やすことで昼夜のメリハリを生み出し、夜間の睡眠の深さにも好影響を与えてくれます。
激しい運動である必要はなく、ウォーキングや軽いストレッチなど、続けやすいものを選ぶのがポイントです。ただし、就寝1時間以内の激しい運動は、身体を覚醒させてしまうので夕方までに済ませるのが理想的です。(※9)
ストレスを上手に解消する
ストレスが貯まると寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりします。ストレスをゼロにすることは難しいですが、意識的にリラックスできる時間をつくるのが大切です。
深呼吸や軽いストレッチ・好きな音楽を聴く・読書をするなど、自分なりのリラクゼーション習慣を見つけておきましょう。就寝前はできるだけ仕事や心配事から離れて、気持ちが落ち着いた状態で眠りにつく準備をするのが、就寝前の過ごし方として推奨されています。(※9)
栄養バランスのよい食事を心がける

食事の内容も睡眠に影響する項目です。栄養バランスを意識した食生活が大切です。
1日3食を規則的に食べて、偏りのない食生活にするとよいです。特に、特定の栄養素だけに頼るのではなく、全体的な食生活のバランスと規則性を意識しましょう。(※10)
生活リズムを整える
体内時計を安定させるためにも、就寝・起床時間を毎日できるだけ一定に保ちましょう。健康づくりのための睡眠ガイド2023でも、生活リズムを一定に保つことが睡眠休養感の確保に重要とされています。
休日に寝だめをすると体内時計が乱れ、週明けに疲れが残る社会的時差ぼけの原因になることも報告されています。毎朝同じ時間に起きて太陽の光を浴びる習慣から始めると、体内リズムも整えやすいです。(※11)
疲れがとれやすい睡眠のポイント

睡眠時間をしっかり確保していても、眠りの質が低いと疲れは取れません。毎日7時間以上寝ても、すっきりしない方は寝る前の過ごし方や生活習慣を見直してみてください。
そのなかに、睡眠の質を下げる要因が潜んでいる可能性もあるはずです。健康づくりのための睡眠ガイド2023でも、睡眠環境や就寝前の行動が睡眠休養感に影響することが指摘されています。
寝る前のちょっとした習慣を見直すだけで、睡眠の深さや翌朝の目覚めも変わることがあります。特別な道具や費用も必要ありません。今日からでも実践できるポイントを確認していきましょう。(※12)
寝る前にスマホやパソコンを見ない
スマートフォンやパソコンのディスプレイから発せられるブルーライトは、睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌を抑制します。メラトニンは夜の暗い環境になると分泌量が高まり、睡眠と関係があるホルモンです。
就寝前にスマートフォンを長時間見ていると、身体はまだ昼間と誤認してしまいなかなか寝つけず、眠りが浅くなってしまいます。寝る1〜2時間前からは画面を見る時間を減らし、部屋の照明も少し落として、身体を夜モードに切り替えましょう。(※13)
入浴は寝る1時間以上前に済ませておく
入浴後、一度上がった体温が徐々に下がっていく過程で眠気が訪れやすいです。これは、身体の深部体温が下がることが睡眠の導入と関係しているためです。
しかし、就寝直前に入浴すると体温が高いままで眠りにつくことになり、かえって寝つきが悪くなることがあります。38〜40度のお湯にゆったりと浸かり、寝る1時間以上前に入浴を済ませておくのが理想的です。心身がリラックスした状態をつくりやすく、リラックスした就寝前の環境づくりに役立ちます。(※14)
夕食は寝る2時間以上前に済ませておく

就寝直前に食事をとると、消化のために胃腸が活発に動き続けます。こうなると、身体が十分に休息モードに入れません。内臓が働いている状態では深い眠りが妨げられてしまい、翌朝の疲労感にもつながりやすいです。
就寝直前の夕食や夜食は、睡眠休養感を下げる要因のひとつです。夕食はなるべく就寝の2時間以上前に済ませ、消化をある程度終えた状態でベッドに入る習慣をつけましょう。
こうした睡眠習慣の見直しと並行して、日々のコンディションを整える選択肢として注目されているのが、日々の生活習慣を見直す取り組みです。(※15)
40代の適切な睡眠時間の目安

結局、何時間寝ればよいのかは多くの方が気になるところです。しかし、どのくらい寝るのが正解とは言い切れません。
健康づくりのための睡眠ガイド2023によると成人においては、おおよそ6〜8時間が適正な睡眠時間と考えられ、少なくとも6時間以上確保が推奨されています。
加齢の観点からみると、45歳での実際の睡眠時間の目安は約6.5時間と報告されており、若い頃と比べて必要な睡眠時間自体が減っています。
重要なのは、睡眠の量だけでなく質を同時に確保することです。同じ6時間でも、深く眠れているかどうかで疲れのとれ具合は大きく変わります。目覚めたときに休めたと感じられるか、日中に強い眠気が出ないか確認し、自分に合った睡眠時間を探っていきましょう。
また、生活習慣の改善を試みても睡眠の不調が続く場合は、睡眠障害が潜んでいる可能性もあります。早めに医師に相談することも選択肢のひとつです。(※16)
寝ても疲れがとれない40代のための栄養習慣

生活リズムや睡眠習慣の見直しと並行して、食事・栄養面からも睡眠の質を整えるアプローチが注目されています。もちろん、特定の栄養素や食品が直接的な睡眠薬になるわけではありません。
しかし、毎日の食生活のなかで意識的に取り入れることで、就寝前の生活習慣づくりの参考にもなってきます。睡眠に関わるホルモンの原料となる栄養素や、生活習慣と関係がある成分は、日々の食事から摂取できるものが少なくありません。
まずはどのような栄養素が睡眠に関わるのか、知ることから始めましょう。(※17)
睡眠の質に関わる栄養素
まず、睡眠に役立つ栄養素として、特にトリプトファン・GABA・グリシン・ビタミンB6が知られています。トリプトファンは必須アミノ酸のひとつで、体内でセロトニン(心を落ち着かせる神経伝達物質)に変換され、夜になるとさらに睡眠ホルモンであるメラトニンへと変わります。
日中に光を浴びることでセロトニンの合成が促されるため、朝の習慣とセットで意識するとより効果的でしょう。大豆製品や乳製品、卵、バナナなどに多く含まれている成分です。
GABA(ギャバ)は、γ-アミノ酪酸の略称で、動物・植物・人間の体内にも自然に存在するアミノ酸のひとつです。中枢神経系では抑制系の神経伝達物質として働き、興奮状態を抑えて心身の緊張を緩める役割を担っています。
食品として摂取したGABAは、末梢の自律神経系において交感神経を抑え副交感神経を優位にして、リラックスタイムに取り入れられる成分として知られていますと考えられている成分です。
グリシンは中枢神経に作用して身体の深部体温を下げる働きがあり、寝つきを助ける効果が研究で示されています。ビタミンB6は、前述のトリプトファンからセロトニンへの合成を助ける役割があり、まぐろ・かつお・バナナ・赤身の肉などに多く含まれています。(※18)
発酵食品や飲料を活用した取り入れ方

食生活の一例として、発酵食品や発酵飲料を日常に取り入れるのも有効なアプローチです。発酵食品には、腸内環境との関連が研究され、腸内環境と自律神経・睡眠の質が関連していることが近年注目されています。
みそ・納豆・ヨーグルト・酢などの発酵食品は日本人の食卓に馴染みやすく、継続しやすいのもメリットです。
寝てもなかなか疲れがとれない40代は早めの対策がおすすめ

疲れが少し残っているくらいなら大丈夫だと思っていると、慢性的な睡眠不足や疲労は気付かないうちに貯まっていくのが事実です。
健康づくりのための睡眠ガイド2023によると、睡眠不足や睡眠の質の低下は、肥満・高血圧・2型糖尿病・心疾患・うつ病などの発症リスクの上昇への関連性が報告されています。
また、睡眠不足が続くことで日中のパフォーマンスや判断力にも影響し、仕事や家庭生活の質が低下するリスクも出てきます。特に40代は睡眠の質が変化しやすい時期で、忙しさから改善を後回しにしがちな年代です。
だからこそ、早めに自分の睡眠習慣を見直し、無理のない範囲で対策を始めることが重要です。生活リズムを整え食事・入浴・生活習慣を見直すこと、そして毎日の食生活のなかで睡眠と関係があるとされる栄養素を少しでも意識的に取り入れることで、生活習慣を見直すきっかけになります。(※19)
