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PMSで眠れない?原因や対処法、睡眠障害のリスク、睡眠の質を高める習慣を解説

PMSで眠れない?原因や対処法、睡眠障害のリスク、睡眠の質を高める習慣を解説

生理前になると、なぜか寝つきが悪くなったり夜中に何度も目が覚めて、朝起きてもどこか疲れが抜けないなどの感覚を、毎月のように繰り返している方は少なくありません。眠れないのは気のせいかもしれない、ただの寝不足ではないかと、つい自分を納得させてしまいがちです。

しかし実は、こうした眠りにくさの背景にはPMS(月経前症候群)が関わっているケースがあります。本記事では、PMSによって眠れなくなる主な症状や原因、悪化させてしまう要因、睡眠障害につながるリスク、そして眠りの質を整えるための具体的な対処法までをまとめて解説します。

自分だけなのかと感じている方も、まずは仕組みを知ることで、少し気持ちが軽くなるはずです。

PMS(月経前症候群)とは

PMSで眠れない?原因や対処法、睡眠障害のリスク、睡眠の質を高める習慣を解説

PMS(月経前症候群)とは、月経が始まる3日〜10日ほど前から心や体にさまざまな不調が現れ、月経の開始とともに自然と軽くなっていく状態を指します。

体は私たちの体は、月経周期にあわせて女性ホルモンの分泌量が大きく変動しています。特に排卵後から月経前にかけては、エストロゲンとプロゲステロンというふたつのホルモンのバランスが大きく動く時期です。

このホルモンの変動が、自律神経や脳内の神経伝達物質にも影響を及ぼすことがあり、結果として身体的な症状だけでなく、気分の浮き沈みといった精神的な症状も引き起こされやすくなります。

代表的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

下腹部の張りや痛み、頭痛や肩こり、胸の張り、イライラや気分の落ち込み、集中力の低下、眠りにくさやだるさなどです。

症状の出方や強さには個人差があり、毎月同じように出る方もいれば、月によって症状が異なる方もいます。なかでも眠れないや眠りが浅い、といった睡眠に関する不調は、見過ごされやすいものの、日中の生活の質に直結する重要なサインといえるでしょう。

PMSで眠れないときにみられる主な症状

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PMSによる睡眠への影響は、ひとつではありません。寝つきの悪さから日中の眠気まで、人によって現れ方はさまざまです。ここでは代表的な3つの症状を見ていきます。

月経前から寝つきが悪くなることがある

普段は問題なく眠れているはずなのに、月経の数日前になるとなぜか布団に入ってもなかなか寝つけない、という方がいます。

頭のなかで考えことが止まらなかったり、些細なことが気になってしまったりして、いつもより入眠までに時間がかかってしまいます。

これは、ホルモンバランスの変化によって自律神経のうち交感神経が優位な状態が続きやすくなり、心身がリラックスモードに切り替わりにくくなっていることが一因と考えられています。(※1)

※1:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-005.html

夜中に目が覚める・眠りが浅いと感じることがある

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いったん眠りについても、夜中に何度も目が覚めてしまう、あるいは眠っているはずなのに眠った気がしない、という声もよく聞かれます。

このような中途覚醒や浅い眠りには、月経前に基礎体温が上がりやすくなることが関係している場合があります。

深部体温がうまく下がりきらないと、眠りが浅くなったり、途中で覚醒しやすくなったりすることがあるためです。加えて、PMS特有の不安感やイライラが睡眠中の脳の覚醒状態に影響し、ちょっとした物音や体の動きで目が覚めやすくなることも考えられます。(※2)

※2:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-005.html

日中に強い眠気やだるさを感じることがある

夜にしっかり眠れていないと感じる一方で、日中に強い眠気や倦怠感に襲われることもPMSの時期によく見られる症状です。

仕事中に集中力が続かない、午後になると急激に眠くなる、体が重くて動きたくないといった感覚は、夜間の睡眠の質が十分でないことの裏返しといえます。

また、PMSの時期はホルモンバランスの影響で体温調節や代謝にも変化が生じやすく、それ自体が疲労感やだるさにつながっているケースもあります。眠れていないことと、日中のパフォーマンス低下は、想像以上に密接につながっています。(※3)

※3:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-005.html

PMSで眠れない原因

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なぜPMSの時期になると、これほど眠りに影響が出てしまうのでしょうか。背景には複数の要因が絡み合っており、ひとつの原因に特定するのが難しい場合も少なくありません。

女性ホルモンの変動により心身が不安定になりやすい

月経周期のなかでも、排卵後から月経開始までの黄体期は、プロゲステロンの分泌量が急激に増加する時期にあたります。

このプロゲステロンには本来、体をリラックスさせる作用があるとされていますが、月経前にかけて急激に分泌量が減少していく過程で、自律神経のバランスが乱れやすくなることがあります。(※4)

さらに、エストロゲンの変動はセロトニンなど気分に関わる神経伝達物質の働きにも影響を与えるといわれており、心身が不安定になりやすい状態が生まれます。この不安定さが、結果的に眠りにくさという点で現れます。

※4:https://www.jsog.or.jp/citizen/5716/

基礎体温の上昇により寝苦しさを感じることがある

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排卵後の黄体期に入ると、プロゲステロンの作用によって基礎体温がわずかに上昇します。この体温の高さが、月経前まで続くことになります。(※5)

私たちが眠りにつくとき、体は深部体温を下げることで自然な眠気を作り出しています。しかし黄体期は基礎体温そのものが高い状態にあるため、体温が下がりきるまでに時間がかかったり、下がり方が緩やかになったりすることがあります。

その結果、布団に入っても暑く感じたり、寝苦しくて何度も寝返りを打ってしまうといった感覚につながり、寝つきの悪さや眠りの浅さの一因になっていると考えられています。

※5:https://www.jsog.or.jp/citizen/5716/

イライラや不安感により入眠しにくくなることがある

PMSの精神症状として知られるイライラや不安感、気分の落ち込みも、睡眠に大きく関わっています。

私たちは心配事や緊張を感じていると、交感神経が優位になり、脳が覚醒した状態を維持してしまいます。

PMSによる気分の不安定さがこの状態を引き起こしやすくし、眠らなければと思えば思うほど、かえって目が冴えてしまうという悪循環に陥ることもあります。(※6)

日中に感じたささいなイライラや不安が、夜になって急に頭のなかで大きくなってしまう感覚を覚える方もいるでしょう。これもまた、PMSによる眠れなさの一因です。

※6:https://www.jsog.or.jp/citizen/5716/

PMSの眠れない症状を悪化させること

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PMSによる睡眠への影響は、ホルモンバランスだけが原因ではありません。日々の生活習慣や行動が、症状をさらに強めてしまっていることもあります。

ストレスを抱えること

仕事や人間関係などで強いストレスを抱えていると、ただでさえ不安定になりやすいPMSの時期に、さらに心身への負荷が重なってしまいます。

ストレスを感じた状態が続くと、ノルアドレナリンなどのホルモンが分泌され、脳や体が緊張、覚醒モードのままになりやすくなります。

PMSによるホルモン変動と、日常のストレスという2つの要因が重なることで、眠りにくさがより強く出てしまう可能性があります。眠れないことがストレスになり、さらに眠れなくなるという負のループに入ってしまう方も少なくないです。

※7:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-001

就寝前にスマートフォンを見ること

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布団に入ってからもついスマートフォンを手に取ってしまう、という方は多いのではないでしょうか。

スマートフォンの画面から発せられるブルーライトには、眠気を促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑制してしまう作用があるとされています。ただでさえPMSの時期は寝つきにくくなっているところに、スマートフォンの光による覚醒作用が重なれば、さらに入眠が遅れてしまうことも考えられます。(※8)

加えて、SNSやニュースなどの情報に触れることで脳が興奮状態になりやすく、リラックスして眠りにつく準備が整いにくくなる点にも注意が必要です。

※8:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-001

日頃から生活リズムが乱れていること

就寝、起床の時間が日によってバラバラだったり、休日に大きく寝だめをしたりする習慣があると、体内時計が乱れやすくなります。(※9)

体内時計が安定していない状態でPMSによるホルモン変動が重なると、ただでさえ崩れやすい睡眠のリズムが、より一層整いにくくなってしまいます。

普段から決まった時間に眠り、決まった時間に起きるという習慣がある方に比べて、生活リズムが不規則な方のほうが、PMSによる睡眠への影響を強く感じやすい傾向があると考えられています。

※9:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-001

PMSによる睡眠障害のリスク

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PMSによる眠れなさをいつものことだからとそのままにしてしまう方も多いかもしれません。しかし、この状態が慢性的に続くと、睡眠障害へとつながっていくリスクがあります。

毎月のように寝つきの悪さや中途覚醒を繰り返していると、体が眠れない状態自体に慣れてしまい、月経前以外の時期にも不眠の症状が現れやすくなることがあります。厚生労働省のe-ヘルスネットによると不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ることが指摘されています。

また、慢性的な睡眠不足は、日中の集中力や判断力の低下だけでなく、免疫機能やホルモンバランスにも影響を及ぼす可能性が指摘されています。

さらに、睡眠不足によってストレスへの耐性が下がりやすくなることで、PMSの精神症状そのものが悪化し、さらに眠れなくなるという悪循環を招くケースも見られます。

眠れないのは月経前だけのことと軽視せず、早い段階で生活習慣を見直しておくことが、将来的な睡眠の質を守ることにつながります。

PMSの眠れない症状への対処法

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PMSによる眠りにくさをやわらげるためには、日常生活のなかでできる工夫を積み重ねていくことが大切です。ここでは代表的な4つの対処法を紹介します。

日中に適度に運動する

軽いウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲での運動習慣は、夜の入眠をスムーズにする助けになるといわれています。(※10)

日中に体を動かすことで適度な疲労感が生まれ、夜になると自然な眠気につながりやすくなります。また、運動には自律神経の乱れをやわらげることが期待されており、PMSによる心身の不安定さをやわらげる一助になる可能性があります。

ただし、就寝直前の激しい運動は交感神経を刺激し、かえって寝つきを悪くしてしまうこともあるため、運動は夕方までに済ませておくことをおすすめします。

※10:https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf

リラックスできる時間を作る

PMSの時期は、自律神経が緊張しやすい状態にあります。そのため、就寝前に意識的にリラックスできる時間を作ることが、眠りへの移行をスムーズにする助けになります。(※11)

ぬるめのお湯にゆっくり浸かる、好きな香りのアロマを焚く、静かな音楽を聴くなど、自分が心地よいと感じる方法を見つけておくとよいでしょう。

大切なのはこれをすれば必ず眠れるなどと気負わないことです。リラックスタイムそのものを楽しむ感覚で取り入れることで、心身の緊張がゆるみやすくなります。

※11:https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf

カフェインやアルコールを控える

コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインには覚醒作用があり、摂取するタイミングによっては夜の寝つきに影響を及ぼすことがあります。

特にPMSの時期は普段以上に神経が敏感になりやすいため、夕方以降のカフェイン摂取はできるだけ控えるのが望ましいでしょう。

また、お酒を飲むと眠くなると感じる方もいますが、アルコールは一時的に寝つきをよくする一方でアルコールは一時的に寝つきを促進するものの、睡眠後半の眠りを顕著に悪化させることが指摘されています。寝つきだけでなく、眠りの質全体を考えると、就寝前の飲酒も控えめにしておくほうがよいです。 (※12)

※12:https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf

規則正しい生活を送る

毎日同じ時間に起きて、同じ時間に眠るという習慣は、体内時計を安定させるうえで基本となる対処法です。体内時計が整っていると、月経周期によるホルモン変動の影響を受けても、睡眠のリズムが大きく崩れにくくなる傾向があります。(※13)

休日だからといって普段より大幅に遅く起きるのではなく、できる範囲で平日と近い起床時間を保つことも、PMSによる睡眠への影響を最小限に抑えるポイントのひとつです。

※13:https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf

PMSでも睡眠の質を整える習慣

PMSで眠れない?原因や対処法、睡眠障害のリスク、睡眠の質を高める習慣を解説

対処法に加えて、日々の生活に取り入れやすい習慣を持っておくことも、PMSの時期の眠りを支える助けになります。

睡眠に役立つツボ押しやストレッチを習慣化する

東洋医学では、心身の緊張をゆるめるとされるツボがいくつか知られています。例えば手首の内側にある「神門(しんもん)」や、足の裏にある「失眠(しつみん)」などは、リラックスを促す目的で取り入れられることがあるツボです。(※14)

就寝前に軽く指圧したり、肩や首まわりをゆっくりとストレッチしたりすることで、体の緊張がほぐれ、副交感神経が働きやすい状態に近づくと考えられています。

毎晩の習慣として、寝る前の数分間をこうしたセルフケアの時間にあてることで、眠る前の儀式のような感覚が生まれ、入眠への切り替えがしやすくなる方もいます。

※14:https://www.jsog.or.jp/citizen/5716/

毎日同じ時間に起床・就寝する

起床、就寝の時間を一定に保つことは、PMSの時期に限らず睡眠の質を保つうえで欠かせない習慣です。

特にPMSの時期は心身が揺らぎやすいからこそ、生活リズムという土台を安定させておくことが、結果的に睡眠への影響を小さくすることにつながります。(※15)

最初から完璧を目指す必要はありません。まずは起床時間だけでも一定にすることから始め、少しずつ就寝時間も整えていくといった、無理のないペースで取り組むことをおすすめします。

※15:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-004

PMSによる睡眠障害を悪化させないためのポイント

PMSで眠れない?原因や対処法、睡眠障害のリスク、睡眠の質を高める習慣を解説

PMSによる睡眠への影響を悪化させないためには、特別なことをするよりも普段の生活を整えるという視点が重要です。

まず意識したいのは、眠れない日があっても過度に気にしすぎないことです。今日も眠れないかもしれないという不安そのものが交感神経を刺激し、かえって入眠を妨げてしまうことがあります。眠れない夜があっても、それを月経周期によるひとつの波として受け止める姿勢が、結果的に心の負担を軽くしてくれるでしょう。

また、月経周期を記録しておくこともひとつの方法です。自分のPMSの時期や症状の傾向をあらかじめ把握しておくことで、そろそろ眠りにくくなる時期だと心の準備ができ、対処法を早めに取り入れやすくなります。

加えて、日中の過ごし方を見直すことも大切です。日光を浴びる時間を確保する、食事の時間を整える、軽い運動を習慣にするなど、睡眠以外の生活習慣を整えることが、巡り巡って夜の眠りやすさにつながっていきます。

睡眠とPMSは密接に関わりあっているからこそ、睡眠だけを単独で何とかしようとするのではなく、症状が重い場合は医療機関の受診を検討してみることで、悪化を防ぐことも可能になります。

PMSの眠れない症状への対処法を実践して睡眠の質を高めよう

PMSで眠れない?原因や対処法、睡眠障害のリスク、睡眠の質を高める習慣を解説

PMSによる眠れなさは、決して特別なことでも、気のせいでもありません。女性ホルモンの変動という体の自然な仕組みが背景にあり、多くの方が同じような悩みを抱えています。

寝つきの悪さや中途覚醒、日中の眠気といった症状は、ホルモンバランスの変化に加え、ストレスやスマートフォンの使用、生活リズムの乱れといった日常の習慣によっても左右されます。

だからこそ、運動やリラックスタイム、カフェイン、アルコールの調整、規則正しい生活といった、無理なく続けられる対処法を積み重ねていくことが、睡眠の質を整える近道といえるでしょう。

毎月訪れるPMSの時期を、ただやり過ごすのではなく、自分の心と体と向き合う時間としてとらえてみる。そんな視点の転換が、長期的な睡眠の質の向上につながっていきます。

参考文献

公益社団法人 日本産科婦人科学会|月経前症候群(PMS)

こども家庭庁|PMS(月経前症候群)とは

厚生労働省 e-ヘルスネット|女性の睡眠障害

厚生労働省 e-ヘルスネット|不眠症

厚生労働省 e-ヘルスネット|快眠と生活習慣

厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト|睡眠とストレスの関係/ストレスとは

厚生労働省|健康づくりのための睡眠ガイド2023

参考文献

  1. e-ヘルスネット「健康日本21アクション支援システム Webサイト」
  2. 月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS) - 公益社団法人 日本産科婦人科学会
  3. e-ヘルスネット「不眠症」
  4. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023(案)」
  5. e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
  6. 月経前症候群(PMS) | 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修
  7. e-ヘルスネット「セロトニン」