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ヘルスリテラシーとは?向上させる重要性と健康へのメリット、方法を解説

ヘルスリテラシーとは?向上させる重要性と健康へのメリット、方法を解説

自身の健康に関心のある方は少なくないでしょう。健康に関する情報は、いたるところで拾えます。

テレビや雑誌などのメディアで特集されることもあれば、Webにも関連する情報は少なくありません。なかには真偽不明な情報も含まれているかもしれません。

そこで今後重視されるのが、今回紹介するヘルスリテラシーです。ヘルスリテラシーという言葉を知らない方のために、詳しく解説します。

日本は他国と比べると、ヘルスリテラシーが低いといわれます。その理由と向上させる方法も紹介するので、健康維持のための参考にしましょう。

ヘルスリテラシーとは

ヘルスリテラシーとは?向上させる重要性と健康へのメリット、方法を解説

ヘルスリテラシーという言葉を知らない、名前は聞いたことがあるものの詳しいことはわからない方もいるでしょう。まずはヘルスリテラシーとは何かについて、解説します。

ヘルスリテラシーとはヘルスとリテラシーを組み合わせた造語です。前者は健康、後者は読み書き能力を意味します。

つまりヘルスリテラシーとは健康の情報を適切に見つけ、活用できる能力のことです。またヘルスリテラシーを評価するにあたって、尺度があります。

どのような評価尺度があるかも、あわせてみていきます。

ヘルスリテラシーの定義

ヘルスリテラシーとは、健康に関する情報を入手し活用する能力です。具体的には日常生活において、ヘルスケアや疾病予防の場面で使われます。

一生をとおして、健康的な生活を送り生活の質を維持や向上するための能力です。ヘルスリテラシーの活用場面としては、2つ以上の選択肢のなかからどれか1つ選ぶときが代表的です。

提示された選択肢には、それぞれ長所と短所があるでしょう。それぞれの選択肢を正しく理解し、何を重視するかに関する価値観を明確にするためのプロセスです。(※1)

※1:https://www.jans.or.jp/glossary/health-literacy/

ヘルスリテラシーの評価尺度

ヘルスリテラシーとは?向上させる重要性と健康へのメリット、方法を解説

ヘルスリテラシーには、評価尺度があります。国際的に用いられているのは、合計35問の質問に答えることで評価する形式です。

回答者の知識やスキルだけでなく、システムとの関係やユーザーエクスペリエンスなども含めて総合的に評価します。

また、日本独自に開発された評価尺度もあります。14問の質問に答える方式です。機能面や伝達面、批判面の3つの分野で評価します。

日本のこの評価尺度では、1~5点の間で各項目点数を付けます。そして合計14~70点で評価する方式です。

ただしこの点数によって、日常診療で何かを実践するわけではありません。点数を踏まえて、医療従事者は患者さんとの日常的なコミュニケーションの方法を検討します。(※2)

※2:https://www.juntendo.ac.jp/news/25495.html

※2:https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/communication/c01/01.html#d02

日本のヘルスリテラシーの現状

ヘルスリテラシーとは?向上させる重要性と健康へのメリット、方法を解説

続いて、日本におけるヘルスリテラシーの現状についてみていきましょう。結論からいうと、外国と比べて日本のヘルスリテラシーは低いとされます。

欧米だけでなく、アジア諸国よりも低評価です。なぜ日本のヘルスリテラシーが低いのか、それにはいくつか理由があります。体制が整備されていないのと周知徹底不足が原因です。

世界と比較して、日本はどの程度低いのか、改善するためには何が必要かを知るためにもまずは日本の現状を把握しましょう。

他国と比較した日本のヘルスリテラシー

世界全体でみた場合、日本のヘルスリテラシーは低いといわれています。ヨーロッパヘルスリテラシー調査質問紙に基づき、国別でみると日本の平均点は25.3でした。

国別で上位だったオランダは37.1、アイルランドの35.2と比べるとかなり低いことがおわかりでしょう。ミャンマーの31.3、ベトナムの29.6と、アジア諸国と比較してもスコアは低めです。(※3)

※3:https://www.tokyo.med.or.jp/healthliteracy

日本人のヘルスリテラシーが低い理由

日本のヘルスリテラシーが低い原因として、いくつかの要素が考えられます。まずは家庭医の少なさです。

例えばヨーロッパでは、予防を目的とした健康教育を家庭医が担っています。地域を挙げて、健康管理に力を入れているためです。

一例としてヘルスリテラシーの高いオランダは、プライマリケアが充実している国といわれています。プライマリケアとは、家族や地域の枠組みのなかで診療する臨床医が提供するサービスです。

患者さんの抱える大半の問題に対処でき、継続的なパートナーシップを築けることが条件です。一方日本は、このプライマリケアが十分に整備されていないといわれています。

また周知徹底のための国民への教育不足も、ヘルスリテラシーの低い要因の一つです。同じくヨーロッパでは、早期から健康教育を取り入れています。(※4)

※4:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/souyakuryoku/dai1/siryou3.pdf

ヘルスリテラシー向上の重要性と低いことのデメリット

ヘルスリテラシーとは?向上させる重要性と健康へのメリット、方法を解説

日本のヘルスリテラシーの低さを懸念する向きは、医学界を中心に指摘されています。ヘルスリテラシーが低いと、さまざまなデメリットが出てくるためです。

ここではヘルスリテラシーが低いままで放置すると、どのようなデメリットが懸念されるか見ていきます。デメリットが明確になれば、ヘルスリテラシーを向上させる重要性も明確になるでしょう。

ヘルスリテラシーの必要性を把握して、自身の健康管理により強い関心を持ちましょう。

ヘルスリテラシーを向上させる重要性

ヘルスリテラシーが必要なのは、それぞれの生活の質を維持・向上するために欠かせないためです。ヘルスリテラシーが低い場合、必要な健康情報を活用しにくく、適切な受診や予防行動につながりにくいことが指摘されています。

健康に対する関心が薄れていると、疾病にり患しやすくなります。また何らかの病気を発症しても放置してしまい、悪化させる恐れもあります。

病気を放置した結果、生命を脅かす深刻な状態にもつながりかねません。長寿を目指すためにも、ヘルスリテラシーは欠かせない要素です。(※5)

※5:https://www.auhw.ac.jp/health-literacy/about/

ヘルスリテラシーの低さがもたらすデメリット

ヘルスリテラシーとは?向上させる重要性と健康へのメリット、方法を解説

ヘルスリテラシーが低いままだと、さまざまなデメリットが懸念されます。まず治療や予防に関する知識が低く、適切な医療サービスの利用ができません。

例えば予防医学として、健康診断は重要です。自身の身体の状態を把握できるためです。しかし健康診断を受けなければ、病気の早期発見が困難になります。

症状が悪化すれば、より多くの方が救急サービスを受けることになるでしょう。結果、救命救急が手一杯となり、迅速な処置が難しくなるかもしれません。(※6)

※6:https://www.kanagawas.johas.go.jp/pages/361/detail=1/b_id=1877/r_id=554/

※6:https://www.auhw.ac.jp/health-literacy/about/

ヘルスリテラシーを向上させるメリット

ヘルスリテラシーとは?向上させる重要性と健康へのメリット、方法を解説

ヘルスリテラシーが低いと、自身の疾病に対して正しく対処できません。結果的に病気にかかっても、そのまま放置して症状が進行します。

深刻な状態になってから医療サービスを受けることになり、健康の維持が困難になるでしょう。ではヘルスリテラシーを向上すれば、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ヘルスリテラシーの向上によりもたらされる主なメリットについて、ここでは見ていきます。健康状態への判断が正確にでき、病気の早期発見も期待できます。

自分の健康状態に関して適切に判断できる

ヘルスリテラシーが向上すれば、自身の健康状態に関する判断がより正確にできます。病気や薬に関する正しい情報を把握できるためです。

正確な情報があれば、何か自覚症状があったときにどう対応すればよいか的確に判断できます。また医療機関で治療方針を提示された場合、自身で取捨選択できるのもメリットです。

治療方法のメリットやデメリットを理解できるため、より自身に合った治療方針を適切に判断できます。(※7)

※7:https://www.tokyo.med.or.jp/healthliteracy-index

病気の早期発見や健康的な生活維持につながる

病気の早期発見や予防につながるのも、ヘルスリテラシーを向上するメリットです。自身の健康状態に関して、高い関心が持てるためです。

健康に関する情報があれば、健康診断や定期検診を受診するようになるでしょう。すると病気を早期発見し、早期に対応できます。

病気によっては、初期段階では自覚症状の出にくいものもあります。このような病気も早期に対応することで、治療の選択肢が広がる場合があります。(※8)

※8:https://www.tokyo.med.or.jp/healthliteracy-index

ヘルスリテラシーを向上させる方法

ヘルスリテラシーとは?向上させる重要性と健康へのメリット、方法を解説

ヘルスリテラシーを向上できれば、自身の健康状態をより適切に判断できます。また健康管理への関心が高まり、病気の早期発見も期待できるでしょう。

では具体的にヘルスリテラシーを向上するために、何をすればよいのでしょうか。主な方法として、以下の対策が考えられます。

自分の身体の状態や変化を知る

信頼できる情報を見極めて調べる

医療従事者に自分の意思や状態を正確に伝える

それぞれ、どのように対処すべきか、解説します。ヘルスリテラシーへの関心があれば、まずは以下の対策を実践してみましょう。

自分の身体の状態や変化を知る

ヘルスリテラシーを向上するためには、自身の身体の状態に関心を持つことです。健康状態がどうか、以前と比較して変わったところはないか意識しましょう。

身体への関心が持てれば、ちょっとした変化にも敏感に対応できます。医師の診察を受け、病気を早期発見できるかもしれません。

病気になった場合、診断名や治療方法を正しく理解することも大切です。自身の状態を正確に把握できれば、自己判断で勝手に治療をやめるような事態も回避できるためです。(※9)

※9:https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202602_01.pdf

信頼できる情報を見極めて調べる

信頼できる情報を選別する能力を養うことも、ヘルスリテラシーを向上するために欠かせません。インターネットが普及した現在、医療に関する情報は手に入りやすいでしょう。

しかしインターネットの世界は、真偽さまざまな情報が飛び交っています。世界的にはインフォデミックという現象が取り上げられるほどです。

インフォデミックとは、虚偽や誤解を招く情報がインターネットで拡散されることです。誤った情報に惑わされることなく、自身で真偽を見極める目を持たなければなりません。(※10)

※10:https://www.tokyo.med.or.jp/healthliteracy

※10:https://jsdn.info/glossary/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%87%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF/

医療従事者に自分の意思や状態を正確に伝える

ヘルスリテラシーとは?向上させる重要性と健康へのメリット、方法を解説

ヘルスリテラシー向上の取り組みとして、医療従事者に自身の意思や状態を正確に伝えることも欠かせません。病気になった場合、医療従事者にいいなりにならないことです。

同じ病気にり患しても、希望する治療には個人差があるでしょう。自身の希望をきちんと伝えられるように心がけることも、ヘルスリテラシーの観点から重要なポイントです。

「これはどうしてもやりたい」「人生の目標があり、それを達成できるような治療をしてほしい」など伝えましょう。これらは患者さんにしか知りえない情報だからです。(※11)

※11:https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202602_01.pdf

ヘルスリテラシー向上のための政策や取り組み事例

ヘルスリテラシーとは?向上させる重要性と健康へのメリット、方法を解説

日本は海外と比較して、ヘルスリテラシーへの関心が低いのは先に紹介したとおりです。ただヘルスリテラシー向上のために、さまざまな取り組みが行われています。

ここでは日本で実際に行われているヘルスリテラシーについて、いくつか紹介します。まず国における取り組みです。

厚生労働省では、健康づくりを推進する事業を進めています。また民間でも、従業員のヘルスリテラシーを高める取り組みを実践しているところも少なくありません。

どのようなことが行われているか紹介するので、ヘルスリテラシーを高めたいと考えている方は参考にしてください。

厚生労働省が推進する健康づくり

ヘルスリテラシー向上の取り組みは、厚生労働省でも進めています。例えば2000年から、健康日本21と呼ばれる一次予防の観点から健康増進への取り組みを始めています。

また2015年には保健医療2035提言書を公表しました。このなかで2035年までに健康に関する意識が向上し、一人ひとりが医療の選択に主体的に参加できる状況を目指すとしています。

そのためには幼児教育から職場まで、幅広く教育の機会を提供することが重要と結論付けています。(※12)

※12:https://www.jpma.or.jp/opir/news/070/09.html

※12:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000088654.pdf

企業による従業員のヘルスリテラシーを高める取り組み

ヘルスリテラシー向上のための取り組みを導入している民間企業も出てきています。例えば日光市では小規模事業場を対象に、健康教室を実施しています。

市の保健師や管理栄養士が戸別訪問して、健康に関する情報提供を行う取り組みです。また問診や検尿を実施して、従業員の健康状態も確認しています。

藤枝市では、市内の事業場を対象に健康プログラムを実施しています。3ヶ年事業で、長期的に健康管理を推進する取り組みです。(※13)

※13:https://www.mhlw.go.jp/chiikishokuikiportal/jirei/index.html

健康における睡眠とメンタルケアの重要性

ヘルスリテラシーとは?向上させる重要性と健康へのメリット、方法を解説

健康維持は身体的なもの以外に、精神的な条件も欠かせません。メンタルケアを進めるにあたって、睡眠は重要なポイントを占めます。

睡眠とメンタルヘルスに関する研究は、少なくありません。そのなかの一つに、日本人成人を対象にした研究があります。

そのなかで、睡眠による休養感が低い方は抑うつの度合いが強いと示唆する結果が出ました。精神面での健康を維持するために、良質な睡眠は欠かせません。(※14)

※14:https://kokoro.mhlw.go.jp/lifestyles/lf02/

サプリメント情報を見極めるヘルスリテラシー

ヘルスリテラシーとは?向上させる重要性と健康へのメリット、方法を解説

健康食品やサプリメントの情報も、ヘルスリテラシーが問われる場面のひとつです。

近年はさまざまな成分をうたった商品が販売されていますが、表示や広告をそのまま信じるのではなく、機能性の根拠が示されているか、公的機関や届出情報で確認できるかという視点を持つことが大切です。

ここでは、成分情報を正しく読み取り、生活のなかで判断するための考え方を解説します。

成分の機能表示を正しく読み取る

例えばGABAはアミノ酸の一種で、機能性表示食品の関与成分として睡眠の質の向上や一時的な精神的ストレスの軽減に関する機能が報告されているものがあります。

ただし、こうした表示は医薬品の効能効果とは異なり、あくまで食品としての機能である点を理解しておくことが重要です。

「必ず効く」「飲めば治る」といった断定的な表現を見かけた場合は、かえって注意が必要でしょう。

表示された機能がどのような根拠に基づくのかを確認する姿勢が、成分を正しく理解する第一歩になります。機能はすべてのGABA含有食品に共通するものではなく、届出商品、摂取量、対象者等により異なります。(※15)

※15:https://cbs.biol.tsukuba.ac.jp/update/1087

情報の出どころを確かめて生活に取り入れる

サプリメントの情報は、販売サイトや個人の感想だけでなく、消費者庁の機能性表示食品の届出情報や公的機関の資料など、信頼できる出どころで確認することが大切です。

同じ成分でも、商品によって配合量や届け出られた機能は異なります。

そのうえで、特定の成分だけに頼るのではなく、バランスのよい食事・十分な睡眠・適度な運動といった生活習慣を土台とし、必要に応じて補うかどうかを自分で判断できることが、ヘルスリテラシーの高さにつながります。

ヘルスリテラシーを向上させて自分に合う健康習慣を始めよう

ヘルスリテラシーとは?向上させる重要性と健康へのメリット、方法を解説

健康に関する情報を収集し、自らの身体の状態に関して正しく理解するヘルスリテラシーは世界的に注目を集めています。日本はヘルスリテラシー後発国なものの、国を挙げての取り組みを進めています。

身体の変化に気づき、必要に応じて医療機関を受診することで、早期発見につながる可能性があります。より長く、健康的な生活を送りたければ、日頃から自分の身体の状態に興味を持つことが大切です。

健康に関する情報はインターネットで、簡単に入手できます。しかしインターネットには、真偽不明な情報が少なからず出ているのも事実です。

情報をうのみにするのではなく、本当のことが書かれているのか判別する能力も養いましょう。

参考文献

  1. ヘルスリテラシー
  2. 国際的なデジタルヘルス・リテラシー質問票の日本語版が完成|ニュース&イベント
  3. 厚生労働省 eJIM「ヘルスリテラシーの参考資料」
  4. ヘルスリテラシー
  5. ヘルスリテラシーの参考資料
  6. ヘルスリテラシーとは
  7. ヘルスリテラシー向上のために出来ること
  8. ヘルスリテラシー「健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解して活用する能力」を高めよう
  9. 国民生活センター「1 ヘルスリテラシーとは 患者・市民が医療に参画する時代を迎えて」
  10. インフォデミック
  11. 本邦におけるヘルスリテラシーの現状、政策や向上への取り組み
  12. 厚生労働省「保健医療2035提言書」
  13. 厚生労働省「取組事例|地域・職域連携のポータルサイト」
  14. こころの耳「2 良質な「睡眠」をとる(寝る):ストレス対処法としての生活習慣 - 食う・寝る・遊ぶの充電法」
  15. つまらないと眠くなるのはなぜ? ~モチベーションと眠気の脳科学~