
疲れない体づくりのための生活習慣|疲れを感じる原因、運動や食生活のポイントも解説
234 疲れない体づくりのための生活習慣|疲れを感じる原因、運動や食生活のポイントも解説
仕事や家事を終えた後にぐったりしたり、以前より体力が落ちたと感じたりすると、疲れにくい体をつくりたいと考える方もいるでしょう。
疲れは日々の活動だけでなく、栄養不足や運動不足、睡眠不足などが関係して生じる場合があります。疲労を溜め込まないためには、原因を振り返りながら自分に合った対策を取り入れることが大切です。
本記事では疲れの種類や原因を整理したうえで、疲れにくい体づくりに役立つ生活習慣や運動、睡眠のポイントを解説します。
疲れの種類

疲れは、原因や負担がかかっている部分によっていくつかの種類に分けられます。体を動かした後に感じる疲労だけでなく、仕事のプレッシャーや長時間の集中によって心身に負担がかかる場合もあります。
また、体調不良や病気が影響して疲れを感じるケースもあるため、状態に応じた対応が必要です。
疲れを軽減するには、まず自分が感じている疲労の特徴を整理することが大切です。次項からは、疲れの種類に関して解説します。
肉体的疲労
肉体的疲労は、運動や長時間の立ち仕事などで体に負担がかかった際に感じやすい疲れです。筋肉を動かし続けるとエネルギーが消費され、だるさや筋肉痛などにつながる場合があります。
また、同じ姿勢を長時間続けるデスクワークでも、特定の筋肉に負担がかかり疲労を感じることがあります。
肉体的疲労を軽減するには、十分な休養をとりながら体を休ませることが大切です。軽いストレッチや入浴を取り入れ、筋肉の緊張をほぐす方法も日々のケアに役立ちます。(※1)
精神的疲労

精神的疲労は、仕事のプレッシャーや対人関係などによるストレスが重なり、心に負担がかかった際に生じる疲れです。強いストレスを受ける状態が続くと、心だけでなく体にも疲れが現れる場合があります。(※2)
気分が沈むほか、意欲が湧かないなどの変化がみられる場合もあるため、早めに休息を取ることが大切です。
疲れていると感じた際は、趣味を楽しむ時間やゆっくり過ごす時間を確保して心身を休ませましょう。つらい状態が続く場合は無理に抱え込まず、医療機関などへの相談も検討しましょう。
神経的疲労
神経的疲労は、パソコンを使った長時間の作業や細かな情報処理などにより、集中が続いた際に感じやすい疲れです。情報機器を使う作業では、画面の注視や操作が長時間続くことで心身に負担がかかるため、適切な作業管理が重要とされています。(※3)
疲れを溜めないためには、作業を続けすぎず定期的に休止時間を設けることが大切です。休止中は画面から目を離して遠くを眺めたり、目を閉じたりするとよいでしょう。
作業内容を切り替えるなど、集中し続ける時間を短くする工夫も取り入れてください。
病気や体調不良に伴う疲労

病気や体調不良によって、疲労や全身のだるさが現れる場合もあります。倦怠感の背景には感染症や貧血、肝臓の異常、内分泌疾患など幅広い病気が隠れている可能性があります。(※4)
休養を取っても疲れが抜けない場合や、日常生活に支障が出るほど症状が続く場合は注意が必要です。発熱や息切れ、体重の変化など別の症状を伴う際も、疲れだけを理由に自己判断しないようにしましょう。
十分に休んでも改善がみられない場合は、原因を確認するために医療機関を受診するのが大切です。
疲れを感じる原因

疲れを感じる背景には、毎日の過ごし方や心身の状態などさまざまな要因が関係しています。一つの原因だけではなく、食生活の乱れやストレスなどが重なって疲労につながる場合もあります。
疲れにくい体を目指すには、今までの生活を振り返り、負担になっている要因を整理するのが大切です。次項からは、疲れにつながりやすい原因を解説します。
栄養不足
栄養が不足すると、体を動かすために必要なエネルギーを十分に作れず、疲れやだるさにつながる場合があります。
特にビタミンB1は、糖質からエネルギーを作り出す過程に関わる栄養素です。不足すると糖質をエネルギー源として利用しにくくなり、食欲不振や疲労などが現れる可能性があります。(※5)
特定の食品に偏った食生活では、必要な栄養素を十分に摂取できない場合があるため注意しましょう。主食・主菜・副菜を組み合わせ、さまざまな食品から必要な栄養素を摂取するのが大切です。
ストレス

ストレスは、仕事や家庭での悩みなどによって心身に負担がかかり、疲れを感じる原因になる場合があります。
ストレスを受けた際には、気分の落ち込みや意欲の低下だけでなく、頭痛や肩こりなど体に変化が現れることもあります。(※6)
負担が続けば十分に休んだつもりでも、疲労感が残る可能性があるため注意が必要です。疲れを感じた際は休養する時間を確保し、趣味や軽い運動など自分に合った方法で気分転換を図りましょう。
運動不足
運動不足が続くと体力が低下し、日常の活動でも疲れを感じやすくなる場合があります。身体活動には、筋力や持久力などの体力を維持・向上させる働きが期待できます。(※7)
一方で、普段あまり体を動かさない状態から急に激しい運動を始めると、体に負担がかかるため注意が必要です。
まずは歩く時間を増やしたり、家事で意識して体を動かしたりと、生活のなかで活動量を増やしてみましょう。
睡眠不足

睡眠不足が続くと十分な休養を確保できず、日中の疲労感や眠気につながる場合があります。また、睡眠による休養感が低下すると心身の健康にも影響するため、睡眠時間と休養感の両方を意識するのが大切です。(※8)
まずは毎日の起床時刻や就寝時刻を振り返り、必要な睡眠時間を確保できる生活リズムを整えましょう。寝室の明るさや温度などの環境を見直し、就寝前はできるだけリラックスして過ごすことも重要です。
疲れを感じたときに体に出る症状

疲れが溜まると体のだるさだけでなく、集中しにくいなど心身にさまざまな変化が現れる場合があります。普段とは異なる不調が続いていても、疲れとの関係に気付かず見過ごしてしまう場合もあるでしょう。
早めに休養や生活習慣の見直しにつなげるには、疲労に伴って現れやすい変化を知るのが大切です。次項からは、疲れを感じた際に出てくる症状を解説します。
倦怠感
倦怠感とは、体がだるい、力が入りにくいなどの不快な感覚を指します。睡眠不足や過度な運動などで一時的に現れる場合がある一方、感染症や貧血などの病気が関係するケースもあります。(※9)
無理に活動を続けると心身の負担が増す可能性もあるため、疲れている際は予定を調整して体を休めましょう。休養しても倦怠感が改善しない場合や、発熱など別の症状を伴う場合は、自己判断を続けず医療機関への相談を検討してください。
思考力の低下

疲労が溜まると集中力が続きにくくなり、普段より考えがまとまらないと感じる場合があります。特に睡眠不足は、注意力や判断力などの認知機能に影響を与える可能性があるため注意が必要です。(※10)
仕事や勉強でミスが増えたり、作業に時間がかかったりする場合は、疲れが蓄積していないか生活を振り返ってみましょう。無理に作業を続けず適度に休憩を取り、十分な睡眠時間を確保するのが大切です。
頭痛やめまい
疲れが溜まっている際には、頭痛やめまいを感じる場合があります。睡眠不足やストレスなどが頭痛につながるケースがあるほか、めまいは耳や脳の病気など幅広い原因で生じるため注意が必要です。(※11)
繰り返す場合は、発症した時間や症状の程度などを記録しておくと受診時の情報として役立ちます。突然の激しい頭痛や意識の異常、手足の動かしにくさなどを伴う際は、速やかに医療機関を受診してください。
疲れにくい体づくりのための生活習慣

疲れにくい体を目指すには、特別な対策を一度だけ行うのではなく、毎日の過ごし方を整えることが大切です。生活習慣を一度に変えようとすると負担になりやすいため、無理なく取り組める方法から始めましょう。
運動や休養に加えて、食事や睡眠のリズムを見直すことも心身のコンディションを保つうえで重要です。次項からは、疲れにくい体づくりを支える生活習慣を解説します。
適度な運動を習慣にする
適度な運動を習慣にすると、筋力や持久力などの体力を維持しやすくなり、健康づくりにも役立ちます。厚生労働省では、成人に対して歩行または同等以上の身体活動を1日60分以上行うことを推奨しています。(※12)
まとまった運動時間を確保するのが難しい場合は、通勤時に歩く距離を延ばすなど、日常生活のなかで体を動かす機会を増やしましょう。
運動習慣がない場合は急に強度を上げず、体調に合わせて少しずつ活動量を増やし、無理なく継続するのが大切です。
休養や入浴で心身を休める

疲れを溜めにくくするには、活動と休養のバランスを意識し、心身を休ませる時間を確保することが大切です。入浴も休養の一環として取り入れられます。就寝前の入浴は、ゆったり過ごす時間として取り入れやすい方法です。(※13)
ただし、熱すぎるお湯や長時間の入浴は体への負担になるため、体調に合わせて調整しましょう。帰宅後も仕事や家事を続ける場合は、意識して休憩する時間を設けることが重要です。
食事や睡眠のリズムを整える
食事や睡眠の時間が日によって大きく変わると、生活リズムが乱れるきっかけになります。特に、朝に日光を浴び、朝食を摂ることは、生活リズムを保つための習慣の一つとされています。(※14)
休日も起床時刻が大幅にずれないよう意識し、毎日の生活リズムを保つことが大切です。また、夕食が遅くなりやすい場合は時間帯を見直し、就寝直前の食事を避けましょう。
疲れにくい体づくりのためにおすすめの運動

疲れにくい体づくりには、ウォーキングなどの有酸素運動や筋力トレーニングを無理のない範囲で取り入れましょう。身体活動は体力の維持や向上に役立ち、健康維持にもつながります。(※15)
運動する時間を確保しにくい場合は、買い物の際に歩く距離を延ばしたり、階段を利用したりする方法もおすすめです。
自宅ではスクワットなど、器具を使わずにできる運動も取り入れられます。初めから負荷を高めず、現在の体力や体調に合わせて運動を選びましょう。
疲れにくい体づくりのための食生活のポイント

疲れにくい体を目指すには、運動や休養だけでなく毎日の食生活を整えることも大切です。食事を抜いたり特定の食品に偏ったりすると、体に必要なエネルギーや栄養素を十分に摂取できない場合があります。
忙しい日でも無理なく続けられる方法を取り入れ、食生活を見直していきましょう。次項からは、毎日の食生活を見直す際のポイントを解説します。
栄養バランスのとれた食事を3食摂る
疲れにくい体づくりには、必要なエネルギーや栄養素を毎日の食事から摂取することが大切です。食事を用意する際はご飯やパンなどの主食、肉や魚などを使った主菜、野菜を取り入れた副菜を組み合わせましょう。
主食・主菜・副菜を組み合わせた食事は、栄養バランスを整える目安として活用できます。(※16)朝食を抜きやすい場合は、まず食べる習慣を意識するのも重要です。
不足しやすい栄養素を食事から補う

ビタミンB1は糖質からエネルギーを作る過程に関わる栄養素で、豚肉や玄米などに含まれています。(※17)
また、鉄は体に欠かせないミネラルの一つで、レバーや赤身の肉、青菜などに含まれています。(※18)特定の栄養素だけを意識するのではなく、幅広い食品を組み合わせましょう。
疲れにくい体づくりのための睡眠のポイント

疲れにくい体づくりには、睡眠時間を確保するだけでなく、朝起きた際に休めたと感じられる睡眠を目指すことが大切です。成人では個人差を踏まえつつ、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。(※19)
毎日の起床時刻を整え、朝は日光を浴びるなど生活リズムを意識しましょう。また、就寝前はスマートフォンの使用を控え、寝室を暗くして休みやすい環境を整えることも重要です。
疲れが溜まってしまった場合のセルフケアのポイント

疲れが溜まった際は無理に活動を続けず、心身を休ませる時間を確保しましょう。まずは睡眠時間を十分に取り、予定を詰め込みすぎないよう調整することが大切です。
また、軽いストレッチなどで体を動かす方法も気分転換につながります。(※20)好きな音楽を聴いたり趣味を楽しんだりと、自分が落ち着いて過ごせる方法を取り入れるのもよいでしょう。
一度に複数の対策を始める必要はありません。体調を確認しながら実践しやすい方法を選び、休養を優先してください。
疲れが長引く・強い症状がある場合は医療機関へ

疲れにくい体を目指すには、適度な運動やバランスのよい食事、十分な睡眠などを日々意識することが大切です。一方で、生活習慣を見直して休養を取っても疲れが長引く場合は、病気が関係している可能性もあります。
強い倦怠感や発熱、息切れなどを伴う際は、自己判断で対策を続けず医療機関に相談しましょう。疲れの原因を振り返り、自分の状態に合わせて対処するのが重要です。
毎日の生活では無理なく続けられる方法を選び、休養を優先しながら生活リズムを見直していきましょう。
参考文献
- Vol.39:“休養不足”に陥っていませんか?心臓を長持ちさせるための休養とは
- 厚生労働省「ストレスって何?|ストレスとうまくつきあう|ストレスとこころ|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」
- 厚生労働省「・情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて(◆令和01年07月12日基発第712003号)」
- 東邦大学医療センター大森病院 総合診療・急病センター(内科)
- e-ヘルスネット「健康日本21アクション支援システム Webサイト」
- こころの耳「1 ストレスとは:ストレス軽減ノウハウ」
- 厚生労働省「疲れない体づくりのための生活習慣|疲れを感じる原因、運動や食生活のポイントも解説の参考資料」
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- (疾患・用語編) 頭痛|神経内科の主な病気
- e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
- 農林水産省「「食事バランスガイド」について:農林水産省」
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)ビタミンB1」
- e-ヘルスネット「健康日本21アクション支援システム Webサイト」
- 厚生労働省「こころと体のセルフケア|ストレスとこころ|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」
