
寝る前に緑茶を飲んでもよい?睡眠への影響やカフェイン、飲み方を解説
仕事を終えた夜に温かい緑茶で一息つく時間は、多くのビジネスパーソンにとって貴重な切り替えの時間です。
一方で緑茶にはカフェインが含まれているため、私たちは寝つきに影響しないだろうかと気になる方もいるでしょう。
実際には緑茶の種類や淹れ方によってカフェインの量は変わるため、夜に飲むこと自体を一律に避ける必要はありません。
この記事では、緑茶に含まれる成分と睡眠との関係を整理したうえで、夜に飲む場合の選び方・淹れ方・量・タイミングを順に解説します。
基本知識から実践方法、注意点まで確認できる構成で、ご自身の生活に合う方法を選ぶ際の判断材料としてお役立てください。
寝る前に緑茶を飲んでもよい?

結論からお伝えすると、寝る前の緑茶は飲んではいけないものではありません。
ただしカフェインの量と飲む時間帯の意識が前提です。この章では判断の土台となる2つの事実を整理します。
緑茶にはカフェインが含まれている
多くの方は緑茶はコーヒーよりカフェインが少ない印象を持っていますが、緑茶がカフェインを含む飲み物であることに変わりはありません。
農林水産省の資料では、せん茶の浸出液に含まれるカフェインは100mLあたり約20mgと示されています(※1)。同じ資料でコーヒーの浸出液は100mLあたり約60mgとされているため、せん茶の濃度はコーヒーのおよそ3分の1にあたります(※1)。
湯のみ1杯を150mLとすると、単純計算で1杯あたり約30mgのカフェインを摂ることになります。
1杯あたりの量は多くありませんが、食後や残業中に何杯も重ねた場合には合計の摂取量が増える点に注意が必要です。
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睡眠への影響が気になる人は就寝前を控えた方がよい
厚生労働省が公表している睡眠に関するガイドでは、夕方以降のカフェイン摂取は夜間の睡眠に影響しやすいとされています(※2)。
また厚生労働省の健康情報サイトでは、カフェインに敏感な人は就寝の5〜6時間前から控えたほうがよいと紹介されています(※3)。
そのため、寝つきの悪さや夜中の目覚めをすでに自覚している方は、就寝前の緑茶を避ける判断が合理的です。
一方で影響を感じていない方がすぐにやめる必要はなく、後述する種類・淹れ方・量の調整から試す方法もあります。
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寝る前の緑茶が睡眠に与える影響

睡眠の悩みはストレス負荷・生活リズム・体調など複数の要因が重なって生じるため、原因を一つに特定することが難しい場合があります。
緑茶のカフェインはその要因の一つにすぎませんが、自分で調整しやすい要素でもあります。症状だけで自己判断せず、続いている期間や程度も合わせて見ることが大切です。
カフェインには覚醒作用がある
コーヒーや緑茶などカフェインを含む飲食物には覚醒作用があるとされています(※3)。
その仕組みには、私たちの体内にあるアデノシンが関わっています。アデノシンは神経を鎮静させる作用を持ちますが、カフェインは化学構造が似ているため、アデノシンが結合するはずの受容体に先に結合します(※1)。
その結果として神経を鎮静させる作用が妨げられるため、私たちは眠気を感じにくくなります(※1)。
日中の会議前であれば役立つ作用ですが、就寝前に同じ作用が働いた場合には、休息へ切り替えるタイミングが遅れる可能性があります。
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カフェインの影響には個人差がある

カフェインの代謝には個人差があるため、同じ量の緑茶を飲んでも影響を感じる人と感じない人がいます(※3)。
農林水産省の資料でも、カフェインに敏感な方は摂取量をより少なくすることが選択肢として示されています(※1)。
影響の感じ方は人によって異なるため、自分の記録をもとに判断する方法になるでしょう。
具体的には1〜2週間ほど、夜に緑茶を飲んだ時刻・量と翌朝の状態を手帳やスマートフォンにメモします。飲んだ日と飲まなかった日を比べることで、自分にとっての影響の有無を確認しやすいでしょう。
なお寝つきの悪さや途中で目が覚める状態が長く続き、日中の仕事に支障が出ている場合は、飲み物だけで判断せず医療機関へ相談してください。
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緑茶に含まれる主な成分

緑茶の特徴は、働きの異なる複数の成分が1杯のなかに含まれている点にあります。
よい面だけ、あるいは気になる面だけを見て判断すると、自分に必要かどうかを見誤りやすくなります。ここでは主な3つの成分を整理します。
カフェイン
カフェインは緑茶の苦みのもとになる成分で、眠気を覚ます働きがあると紹介されています(※4)。
注意したいのは、緑茶の種類によって濃度が大きく異なる点です。玉露の浸出液は100mLあたり約160mgとされており、せん茶の約20mgと比べると8倍の濃度にあたります(※1)。
うまみが強く上質なお茶ほど夜に向いているとは限らないため、種類ごとの数値を把握しておくと選びやすいでしょう。
日本では摂取量の明確な基準は示されていませんが、海外では健康な大人で1日400mgまでを目安とする機関が複数あります(※1)。
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テアニン

テアニンは緑茶のうまみのもとになるアミノ酸の一種です(※4)。
ただしテアニンはあくまで食品に含まれる成分の一つであり、飲めば特定の変化が得られると保証されているわけではありません。
テアニンなどのアミノ酸は50度以上の低めの温度でも溶け出すため、湯温を下げて淹れた場合でも摂りやすい成分です(※4)。
10度前後の冷水で淹れた場合でも、テアニンの溶出量はお湯で淹れたときと大きく変わらないことが報告されています(※5)。
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カテキン
カテキンは緑茶の渋みのもとになる成分です(※4)。
カテキンはカフェインと同じく80度以上の高い温度で溶け出しやすいため、低めの湯温で淹れた場合には渋みが抑えられた味わいになります(※4)。
カテキンは睡眠と直接結びつく成分ではありませんが、湯温によって味と成分のバランスが変わることを理解するうえで知っておきたい成分です。
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寝る前に緑茶を飲むメリット・取り入れ方

ここまでの知識を行動に落とし込むために、この章では夜の緑茶のよい面と、準備の少ない取り入れ方を整理します。
テアニンを摂取できる
緑茶を飲むことで、私たちはうまみ成分であるテアニンを日常のなかで摂取できます。
うまみを引き出したいときは80度より低いお湯で淹れるとよいとされており、この淹れ方はカフェインの溶出を抑える方向とも一致します(※4)。
冷水で淹れた場合はテアニンの量を保ちながら、カフェインの溶出量が約半分になる報告もあります(※5)。
つまり夜の緑茶は低めの温度で淹れる一つの工夫で、うまみを楽しみつつカフェインを控える飲み方に近づけられます。
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温かい飲み物としてリラックスタイムに取り入れやすい
厚生労働省の健康づくり支援ツールでは、就寝前の過ごし方として、ゆったりとした音楽・入浴・香り・ストレッチなどが取り上げられています(※7)。
温かい飲み物そのものの働きが示されているわけではありませんが、お茶を淹れて飲む数分間は、仕事から離れる区切りの時間として位置づけやすい行動です。
湯を沸かして湯のみ1杯を用意するだけで済むため、行動の負荷が低く忙しい平日でも習慣として続けやすい点も利点です。
取り入れる際は、パソコンやスマートフォンから離れて飲むと、切り替えの時間として機能しやすくなります。
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寝る前に緑茶を飲むデメリット

自己流の飲み方を続けてよいか判断するために、この章では気をつけたい2つの点と、減らす・やめる判断の目安を確認します。
寝つきに影響する可能性がある
前述のとおり、夕方以降のカフェイン摂取は夜間の睡眠に影響しやすいとされています(※2)。
カフェインには覚醒作用があるため、就寝の直前に濃い緑茶を飲んだ場合には、布団に入ってから眠るまでの時間が長くなる可能性があります(※3)。
例えば夜に緑茶を飲んだ日に限って寝つきに時間がかかる場合や、夜中に目が覚める回数が以前より増えた場合は、夜の緑茶を減らすか時間を早めることを検討してください。
朝のコンディションが安定しない日が続いている場合も、同じように飲み方を見直す目安です。
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夜中にトイレで目が覚める可能性がある

国立長寿医療研究センターの解説では、夜間頻尿の原因の一つとして夜間の尿量がある状態が挙げられ、1日の飲水量の確認がすすめられています(※7)。
同じ解説では、利尿作用のある飲み物を飲みすぎないことにも触れられています(※7)。
就寝前に水分を多く摂った場合には、カフェインの有無に関わらず夜中に尿意で目が覚めやすくなります。
カフェインを含む飲み物を就寝前に何杯も飲む習慣がある方は、量とタイミングの両方を見直すと判断しやすくなります。
なお夜間頻尿には泌尿器の病気などが関わる場合もあるため、生活に支障が出ている場合は医療機関への相談が必要です(※7)。
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寝る前に飲む緑茶の選び方や淹れ方

夜の緑茶は体によさそうという印象ではなく、カフェイン量の客観的な指標と続けやすさで選ぶ方法が合理的です。
カフェインが少ない緑茶を選ぶ
農林水産省の資料に掲載されている浸出液100mLあたりのカフェイン濃度は、玄米茶が約10mg・せん茶とほうじ茶が約20mg・玉露が約160mgとなっています(※1)。
この数値を基準にすると、夜に選びやすいのは玄米茶であり、玉露は日中に楽しむほうが適しています。
ほうじ茶はカフェインが少ない印象を持たれやすいものの、資料上はせん茶と同じ水準のため、量や時間帯への配慮は同様に必要です。
抹茶は粉末1.5gを湯に溶かした1杯で約48mgとされており、茶葉そのものを摂るぶん1杯あたりの量が多くなります(※1)。
カフェインを取り除いた製品の利用も選択肢の一つとして示されているため、夜専用にデカフェの緑茶を常備する方法もあります(※1)。
※1
低温で淹れるなどカフェイン量を抑える工夫をする
同じ茶葉でも、淹れ方によって湯のみに入るカフェインの量は変わります。
カフェインは80度以上の高い温度で溶け出しやすいため、沸騰させた湯を少し冷ましてから注ぐことで溶出を抑えやすいでしょう(※4)。
さらに10度前後の冷水で淹れた場合は、カフェインの溶出量がお湯で淹れたときの約半分になると報告されています(※5)。氷水のように0度に近い温度まで下げると、溶出をさらに抑えられる点も示されています(※5)。
水出しは前日に冷蔵庫で作り置きできるため、帰宅後に湯を沸かす手間がなく平日でも続けやすい方法です。冷たい飲み物が体に合わない方は、低めの湯温で淹れる方法を選ぶとよいでしょう。
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寝る前に緑茶を飲むときのポイント

種類と淹れ方を選んだら、次は飲み方の運用です。ここではすぐに試せる2つのポイントに絞って具体化します。
飲む量を調整する
夜の緑茶は、湯のみ1杯(150mL程度)を上限の目安にすると管理しやすいでしょう。せん茶であれば、単純計算で約30mgのカフェイン量に収まります(※1)。
カフェインは1日の合計で考えることも重要です。農林水産省の資料でも、コーヒーや茶類に含まれるカフェインの量を知り、飲み過ぎないことが呼びかけられています(※1)。
日中にコーヒーやエナジードリンクを多く飲む方は、夜の緑茶を足した合計量を一度計算してみてください。
水分量の面では、食事以外で摂る1日の飲水量は体重の2〜2.5%が目安とされており、体重60kgの方であれば1,200〜1,500mLにあたります(※7)。
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※7
就寝直前を避けて飲む
カフェインに敏感な人は就寝の5〜6時間前から控えるとよいとされているため、24時に就寝する方であれば18〜19時頃が一つの区切りです(※3)。
実際の運用は、夕食の時間帯までをせん茶、それ以降は玄米茶やデカフェに切り替えるルールが現実的です。
時間で区切る方法は判断の手間がかからないため、残業で帰宅が遅くなった日でも迷わず実行できます。
夕方以降のカフェインは夜間の睡眠に影響しやすいという前提を踏まえ、自分の就寝時刻から逆算して切り替えの時刻を決めておきましょう(※2)。
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寝る前におすすめのカフェインが少ない飲み物

緑茶以外の選択肢を持っておくと、就寝直前に何か飲みたくなったときに迷わずに済みます。
夜の飲み物を選ぶ際は、カフェイン量に加えて糖分・カロリー・準備の手軽さを基準にすると、自分に合うものを絞り込みやすくなります。
まず候補になるのは麦茶です。麦茶は大麦を原料とし茶葉を使わないため、カフェインを気にせず飲みやすい飲み物です。
白湯は成分を気にする必要がなく、湯を沸かすだけで用意できるため、準備の手間を省きたい方に向いています。
緑茶の風味を楽しみたい方には、カフェインを取り除いたデカフェの緑茶や、緑茶のなかではカフェイン濃度が低い玄米茶という選択肢もあります(※1)。
就寝前に糖分のある飲料を習慣にした場合は、余分なエネルギー摂取が積み重なるため、健康診断の数値が気になる方は無糖の飲み物を基本にすると管理しやすくなります。
また眠るためにお酒を飲む習慣は、睡眠の質を悪化させる可能性があるとされているため、夜の一杯をお茶や白湯に置き換えるのも一つの方法です(※2)。
いずれの飲み物でも、就寝直前に多く飲んだ場合は夜中の尿意につながりやすいため、量は1杯程度にとどめてください。
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寝る前の緑茶はカフェイン量や飲む時間に注意しよう

寝る前の緑茶は、やめるか続けるかの二択で考える必要はありません。私たちは種類・淹れ方・量・時間帯の4点の調整で、夜のお茶の時間を楽しみながら睡眠への影響に配慮できます。
ただし、ここで紹介した方法がすべての方に合うとは限りません。妊娠中・授乳中の方やカフェインに敏感な方は、摂取量の低減が望ましいとされています(※1)。
薬を服用している方は、カフェインを含む医薬品もあるため、飲み合わせを医師や薬剤師に確認してください。
寝つきの悪さや夜間のトイレが続いて日中に支障が出ている場合は、飲み物の工夫だけで対処しようとせず、医療機関への相談が大切です。
睡眠の状態は、飲み物だけでなく生活リズムや日中の過ごし方など複数の要因によって決まります。
まずは夜に飲む飲み物のカフェイン量と時刻を見直すところから始めてみましょう。
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