
ストレスがあると朝起きられない?起きられないときの対処法や睡眠の質を高めるコツも解説
「朝になってもなかなか布団から出られない」「目覚ましが鳴っているのに起き上がれない」と悩んでいませんか。
十分に寝ているはずなのに朝がつらい場合、睡眠時間だけでなく、ストレスや生活リズムなどが関係している可能性があります。
強いストレスを感じていると、眠りにつきにくくなったり、夜中に目が覚めたりするなど、睡眠に変化が現れることがあります。
また、気分の落ち込みや疲労感などが重なるケースもあるため、朝起きられない状態を単なる「寝起きの悪さ」と考えないことも大切です。
一方で、睡眠不足や生活リズムの乱れ、睡眠障害など、ストレス以外の原因が隠れている場合もあります。
この記事では、ストレスと朝起きられない状態の関係や考えられる原因、医療機関へ相談する目安について解説します。
日常生活で取り入れやすい対処法も紹介するので、できることから試してみましょう。
ストレスがあると朝起きられなくなることはある?

ストレスがあると、朝起きることがつらくなる場合はあります。
仕事や人間関係、家庭のことなどで強いストレスを受け続けると、心身が緊張した状態になり、睡眠にも影響を及ぼすこともあります。
厚生労働省は、ストレスによる心身の変化として「眠れない」「朝起きられない」などの睡眠の変化を挙げています。(※1)
例えば、夜になっても仕事のことが頭から離れず、なかなか寝つけないことがあります。眠りにつけたとしても、考え事や不安が気になって夜中に目を覚ましてしまうケースもあるでしょう。
このように睡眠の状態が乱れると、朝になっても十分に休めた感覚が得られず、起き上がることが難しくなる場合があります。
また、ストレスが強いときは、睡眠だけでなく「何をするにも面倒に感じる」「気分が落ち込む」「疲れやすい」といった変化が現れることもあります。
ただし、朝起きられない原因が必ずストレスにあるとは限りません。睡眠時間そのものが不足している場合や、生活リズムが乱れている場合も考えられます。
「最近ストレスが多いから仕方ない」と決めつけるのではなく、睡眠時間や就寝・起床時刻、日中の眠気なども一緒に振り返ることがポイントです。
ストレス以外で朝起きられない主な原因

朝起きられないときは、ストレス以外にもさまざまな原因が考えられます。
特に、睡眠時間が足りているか、毎日の生活リズムが大きく乱れていないか、眠っている間に十分な休養がとれているかを確認してみましょう。
睡眠時間が不足している
朝起きられない原因としてまず考えられるのが、睡眠時間の不足です。
夜遅くまで仕事や家事をしていると、就寝時刻が後ろにずれてしまいます。しかし、翌朝の起床時刻を変えられなければ、結果的に睡眠時間が短くなってしまうでしょう。
睡眠時間には個人差がありますが、慢性的な睡眠不足は日中の眠気や疲労感などにつながります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、適切な睡眠時間を確保することが重要とされています。(※2)
「休日は平日より何時間も長く寝ている」「朝は目覚ましを何度も止めてしまう」といった場合は、普段の睡眠時間が不足していないか確認してみましょう。
睡眠時間を確保するためには、起床時刻から逆算して就寝時刻を決める方法もあります。夜にやることをすべて終えてから寝ようとすると、気付かないうちに睡眠時間を削ってしまうこともあるため、睡眠を優先する時間をあらかじめ確保しておくことが大切です。
生活リズムが乱れている
就寝時刻や起床時刻が日によって大きく変わることも、朝起きにくくなる原因の一つです。
私たちの体には、睡眠と覚醒のリズムを調整する体内時計があります。夜更かしや朝寝坊が続くと、このリズムが後ろにずれ、夜になっても眠気を感じにくくなることがあります。
例えば、平日は朝7時に起きているのに、休日は昼近くまで寝ている場合です。休日の夜に眠くならず、月曜日の朝に起きることがつらくなるケースもあります。
生活リズムを整えるためには、まず起床時刻をなるべく一定にすることを意識しましょう。
休日も平日と極端に違う時刻まで寝ないようにし、朝起きたらカーテンを開けて光を浴びる習慣をつくることもポイントです。
睡眠の質が低下している
睡眠時間を十分に確保しているにも関わらず朝起きられない場合は、睡眠の質が低下している可能性があります。
寝室が明るい、周囲の音が気になる、室温が暑すぎる・寒すぎるといった環境は、寝つきや睡眠の状態に影響することがあります。
また、寝る直前までスマートフォンを使ったり、夕方以降にカフェインを多く摂取したりする習慣も、睡眠を妨げる要因です。
厚生労働省も、スマートフォンなどを寝床で使用することや、カフェインの摂りすぎ、飲酒などが睡眠の質を低下させる可能性を示しています。(※2)
「寝床に入る時間は早いのに、朝から疲れている」という場合は、睡眠時間だけでなく、眠る前の過ごし方や寝室環境も振り返ってみましょう。
朝起きられない状態が続く場合に考えられる病気・状態
朝起きられない状態が長く続く場合、生活習慣だけではなく、病気や心身の不調が関係している可能性もあります。
特に、十分な睡眠時間を確保しているにも関わらず起きられない場合や、日中にも強い眠気がある場合は注意が必要です。
睡眠障害

睡眠障害には、不眠症のほか、睡眠と覚醒のリズムが乱れるものなど、さまざまな種類があります。
例えば、夜になっても眠気がこず、明け方になってようやく眠くなるような状態では、朝決まった時刻に起きることが難しくなるでしょう。
厚生労働省は、体内時計のリズムがずれることで、望ましい時刻に眠ったり起きたりできなくなる「概日リズム睡眠・覚醒障害」について紹介しています。(※2)
「夜更かしが続いているだけ」と思っていても、生活を整えようとしても改善しない場合は、睡眠に関する問題が隠れていないか確認することが大切です。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まることを繰り返す病気です。呼吸が止まることで睡眠が妨げられ、深い睡眠を十分にとれなくなる場合があります。
その結果、睡眠時間を確保していても日中に強い眠気が出ることがあります。
特に注意したいのが、睡眠中の大きないびきや呼吸停止です。自分では寝ている間の状態に気付きにくいため、家族などから「いびきが大きい」「呼吸が止まっている」と指摘されたことがある場合は、医療機関へ相談してみましょう。
朝起きたときに頭痛がある、日中に強い眠気があるなどの症状が重なっている場合も、睡眠時無呼吸症候群の可能性を確認することが大切です。
起立性調節障害
朝起きたときに強いだるさがあり、なかなか起き上がれない場合は、起立性調節障害が関係している可能性もあります。
起立性調節障害は、特に思春期にみられ、朝起きられない、立ちくらみがする、立っていると気分が悪くなるなどの症状が現れることがあります。
朝の起きづらさに加えて、立ち上がったときのめまいやふらつき、動悸などがある場合は、単なる寝起きの悪さと考えないことが大切です。
起立性調節障害が疑われる場合は、症状を医師に伝え、必要な診察を受けましょう。
うつ病や適応障害などの精神的な不調
ストレスを抱えている状態では、こころの不調が原因で朝起きられないこともあります。
例えば、朝起きられないだけでなく、気分が落ち込む、何をしても楽しめない、以前できていたことが面倒に感じる、疲れやすいといった変化が続いている場合です。
厚生労働省では、うつ病の症状として、気分の落ち込みや興味・関心の低下に加えて、睡眠の変化や疲労感などを挙げています。(※1)
仕事や人間関係などで強いストレスを受けた後から状態が変わった場合は、無理をして普段どおりに戻そうとせず、自分の心身の変化を確認してみましょう。
朝起きられないことだけで病気と判断することはできませんが、複数の症状が続いている場合は専門家へ相談することも選択肢になります。
朝起きられない状態で医療機関へ相談する目安

朝起きられない状態が一時的なものであれば、睡眠時間を確保したり生活リズムを整えたりすることで改善する場合があります。
一方で、十分に眠っているにも関わらず朝起きられない状態が続いている場合は、医療機関への相談を検討しましょう。
特に、日中の強い眠気によって仕事や家事に支障が出ている場合は注意が必要です。眠気のために集中できない、ミスが増えた、会議中に眠ってしまうなど、日常生活への影響が大きくなっていないか確認してみてください。
また、睡眠中の大きないびきや呼吸停止を指摘されている場合は、睡眠時無呼吸症候群などが関係している可能性があります。
気分の落ち込みや意欲の低下が続いている場合、強い不安を感じている場合なども、一人で抱え込まず医療機関や相談窓口を利用することが大切です。
受診先に迷ったときは、まず内科などのかかりつけ医へ相談する方法があります。症状に応じて、睡眠外来や精神科・心療内科など、適した診療科を案内してもらえる場合もあります。
「朝起きられないだけだから」と我慢を続ける必要はありません。生活への支障が続いているなら、原因を確認するためにも相談してみましょう。
ストレスの状態をセルフチェックする方法

朝起きられない原因としてストレスが気になる場合は、最近の自分に心身の変化がないか振り返ってみましょう。
例えば、次のような変化がないか確認します。
以前よりイライラすることが増えた
気分が落ち込むことが多くなった
何をするにも面倒に感じる
疲れやすくなった
寝つきが悪くなった
夜中や朝方に目が覚めるようになった
食欲が変化した
人と会ったり話したりすることが負担になった
厚生労働省は、ストレスによってこころ・体・行動にさまざまな変化が現れることを解説しています。睡眠の変化もストレスサインの一つです。(※1)
セルフチェックでは、一つの項目だけを見てストレスの程度を判断するのではなく、以前と比べて変化したことを確認するのがポイントです。
また、いつから朝起きにくくなったのか、どのくらいの睡眠時間をとっているのか、最近どのような出来事があったのかをメモしておくと、自分の状態を整理しやすくなります。
ただし、セルフチェックは診断をするためのものではありません。つらい状態が続いている場合は、チェック結果だけで判断せず、医療機関や相談窓口へ相談しましょう。
ストレスを軽減するためにできること

ストレスをすべてなくすことは難しくても、心身への負担を軽くするためにできることはあります。
「何とかしなければ」と頑張りすぎるのではなく、日常生活のなかで無理なく続けられる方法から取り入れてみましょう。
十分な休息をとる
ストレスが続いているときほど、休む時間を意識して確保することが大切です。仕事や家事を優先して睡眠時間を削ってしまうと、疲労が蓄積し、さらに心身の負担が大きくなる可能性があります。
まずは「疲れてから休む」のではなく、疲れを感じる前に休憩を入れることを意識しましょう。
仕事の合間に短時間でも席を離れる、帰宅後に何もしない時間をつくる、休日に予定を詰め込みすぎないなど、小さな休息から始める方法があります。
夜は睡眠時間を削ってまで用事を済ませようとせず、できることを翌日に回す判断も必要です。
軽く体を動かす
ストレスを感じているときは、軽い運動を取り入れることも方法の一つです。
ウォーキングやストレッチなど、無理なくできる運動から始めてみましょう。厚生労働省の睡眠ガイドでも、日中に適度に体を動かすことは、睡眠と覚醒のメリハリをつけるうえで重要とされています。(※2)
運動と聞くと、まとまった時間を確保しなければならないと思うかもしれません。しかし、まずは近所を少し歩く、エレベーターではなく階段を使うなど、日常生活のなかで体を動かす機会を増やす方法もあります。
ただし、疲労が強いときに無理をする必要はありません。体調に合わせて、負担にならない程度から始めましょう。
信頼できる人に相談する

ストレスを一人で抱え続けないことも大切です。家族や友人、職場で信頼できる人などに、最近感じているつらさや困っていることを話してみましょう。
誰かに話すことで、問題そのものがすぐに解決しなくても、自分が何に負担を感じているのか整理できる場合があります。
「こんなことで相談してよいのかな」と思うような内容でも、つらさを感じているなら無理に一人で抱える必要はありません。
身近な人には相談しづらい場合は、医療機関や公的な相談窓口を利用する方法もあります。自分にとって話しやすい相手や場所を探してみましょう。
朝起きられないときに見直したい生活習慣
朝の目覚めを整えるためには、朝だけを変えようとするのではなく、日中から夜までの生活を見直すことが大切です。
睡眠時間を確保しながら、体内時計が整いやすい生活リズムをつくっていきましょう。
起床・就寝時間を整える
まずは毎日の起床時刻と就寝時刻を大きく変えないよう意識しましょう。
特に休日に昼近くまで寝てしまう習慣がある場合は、平日と休日の起床時刻の差をできるだけ小さくすることがポイントです。
また、夜更かしが続くと朝起きることが難しくなるだけでなく、夜になっても眠気が出にくくなる場合があります。
起床時刻を決めたら、そこから必要な睡眠時間を確保できるように就寝時刻を考えてみましょう。
「眠れないから早く寝よう」と無理に布団へ入るよりも、日中の活動量を確保し、夜は自然に眠気が出る生活を心がけることも大切です。
朝に日光を浴びる

朝起きたらカーテンを開け、日光を浴びる習慣をつくりましょう。朝の光は体内時計を調整する重要な要素です。
厚生労働省も、朝に日光を浴びることが睡眠と覚醒のリズムを整えることにつながるとしています。(※2)
起床後すぐに外へ出るのが難しい場合は、まずカーテンを開けて窓際で過ごすことから始めてもよいでしょう。
朝食をとったり身支度をしたりしながら、自然に光を浴びる時間をつくる方法もあります。
一方、夜は強い光を浴びすぎないよう注意が必要です。朝は明るく、夜は暗くするというメリハリを意識すると、睡眠と覚醒のリズムを整えやすくなります。
寝室環境を整える
寝室の環境も、睡眠の質を左右する要素の一つです。明るすぎる照明や外からの光、周囲の生活音などが気になる場合は、遮光カーテンや耳栓などを活用してみましょう。
また、暑すぎたり寒すぎたりすると眠りにくくなるため、季節に合わせて室温や寝具を調整することも大切です。
厚生労働省の情報でも、寝室が明るい、うるさい、暑い・寒いといった環境は、眠りにつきにくくなったり眠りが浅くなったりする原因として紹介されています。(※2)
枕やマットレスなどの寝具についても、首や肩などに負担がかかっていないか確認してみましょう。
すべてを一度に変える必要はありません。まずは「光が気になる」「暑くて目が覚める」など、自分が困っている部分から改善するのがおすすめです。
睡眠を妨げやすい寝る前の行動

朝すっきり起きるためには、寝る直前の過ごし方も見直してみましょう。カフェインや飲酒、スマートフォンの使用などは、習慣になっていると睡眠に影響する可能性があります。ここでは、見直したい2つの行動を解説します。
カフェインや過度な飲酒
コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには覚醒作用があります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、カフェインは摂取量が多いほど深い睡眠が減少したり、中途覚醒が増えたりする可能性が示されています。(※2)
また、夕方以降の摂取は夜間の睡眠に影響しやすいため、控えることがおすすめです。夕方以降にコーヒーやエナジードリンクを飲む習慣がある場合は、飲む時間帯を見直す方法もあります。
一方、アルコールについても注意が必要です。お酒を飲むと一時的に眠くなることがありますが、睡眠後半の眠りの質を悪化させたり、中途覚醒を増やしたりすることがあります。寝つきをよくする目的で飲酒する「寝酒」は避けましょう。
寝る直前までスマートフォンを使う

寝床に入ってからスマートフォンを操作する習慣がある場合は、できるだけ見直してみましょう。
スマートフォンなどのデジタル機器を寝床で使用すると、画面の光だけでなく、SNSや動画などの情報に集中することによって、眠るためのリラックスした状態へ切り替えにくくなる場合があります。
厚生労働省も、寝室にはスマートフォンなどのデジタル機器を持ち込まず、できるだけ暗くして眠ることを睡眠環境のポイントとして示しています。(※2)
「寝る前に少しだけ」と思っていても、気付けば長時間見ていたこともあるでしょう。スマートフォンをベッドから離れた場所に置く、寝る前に通知をオフにする、充電場所を寝室の外にするなど、使い続けにくい環境をつくるのも一つの方法です。
スマートフォンの代わりに、本を読む、音楽を聴く、軽くストレッチをするなど、自然に気持ちを落ち着けられる習慣へ切り替えてみましょう。
ストレスを抱え込まず睡眠と生活リズムを整えよう

朝起きられない原因は、ストレスだけではありません。睡眠時間の不足や生活リズムの乱れ、睡眠の質の低下など、さまざまな要因が関係している可能性があります。
まずは、普段の睡眠時間や就寝・起床時刻を振り返ってみましょう。朝に日光を浴びる、寝室の環境を整える、夕方以降のカフェインを控える、寝る直前のスマートフォンを避けるなど、できることから少しずつ見直すことが大切です。
ストレスが気になる場合は、十分な休息をとることや軽く体を動かすこと、信頼できる人に相談することも選択肢になります。一人で抱え込まず、自分に合った方法で負担を軽くしていきましょう。
一方で、朝起きられない状態が長く続いている場合や、日中の強い眠気によって生活に支障が出ている場合は、睡眠障害などが隠れている可能性があります。
大きないびきや睡眠中の呼吸停止、強いめまい、気分の落ち込みなど、気になる症状がある場合も医療機関へ相談することが大切です。
睡眠は、心身の休養を支える大切な生活習慣です。ストレスを無理に抱え込まず、毎日の睡眠と生活リズムを少しずつ整えながら、朝に起きやすい状態を目指しましょう。
