
スマホ脳過労の治し方は?脳疲労を回復するデジタルデトックスと睡眠を解説
スマホを手放せず、気付けば長い時間見続けているという方も多いのではないでしょうか。最近は、集中力や記憶力が落ちて仕事に支障を感じるという声も増えています。
脳の疲れは、生活習慣を少し見直すことでやわらげていけるものです。
その不調の背景には、情報の取りすぎによる脳の疲れ、いわゆるスマホ脳過労があるのかもしれません。
本記事では、スマホ脳過労が起こる仕組みやデジタルデトックス、脳を休める習慣、そして睡眠の整え方まで、今日から試せる対策をわかりやすく解説します。
スマホ脳過労とは?脳疲労が起こる仕組み

はじめに、スマホ脳過労とはどのような状態なのかを整理しましょう。言葉は聞いたことがあっても、仕組みまで知る機会は少ないかもしれません。
ここでは、脳に負担がたまる流れを2つの視点から見ていきます。仕組みがわかると、対策の意味も理解しやすくなります。
情報を処理しきれず前頭前野に負担が集中する

現代人は、スマホを通じて一日中たくさんの情報を受け取っています。
受け取った情報は主に脳の前頭前野で処理されますが、情報が多すぎると脳が休むひまなく働き続ける状態になると考えられます。
処理しきれないほどの情報が次々に入ってくると、脳が休むタイミングは失われがちです。
特に、空いた時間につい画面を見てしまう習慣があると、頭を休める間もないまま一日が過ぎてしまうことも少なくありません。自分では気付かないうちに、脳の負担は少しずつ大きくなっていきます。
こうして情報を受け取りすぎる状態が続くと、脳の疲れが抜けにくくなると考えられます。
放置すると物忘れや意欲低下につながる
脳の疲れをそのままにしておくと、日常にさまざまな影響が出てきます。特に睡眠が足りない状態が続くと、意欲の低下や記憶力の減退といった精神機能の低下につながるとされています。(※1)
物忘れが増えたり、何をするにも気力がわきにくくなったりするのは、脳が疲れているサインの一つと考えられます。小さな変化のうちに気付き、早めに脳を休める習慣を取り入れることが大切です。
疲れがたまるほどスマホに頼りたくなり、さらに脳を使うという悪循環にも陥りやすくなります。
※1 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-008.html
スマホ脳過労のサインをチェック

自分の脳が疲れていないか、気になる方もいるでしょう。ここでは、日常で気付きやすいサインを2つ取り上げます。あてはまるものがないか、振り返ってみましょう。
サインに早く気付くほど、対策も取り入れやすくなります。
作業に集中できず10分ももたなくなる
脳が疲れていると、一つのことに集中し続けるのが難しくなります。睡眠が足りない状態が続くと、日中の眠気や注意力の低下があらわれるとされています。(※2)
仕事を始めてもすぐに気が散ってしまう、集中が長続きしないと感じるときは、脳が休息を求めているのかもしれません。短い休憩をこまめにはさみながら、無理のないペースで取り組むとよいでしょう。
同じ文章を何度も読み返してしまう、以前は続けられた作業が途中で止まるといった変化も、集中力が落ちているサインといえます。
※2 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-001.html
人の名前や約束を忘れイライラしやすくなる
脳の疲れは、記憶や感情の面にもあらわれやすくなります。睡眠不足が続くと記憶力が減退しやすいとされており、物忘れが増える一因になると考えられます。(※3)
相手の名前や予定を思い出しにくくなったり、些細なことでイライラしやすくなったりするのも、脳に余裕がなくなっているサインといえます。
心当たりがある場合は、脳を休める時間を意識してみましょう。こうした変化は年齢のせいと思われがちですが、脳の使いすぎによる一時的な疲れが背景にある場合もあります。
※3 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-008.html
スマホ脳過労を治すデジタルデトックス

ここからは、脳を休めるための具体的な方法を見ていきます。まずは、スマホと少し距離を置くデジタルデトックスから始めましょう。
今日から取り入れやすく、無理なく続けやすい工夫を2つ紹介します。
食事中や休憩中はスマホを別の部屋に置く
スマホが手元にあると、つい手に取ってしまう方も多いでしょう。
食事中や休憩中はスマホを別の部屋に置くなど、物理的に距離をつくる工夫が役立ちます。
手の届く場所にあるだけで、脳は無意識にスマホへ注意を向けてしまうといわれています。食べるときは食事に集中するなど、一つのことに向き合う時間をつくると、脳を休めやすくなります。
まずは一食だけでもスマホを遠ざけて、料理の味や香りを味わう時間にしてみましょう。
通知をオフにして寝室にスマホを持ち込まない
通知が鳴るたびにスマホが気になり、集中が途切れてしまうこともあります。緊急性の低い通知はオフにしておくと、余計な情報に注意を奪われにくくなります。
また、夜にスマホの光を浴びると体内時計が乱れやすくなるため、寝室にスマホを持ち込まない工夫が役立ちます。(※4)
充電器をリビングに置くなど、物理的にスマホと離れる仕組みをつくると続けやすくなります。夜のスマホを控えることは、脳を休めるだけでなく、睡眠を整えることにもつながります。
就寝前の1時間はスマホを見ないと決めておくと、頭が高ぶった状態のまま布団に入るのを防ぎやすくなります。
※4 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-004.html
脳を休める日常の習慣

デジタルデトックスとあわせて、脳を休める習慣も取り入れてみましょう。ここでは、毎日の生活で続けやすい2つの方法を紹介します。どちらも特別な道具は必要なく、思い立ったときに始められます。
公園を散歩して自然に触れる
脳を休めるには、意識的に何もしない時間をつくることも大切です。公園を散歩するなど体を動かすことは、気分転換やストレスの解消につながるとされています。(※5)
特に公園や緑のある場所を歩くと、頭がすっきりしやすいと感じる方も多いでしょう。スマホを見ずに景色を眺めながら歩く時間は、情報から離れて脳を休めるよいきっかけになります。
短い時間でも外の空気を吸って体を動かすことを日課にすると、気持ちの切り替えがしやすくなります。
※5 https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_01.html
1日5分の深呼吸で頭を落ち着かせる

呼吸を整えることも、脳と心を落ち着けるのに役立ちます。ゆっくりとした腹式呼吸は、心身の緊張をやわらげるセルフケアの一つとして知られています。(※6)
1日5分でも、鼻から息を吸っておなかをふくらませ、口からゆっくり吐き出す呼吸を繰り返してみましょう。時間や場所を選ばず取り入れられるため、仕事の合間の切り替えにも向いているでしょう。
息を吐く時間を吸う時間より少し長めにすると、より落ち着きやすいとされています。(※7)
※6 https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_03.html
※7 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/003/010/004.htm
脳疲労を回復する睡眠の整え方

脳の疲れを回復させるうえで、睡眠は欠かせません。ここでは、眠りの質を高めるための整え方を2つ紹介します。毎日の眠りを見直すことは、脳の回復への近道になります。
眠っている間に脳の老廃物が排出される
睡眠には、体を休めるだけでなく脳を休ませる役割があります。眠っている間には、脳や体のメンテナンスや記憶の整理が行われるとされています。(※8)
睡眠中には、日中の活動でたまった老廃物の処理も進むと考えられています。しっかり眠ることは、脳をすっきりとした状態に戻すことにつながります。
反対に、睡眠が足りないと、疲れや処理しきれない情報を翌日に持ち越しやすくなります。
※8 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-001.html
就寝1時間前から照明を暗くする

眠りの質を高めるには、寝る前の環境づくりも大切です。眠りを促すメラトニンは強い光を浴びると分泌が抑えられるため、暗めの環境が睡眠を支えるとされています。(※9)
就寝の1時間ほど前から照明を少し落としておくと、体が休息へと向かいやすくなります。スマホやパソコンの明るい画面も控えると、より眠りにつきやすい環境が整います。
暖色系の間接照明に切り替えるなど、光の色や明るさを工夫するのもおすすめです。
※9 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-062.html
スマホ脳過労を防ぐ仕事中の工夫

日中の仕事中にも、脳の疲れをためにくくする工夫があります。ここでは、デスクワークの合間に取り入れやすい2つの方法を紹介します。忙しいなかでも、少しの工夫で脳の負担は軽くできます。
60分ごとに5分の休憩をはさむ
長時間続けて画面を見続けると、脳や目に負担がたまりやすくなります。
厚生労働省のガイドラインでは、パソコンなどの連続作業が1時間を超えないようにし、間に休止時間を設けることが推奨されています。(※10)
作業のあいだに短い休憩をこまめにはさむことで、脳の疲れがたまりにくくなり、疲労感も緩和されるでしょう。休憩中は席を立って軽く体を動かすと、気分の切り替えにもつながります。
集中が途切れる前に区切りをつけておくと、かえって作業のペースを保ちやすくなります。
※10 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc6314&dataType=1&pageNo=1
定期的に画面から目を離して遠くを見る
こまめに目を休めることも、脳の負担をやわらげるうえで役立ちます。同じ厚生労働省のガイドラインでは、作業の合間に遠くの景色を眺めたり目を閉じたりして目を休めることも推奨されています。(※11)
画面を見続けていると気付かないうちに目が緊張するため、定期的に画面から視線を外してみましょう。遠くを見て目の力を抜くだけでも、疲れの感じ方が変わってきます。
窓の外の景色や少し離れた場所にある物など、目印を決めておくと続けやすくなります。
※11 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc6314&dataType=1&pageNo=1
スマホ脳過労を治すときの注意点

脳過労を治そうとするときは、進め方にも少し気をつけたいポイントがあります。無理なく続けるための注意点を2つお伝えします。焦らず取り組むことが、結果的に長続きのコツになるでしょう。
使用時間を少しずつ減らして反動を防ぐ
スマホの使用を急にやめようとすると、かえって続かないこともあります。
はじめから完全に断とうとせず、使用時間を少しずつ減らしていくほうが無理なく続けられます。
例えば、寝る前の30分だけスマホを見ないと決めるなど、小さな目標から始めてみましょう。少しずつ慣らしていくことで、反動を感じにくく、習慣として定着しやすくなります。
急に我慢するとストレスになり、反動でかえって使いすぎてしまうこともあるため、無理のない範囲から見直すことが大切です。
完璧を求めず1日1回のオフから始める
最初から完璧を目指すと、うまくいかないときに気持ちが折れてしまいがちです。
まずは1日1回スマホをオフにする時間をつくるなど、できることから少しずつ取り入れていくとよいでしょう。
スマホを家に置いて、近くの公園を少し散歩するのもよいかもしれません。
できない日があっても、自分を責める必要はありません。ゆるく長く続けることを大切にすると、脳を休める習慣が生活になじんでいきます。
続けているうちに、スマホがなくても落ち着いて過ごせる時間が少しずつ増えていくはずです。
脳と睡眠を内側から支える習慣

生活習慣に加えて、毎日の食事から脳と睡眠を支えることもできます。最後に、内側から整える習慣を2つ紹介します。食事は毎日のことだからこそ、続けやすい工夫が大切です。
青魚や大豆製品を毎日の食事に取り入れる
脳と睡眠のコンディションは、日々の食事とも関わっています。眠りに関わるメラトニンは、大豆製品などのたんぱく質に含まれるトリプトファンを材料につくられるとされています。(※12)
また、青魚や大豆製品などをバランスよく取り入れることは、脳の健康にもよいとされています。特定の食品にかたよらず、主食・主菜・副菜をそろえた食事を心がけましょう。(※13)
朝食でたんぱく質をとることは、日中の活動と夜の眠りのリズムづくりにも役立つと考えられています。
※12 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-062.html
※13 https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/151/1/151_27/_pdf
就寝前は温かい飲み物で体を落ち着ける
就寝前の過ごし方も、眠りの質を左右します。寝る前に温かい飲み物で一息つくと、気持ちが落ち着き休息へと切り替えやすくなります。
ただし、コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインには目を覚ます作用があるため、就寝前は控えるのがおすすめです。(※14)
白湯やカフェインを含まないお茶などを選ぶと、リラックスした時間を過ごしやすくなります。温かい飲み物を、一日を終える切り替えの習慣にしてみましょう。
湯気の立つカップを両手で包む時間そのものが、気持ちをゆるめる合図になります。
※14
デジタルデトックスと睡眠で脳過労を治そう

ここまで、スマホ脳過労の仕組みと、脳を休めるためのさまざまな方法を見てきました。
大切なのは、スマホとの距離を見直しながら、十分な睡眠時間を確保して脳をしっかり休ませることです。
スマホは生活に欠かせない便利な道具です。だからこそ、上手に距離をとりながらつき合うことが、脳の疲れをためないうえで大切になります。
今日紹介したなかから取り入れやすいものを一つ選び、少しずつ習慣にしていくことで、脳の疲れをためこまない毎日に近づいていくはずです。
