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免疫と睡眠の関係とは?睡眠の質の重要性と免疫力を高める方法を徹底解説

免疫と睡眠の関係とは?睡眠の質の重要性と免疫力を高める方法を徹底解説

風邪をはじめとしてさまざまな感染症のリスクがあるなか、免疫力の維持向上は誰にとっても大変重要です。

その免疫力を上げるためには、良質な睡眠が大いに効果的だと言われています。質のよい睡眠を取るように心がけることは免疫力を高め、自らの健康を守る1つの方法です。

この記事では免疫と睡眠の関係を詳しく解説するとともに、免疫力を高める方法や良質な睡眠をとるポイントを紹介します。

免疫とは

免疫とは

免疫とは、体内に入った異物を検知し、取り除く身体の仕組みです。

身体は自分の細胞でない異物が体内に入ると、その異物(抗原)を取り除こうとします。これを免疫反応と呼びます。

生まれつき備わっている免疫が自然免疫、1度異物を取り入れることで身体が学習し結果的に備わるのが獲得免疫です。両者はお互いに作用しながら、身体を異物から守っています。

ウイルスや細菌などの外部からの異物を取り除くだけでなく、体内で発生した老廃物やがん細胞など、不要な細胞を処理するのも免疫の働きです。

免疫と睡眠の関係

免疫と睡眠の関係

免疫と睡眠には深い関係があると言われています。睡眠は健康維持に重要とされています。

両者が具体的にどのような関係にあるのか、以下で詳しく解説します。

睡眠不足と感染症の関係

睡眠不足と感染症の関係

睡眠時間や睡眠の質から導き出す睡眠効率が高い方ほど、風邪をひきにくいという研究結果が出ています。

このことから、じゅうぶんな睡眠は健康維持に関係するとされています。

睡眠が不足すると、風邪などの感染症から身体を守る機能が落ちますが、その理由の1つがIgAという抗体の働きです。

IgAは全身の粘膜が持つ免疫機能(粘膜免疫)で主役として活躍する抗体で、体内に入った異物をとらえて無力化します。IgA量が低下すると感染症などの病気にかかりやすくなります。

そして睡眠時間と唾液中のIgAの関係を調べたところ、睡眠時間が5時間以下の方は唾液中のIgAの分泌量が低下していました。

このことからも、睡眠不足が免疫の低下を招き、その結果感染症にかかりやすくなることがわかります。

適切な睡眠時間の目安

適切な睡眠時間の目安

厚生労働省が発表した健康づくりのための睡眠ガイドでは、成人ではおよそ6〜8時間が適切な睡眠時間とされています。

ただし適切な睡眠時間には個人差があり、日中の活動量によっても補正が必要です。このことからこの睡眠ガイドでは、成人では7〜9時間を核としつつ、場合によっては6時間や10時間であっても許容されるという米国の共同声明も紹介しています。

自身に適した睡眠時間を知ることは、免疫力を上げ、健康に過ごすために大変有効です。

感染症の脅威が繰り返し報じられる中、自らの身体を守るためには高い免疫力が欠かせません。健康維持のためには十分な睡眠が重要です。逆に睡眠の質が落ちると、身体の免疫力は落ち、ウイルスに対する抵抗力も弱まります。

免疫機能の維持に睡眠の質が重要な理由

免疫機能の維持に睡眠の質が重要な理由

睡眠不足が免疫力低下につながる理由は、IgAの分泌量変化だけではありません。免疫機能の維持になぜ睡眠の質が重要であるかを、さらに詳しく解説します。

免疫細胞の働きが維持されるため

ノンレム睡眠という深い眠りの間には、免疫細胞同士の情報交換が活発になることが知られています。その結果、免疫細胞における病原体に対する免疫の記憶が整理され、強化されます。

眠りが浅くノンレム睡眠が足りないと、この働きがじゅうぶん行われません。

また睡眠不足は免疫細胞であるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性低下やT細胞の情報伝達障害を引き起こす実験結果も出ています。

このように、免疫細胞の働きを維持強化するにはじゅうぶんな深い睡眠が必要です。

ストレスホルモンの増加が抑制されるため

睡眠の効果の1つが精神的疲労や脳の休息につなが

るとされています。

それにより認知機能が維持・調整されたり自律神経が整えられたりといった効果が得られ、ストレスの解消につながります。

また、睡眠が不足するとストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量が増加します。このことから、じゅうぶんな睡眠をとればコルチゾールの分泌が抑制されるといえるでしょう。

免疫力を高める質のよい睡眠には体内リズムが大切

免疫力を高める質のよい睡眠には体内リズムが大切

免疫力を高めるためには質のよい睡眠が欠かせません。そして質のよい睡眠をとるためには、体内リズムを整えることが大変重要です。

深部体温の変化やホルモン分泌などの体内リズムが整うことで快眠を得られますが、その体内リズムのタイミングを司るのは体内時計です。そして、その体内時計のリズムを整えるのが、目に入る光のタイミングだと言われています。

目(網膜)に入る光のタイミングを整えるためには、就寝時間や起床時間を一定にするとよいでしょう。朝起きたときや午前中に意識して多くの光を浴びると、体内時計が整うことも知られています。

睡眠の質を下げる要因

睡眠の質を下げる要因

寝付きが悪い、すぐに目が覚めるなど睡眠に悩みを持つ方は少なくありません。

睡眠の質が低下する理由はどこにあるのか、考えられるいくつかの要因を以下で解説します。

生活習慣の乱れ

前章で述べた通り、質のよい睡眠のためには整った生活リズムが重要ですが、忙しい現代社会では生活リズムが乱れがちです。

また、スマートフォンの普及や動画やSNSの隆盛で夜ふかしの習慣がつき、生活リズムに乱れを生じる方も少なくありません。

動画やSNSの閲覧は睡眠時間の減少を招くだけでなく、画面から放出されるブルーライトにさらされる原因ともなります。ブルーライトは体内時計の乱れの要因となり、睡眠の質を下げる要因です。

ストレス

夜になると副交感神経が優位になり、リラックスすることで入眠しやすくなります。しかし強いストレスを抱えていると交感神経が活性化したままの状態が続き、精神が緊張状態に置かれます。

これは寝付きが悪くなる、深い眠りに入れないなどの睡眠障害の原因の1つです。

睡眠環境や嗜好品の影響

睡眠環境や嗜好品の影響

寝室など就寝時の環境は、睡眠の質を左右します。特に注目したいのは、周囲の光と温度そして音です。

季節に応じた寝具の種類や肌触りを整えることは、質のよい睡眠のために大変重要です。明るすぎる環境や騒音なども眠りを妨げる原因になります。

また、カフェインやアルコールなど覚醒作用のある嗜好品も睡眠の質を下げるといわれています。睡眠前のアルコール摂取は中途覚醒を招きますので、眠れないからと寝酒を飲むのは、深い睡眠のためには逆効果です。

病気

病気が原因で、質のよい睡眠をとれないケースもあります。睡眠中に起こる病気としては、睡眠時無呼吸症候群レム睡眠行動障害などがあげられます。

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に無呼吸の状態を繰り返す病気です。10秒以上息が止まる状態が無呼吸とされ、眠っている間に1時間に平均5回以上無呼吸となると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

睡眠時無呼吸症候群は眠りの質の低下だけでなく、睡眠中の血液中の酸素欠乏の要因となります。その結果、心臓や脳、血管といった器官に悪影響を及ぼし、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす危険があります。

レム睡眠行動障害は、夢の内容を行動に移してしまう病気です。レム睡眠時には、通常は夢をみても身体が動かないように身体の力が抜けています。しかし、この働きがうまくいかないと、夢の内容をそのまま行動し、手足を動かしたり大声を出したりなどの異常行動を行います。

特に原因が見当たらないのによく眠れない、いろいろと試しているのに眠りが改善しないとお悩みの方は少なくありません。そのような方の悩みを解決するためには、自然な作用で身体のコンディションを整えることが有効なのではないでしょうか。

睡眠の質を上げて免疫力を高める方法

睡眠の質を上げて免疫力を高める方法

感染症などから身を守るために、免疫力強化は重要な課題です。そして、免疫力を高めるためには良質な睡眠が欠かせません。

睡眠の質を上げる方法にはどのようなものがあるか、以下で具体的に解説します。

朝日を浴びて体内時計をリセットする

質のよい睡眠のためには、体内時計を整えることが重要です。

しかし人間の体内時計の周期は25時間であり、1日の周期である24時間とは1時間ほどずれています。このずれが蓄積すると体内時計のリズムに狂いが生じます。

このずれをリセットするのが、朝起きてすぐに日光を浴びる習慣です。

また、朝日を浴びると夜に入って、睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されやすくなることも知られています。

就寝2時間前までに入浴と夕食を済ませる

体内で消化が活発に行われているときは、消化活動で睡眠が妨げられます。夕食は就寝の2時間前までには済ませておくのがよいでしょう。

また、スムーズな入眠のためには1度体温を上げることが効果的です。しかし、就寝直前に入浴するとかえって寝つきは悪くなります。

眠気が訪れるのは1度上がった深部体温が下がるときです。そのため、入浴も夕食と同じく、就寝の2時間前までに行うよう心がけましょう。

朝まで熟睡できる寝室環境を作る

朝まで熟睡できる寝室環境を作る

寝室の環境は睡眠の質に大きく関係します。特に温度や光、音は重要な要素です。

寝具や寝間着は季節や室温に合わせて調節しましょう。シーツなどのファブリックは肌触りも重要です。枕の高さや形状、シーツや敷ふとんの固さなどにこだわると快適な睡眠が得られます。

明るすぎる部屋は睡眠の妨げになります。また、騒音も睡眠の質を落としますので、遮音カーテンなどで外の音を遮る工夫も効果的です。場合によっては、耳栓を使用したりホワイトノイズを流したりといった対策も考えられます。

脳を覚醒させる習慣を控えてリラックスする

寝る前のカフェインやアルコールなどの摂取は深い眠りを妨げます。コーヒーやチョコレート、お酒などは就寝の5〜6時間前以降は控えましょう。

パソコンやスマートフォンの画面から出るブルーライトは睡眠の質を下げます。眠る直前まで画面を見たり眠るまで寝床でスマートフォンを見たりといった習慣がある場合は、改めることをおすすめします。

よりよい睡眠のためには、就寝前には刺激を避け、リラックスに努めましょう。

快眠に効果的な食品やグッズを取り入れる

快眠に効果的な食品やグッズを取り入れる

睡眠前のリラックスに効果的なグッズや食品を取り入れるのも効果的です。室内や枕元に好きなアロマオイルを香らせるとストレス解消が見込めます。

入眠しやすくなるような、穏やかな音楽を聞くのもおすすめです。眠る前はあまりアップテンポなものやテンポの早いものは不向きとされます。

近年では、快眠に有効な食品や飲料も開発されていますので、そういったものを生活に取り入れるのもよいでしょう。

免疫と睡眠の関係を知って質のよい睡眠を取る習慣を続けよう

免疫と睡眠の関係を知って質のよい睡眠を取る習慣を続けよう

感染症の脅威から身を守るために、身体の免疫力を高いレベルに保つことは大変重要です。免疫力アップには質のよい睡眠が必要です。

健康で快適な毎日を過ごすために、普段からよい睡眠をとる習慣を身につけましょう。できるだけ規則正しい生活を心がけ、就寝前には刺激物の摂取を避けたりブルーライトを発するデジタル機器から離れたりするのが有効です。

寝室の環境を整えるなどの工夫をし、朝は陽の光を浴びて身体のリズムを調整するのもよいでしょう。心身を整える食習慣を持つのもおすすめです。

参考文献

  1. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
  2. e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
  3. 兵庫医科大学病院「睡眠時無呼吸症候群」
  4. 筑波大学脳神経内科「レム睡眠行動障害外来」
  5. 北海道科学大学「免疫とは?仕組みや種類、高める方法をわかりやすく解説!」
  6. 働く女性の心とからだの応援サイト「三大不足(栄養・睡眠・運動)とそのリスク、対策」
  7. J-Net21「仕事のパフォーマンスと睡眠の関係性について教えてください。」
  8. e-ヘルスネット「概日リズム睡眠・覚醒障害」