
精神的に疲れたときの対処法は?疲れやすい人の特徴や心身に現れるサイン、疲労回復のための睡眠習慣を解説
193 精神的に疲れたときの対処法は?疲れやすい人の特徴や心身に現れるサイン、疲れをためないための睡眠習慣を解説
精神的な疲れは、仕事や人間関係などで気を張る状態が続くことで、心だけでなく身体にもさまざまなサインとして現れることがあります。
無理を重ねていると、疲れに気付きにくくなる場合もあるでしょう。
この記事では、精神的に疲れる原因や心身に現れるサイン、セルフチェックの方法、休息や相談を検討する目安、日常でできる対処法を紹介します。
さらに、毎日の睡眠習慣を整えるポイントまで順番に確認し、自分に合った回復方法を考えていきましょう。
精神的に疲れたと感じる主な原因

精神的に疲れたと感じるときは、特定の出来事だけでなく日々の生活や体調、周囲の環境など複数の要素が重なっていることがあります。
仕事や人間関係に目が向きやすい一方で、睡眠や生活リズム、休息の取り方が影響しているケースもあります。
無理に原因を一つに絞らず、変えやすい部分から見直すことが大切です。
仕事や学業による負担が続いている
仕事や学業では、締め切りや多くの業務、難しい課題などに対応するため継続的に集中力や緊張を求められることがあります。
特に、忙しい状態が長く続いたり、自分のペースで進めにくかったりすると気付かないうちに心身の負担が積み重なることがあります。まずは、日々の負担を振り返ってみましょう。(※1)
人間関係で気を遣う場面が多い

職場や学校などで、相手の反応を気にしながら接する状況が続くと、知らないうちに精神的な負担が積み重なることがあります。
例えば、相手に合わせて言いたいことを我慢する、周囲の顔色をうかがう、職場で相談しにくいといった状態が続いていないか振り返ってみましょう。
人間関係による負担は、本人の性格だけが原因とは限りません。
環境やコミュニケーションの状況も含めて、自分がどのような場面で気疲れしているのか整理することが大切です。(※2)
睡眠や休息が十分に取れていない
睡眠時間が短かったり、休んでも疲れが取れない状態が続いたりすると、心身の回復が十分に進まないことがあります。
睡眠は精神的な健康の維持にも関わるため、忙しさから睡眠や休息を後回しにしていないか振り返ることが大切です。
また、成人は個人差を踏まえつつ、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保しましょう。
十分な時間を確保しているにも関わらず、眠っても休養感が得られない、日中の眠気が強いといった状態が続く場合は生活習慣だけでなく睡眠障害などが関係している可能性もあるため、医療機関への相談も検討しましょう。(※3)
精神的に疲れやすい人にみられる傾向

精神的な疲れやすさには、日々の考え方や行動の傾向、周囲との関わり方などさまざまな要素が関係します。
ただし、当てはまる特徴があるからといって、必ず精神的に疲れやすいとは限りません。自分を責める材料ではなく、疲れを減らす方法を考えるきっかけとして確認してみましょう。
責任感が強く一人で抱え込みやすい
責任感が強い方は、任されたことを最後までやり遂げようとする一方で、悩みや負担を周囲に相談せず抱えてしまうことがあります。
迷惑をかけたくないと考えてしまう場合は、すべてを自分だけで解決しようとしていないか振り返ってみましょう。
責任感そのものを否定する必要はありませんが、負担が大きいときには周囲の力を借りることも、自分を守るための方法の一つです。(※4)
完璧を求めて休息を後回しにしやすい
完璧を求める思いが強いと、仕事や家事を優先するあまり、休む時間を削ってしまうことがあります。
少しのミスも避けようとしたり、ここまで終わらせてから休もうと考えたりすると、疲れていても無理を続けるきっかけになりかねません。
ストレスは長期間続くことで心身の不調につながる場合があるため、頑張り続けることだけを対処法にしないことが大切です。(※5)
精神的に疲れたときに心に現れるサイン

精神的な疲れは、気分や考え方、行動などの変化として表れることがあります。
普段なら気にならないことが気になったり、何をするにも気力がわかなかったりする場合は、いつもの自分と比べて変化がないか振り返ってみましょう。
イライラや不安を感じやすくなる
精神的な負担が続くと普段よりも気持ちに余裕がなくなり、些細なことでイライラしたり、落ち着かなくなったりすることがあります。
例えば、家族の何気ない言葉に強く反応する、仕事の小さなミスを必要以上に心配するなどです。
こうした反応は誰にでも一時的に現れることはありますが、続く場合は心に負担がかかっている可能性があります。気になる変化が続くときは、早めに休息を取りましょう。(※6)
集中力や意欲が低下する
精神的な負担が続くと、これまで問題なくできていた仕事や家事に取りかかるのがおっくうになったり、集中が続きにくくなったりすることがあります。
以前より仕事のミスが増えたり、趣味や好きなことにも気持ちが向かなかったりする場合は、単なる気分の問題と決めつけずに普段との違いを振り返ってみましょう。(※7)
精神的に疲れたときに身体に現れるサイン

精神的な負担が続くと、気分だけでなく身体にも変化が現れることがあります。
ただし、ストレス以外の原因でも起こるため、症状だけで精神的な疲れが原因と判断することはできません。
普段と比べて変化があるか、どの程度続いているか、仕事や家事などに支障が出ていないかを合わせて見ることが重要です。
眠れない・朝起きにくいなど睡眠に変化が出る
精神的な負担が続くと寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたり、朝すっきり起きられなかったりするなど、睡眠に変化が現れることがあります。
また、睡眠の問題はストレスだけが原因とは限りません。生活習慣や睡眠環境などが影響する場合もあるため、眠れないから精神的に疲れていると決めつけないことが大切です。
まずは、以前と比べて寝つきや起床時の状態に変化がないか、日中の眠気や疲労感が強くなっていないかを確認してみましょう。(※8)
だるさ・頭痛・肩こりなどを感じる
精神的な負担が続くと、心だけでなく身体にもさまざまな変化が現れることがあります。
特に、以前より疲れやすい、肩や首が重いといった変化がないか普段の状態と比べて確認してみましょう。
また、精神的な緊張が続くと、筋肉がこわばるなどして肩こりや頭痛につながる場合があります。
ただし、これらの症状には姿勢や運動不足、病気などストレス以外の原因も考えられます。
そのため、身体の不調だけで精神的な疲れが原因と決めつけないことが大切です。
精神的な疲れが原因と思われる場合でも、身体の症状が続くときは、まず医療機関で確認することが大切です。(※9)
精神的な疲れのセルフチェック方法

精神的な疲れを確認するときは今の気分だけで判断せず、心身の変化や生活への影響を振り返ることが大切です。次のような変化が続いていないか振り返ってみましょう。
寝つきにくい、夜中に目が覚める
朝起きても休んだ感覚が少ない
食欲が以前より増えた、または減った
仕事や家事に集中しにくい
以前楽しめていたことに関心が向きにくい
イライラや不安を感じることが増えた
セルフチェックするときは、当てはまる項目の数だけで結論を出すのではなく、以前と比べて変化したこと、どのくらい続いているかなどを見ていきましょう。
すべてを一度に改善しようとせず、まずは睡眠や休息など取り組みやすい部分から一つ試し、無理なく続けられる方法を残していくことがポイントです。(※10)
精神的な疲れが続く場合の注意点と相談の目安

精神的な疲れは誰にでも起こりうるものですが、無理を続けることで心身の不調が長引く場合があります。
特に気分の落ち込みや不安、疲労感などが続き、仕事や家事など普段の生活にも影響しているときは一時的な疲れと決めつけないことが大切です。
また、身体によさそうという印象だけで、つらい状態を我慢しながら何かを続ける必要はありません。
セルフケアを試しても改善しない、負担が大きく感じられるといった場合には方法を見直したり、医療機関や公的な相談窓口を利用したりする選択肢があります。
症状の有無だけで判断せず、生活にどの程度影響しているかを目安に、自分の状態を確認してみましょう。(※11)
精神的に疲れたときの対処法

精神的に疲れたときは、気持ちを切り替えようとするより、心身にかかっている負担を少しずつ減らすことが大切です。
休息の取り方や人との関わり方、日々の生活習慣など、見直せる部分は人によって異なります。
まずは今の生活で負担になっていることを整理し、取り組みやすい方法から一つ試してみましょう。
まずは十分な休息をとる
精神的に疲れているときは、無理に気持ちを切り替えようとせず、まず心身を休ませる時間を確保しましょう。
特に睡眠は、心身の健康を保つために重要な休養活動です。休息をとる際は、長く寝ればよいわけではありません。
朝起きたとき、よく休めたと感じられるかという睡眠休養感も意識してみましょう。
寝る時間を確保できているのに休んだ感覚が得られない場合は、生活習慣や寝室環境を見直すことも大切です。
まずは就寝時間を削らないよう予定を調整するなど、取り組みやすいところから始めてみましょう。(※12)
軽く身体を動かして気分転換する

精神的な疲れを感じたときは、無理のない範囲で身体を動かすことも気分転換の方法です。
散歩や軽いストレッチなど、日常生活に取り入れやすい活動から始めるとよいでしょう。
大切なのは、疲れを感じているときに無理をして運動量を増やさないことです。短時間でも続けやすいものを選び、自身が負担に感じない範囲で習慣にしていきましょう。(※13)
好きなことをして仕事や悩みから離れる時間をつくる
精神的に疲れているときは、仕事や悩みについて考え続ける状態からいったん離れ、好きなことに意識を向ける時間をつくることも大切です。
例えば、音楽を聴いたり読書をしたりするなど普段から好きだと感じることを選んでみましょう。
ただし、疲労が強い日は休息を優先し、その日の体調に合わせて内容や時間を調整してください。
好きなことを楽しむ時間と休む時間の両方を確保し、自分にとって心地よい過ごし方を探していくことがポイントです。(※14)
信頼できる人や専門家に相談する
精神的な疲れを一人で抱え続けると、問題を整理すること自体が難しくなる場合があります。
つらさを感じたときは、家族や友人、職場の相談窓口など話しやすい相手に現在の状況を伝えてみましょう。
相談することは、必ずしも治療を受けると決めることではありません。今の状態を整理し、自分だけでは気付きにくい負担や必要な支援を確認するきっかけにもなります。
疲れを我慢して一人で解決しようとせず、話しやすい方法から頼れる相手を探してみましょう。(※15)
精神的な疲れをためないための睡眠習慣

精神的な疲れをためないためには、睡眠時間を確保するだけでなく、普段の生活とのバランスにも目を向けることが大切です。
ただし、睡眠に関する情報をすべて取り入れようとすると、かえって負担になることがあります。
まずは普段の生活を振り返り、取り組みやすいものから一つ試してみましょう。
続けやすさや起床時の感覚などを確認しながら、自分の生活に無理なく取り入れられる方法を見つけていくことがポイントです。
就寝・起床時間をできるだけ一定にする

睡眠リズムを整えるには、毎日の就寝と起床時間を大きく変えないことが基本です。
平日は決まった時間に起きていても、休日に遅くまで寝ていると生活リズムが乱れやすくなるため、休日も起床時間が大きくずれないよう意識しましょう。
ただし、毎日同じ時刻に寝なければいけない、と厳密に考える必要はありません。
仕事や家事などで就寝時間が前後する日もあるため、まずは起床時間を一定に近づけるところから始めると取り組みやすくなります。睡眠時間には個人差があります。
まずは、平日と休日で起きる時間を大きく変えない、夜更かしが続いたら翌日の生活リズムを戻すなどできる範囲から意識してみましょう。
睡眠時間だけでなく、起きたときに休めた感覚があるかも振り返りながら、自分に合うリズムを探すことが大切です。(※16)
寝る前はスマートフォンの使用を控えてリラックスする
寝る前は、スマートフォンを長時間使う習慣を見直し、心身を落ち着かせる時間をつくりましょう。
スマートフォンなどの電子機器から出る光は体内時計に影響し、就寝前に強い光を浴びることで眠気が弱まり、寝つきにくくなる可能性があります。
しかし、いきなりスマートフォンを完全にやめる必要はありません。まずは、実行しやすいルールを一つ決めてみましょう。
空いた時間は、自分が落ち着ける過ごし方に置き換える方法もあります。大切なのは、寝る前にスマートフォンから離れる時間を少しでもつくることです。
寝る前に仕事や悩みから離れ、眠りに向かって気持ちを切り替えられる時間を確保しましょう。
自分にとって無理なく続けられる方法を試しながら、夜の過ごし方を整えていくことがポイントです。(※17)
精神的に疲れたときは無理をせず心身を休めよう

精神的な疲れを感じたときは、無理を重ねるのではなく、早めに心身を休ませることが大切です。
睡眠時間や生活リズムを整えるほか、仕事や家事の量を一時的に減らす、好きなことをする時間をつくるなど今の負担を少し軽くする方法を考えてみましょう。
また、疲れが長く続いたり日常生活に支障が出ていたりする場合や一人では対処しにくいと感じる場合は、信頼できる方や専門家に相談する選択肢があります。
休息や睡眠、ストレス対策は、すべてを完璧に実践する必要はありません。自分が続けやすい方法を少しずつ取り入れ、毎日の習慣も含めて無理なく整えていくことがポイントです。
参考文献
- 厚生労働省「精神的に疲れたときの対処法はの参考資料」
- こころの耳「6 職場環境の評価と改善:気配りしてますか -上司・同僚の方へ-」
- 厚生労働省「精神的に疲れたときの対処法はの参考資料」
- こころの耳「4 ストレスへの対処:ストレス軽減ノウハウ」
- 厚生労働省「精神的に疲れたときの対処法はの参考資料」
- こころの耳「1 ストレスとは:ストレス軽減ノウハウ」
- 厚生労働省「ストレスのサイン|ストレスとうまくつきあう|ストレスとこころ|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」
- 厚生労働省「ストレスは早めの対処がかんじん:ストレスとこころ:こころもメンテしよう」
- こころの耳「1 ストレスとは:こころのケア -学校の先生へ-」
- こころの耳「3分でできる職場のストレスセルフチェック(簡易版)」
- 厚生労働省「気分が落ち込む|こころのSOSサインに気づく|ストレスとこころ|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- 厚生労働省「こころもメンテしよう」
- 厚生労働省「こころと体のセルフケア|ストレスとこころ|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談窓口
