
ストレスのセルフケア方法10選を紹介|原因や影響、注意点も解説
229 ストレスのセルフケア方法8選を紹介|原因や影響、注意点も解説
仕事の忙しさや人間関係など、日常のなかでストレスを感じる場面は少なくありません。疲れが取れない、なんだかやる気が出ないと感じながらもどう対処すればよいかわからず、そのままにしている方もいるでしょう。
この記事では、ストレスの原因やサインを整理し、自分でできるセルフケアの方法を8個紹介します。生活習慣の見直し方や避けたい行動、専門家への相談が必要になる目安も解説します。
自分に合ったストレス対策を見つけましょう。
ストレスとは

ストレスは、物理学で外から力が加わったときに物がゆがむ状態を表す言葉が語源です。そこから転じて、外部からの刺激によって心や身体に負荷がかかった状態を指すようになりました。
その刺激そのものをストレッサーと呼び、ストレッサーにはさまざまな種類が含まれています。
有害な物質などの物理的なもの
病気や睡眠不足などの身体に関わるもの
職場や家庭での不安や緊張などの心理的なもの
なかでも人間は、人間関係や環境から受ける心理的な負荷が大きいといわれています。
ストレスは、特別な悩みだけを指す言葉ではなく、日々の暮らしのあらゆる場面に潜んでいるのも特徴です(※1)
※1
ストレスを感じる主な原因

ストレスの原因は人によって異なり、一つに絞れないことが少なくありません。
まず大きいのが人間関係です。日常的に顔を合わせる相手とのやり取りは、うまくいけば支えになりますが、こじれると大きな負担になることが少なくありません。
仕事面では評価や責任、忙しさそのものがプレッシャーとなりやすい傾向があります。
さらに睡眠不足が続くと心身の疲れを招き、それが日中の不調につながって、また眠れなくなるという悪循環を生むこともあります。
このほか、体調を崩したときや家族の看病が続くとき、お金の悩みを抱えているときにも負担は大きくなりがちです。結婚や昇進などの、一見よい変化さえも要因になりえます。(※2)
※2
ストレスがたまっているときに現れやすいサイン

ストレスの原因がわかっても、それが実際にどのように自分に現れているかは、案外気付きにくいです。最近イライラしやすい、眠りが浅いなどの変化があっても、一時的なものだと思い過ごしてしまうことも少なくありません。
ここでは、ストレスがたまっているときに現れやすいサインを、心・身体・行動の面から整理していきます。
変化がどれくらい続いているか、生活にどう影響しているかを合わせて見ていくと、今の状態を客観的にとらえやすくなるでしょう。
身体に現れるサイン
ストレスが積み重なると、まず現れるのは身体への変化です。
身体には本来、ストレスに対応しようとする防御のはたらきが備わっていますが、その負担が大きくなりすぎるとうまく調整できなくなりさまざまな不調につながります。
具体的には眠れない、あるいは眠っても疲れが取れないなどの睡眠の乱れ、反対に眠りすぎてしまうこともあります。
ほかに現れやすい症状は以下のとおりです。
強い疲労感やだるさ
食欲がわかない
食べ過ぎ
頭痛やめまい
耳鳴り
肩こりや腰痛
動悸や息切れ
腹痛
下痢や便秘
わけもなく涙が出てしまう
現れ方は人によってさまざまです。(※3)
※3
心に現れるサイン
ストレスは身体だけでなく、心の状態にも現れます。気分が沈む、なんとなく落ち込む、イライラして怒りっぽくなるなどの変化はほとんどの方が一度は経験したことがあるでしょう。
一時的なものであれば問題ありませんが、その状態が長く続いたり、繰り返し起こったりする場合には注意が必要です。
ほかにも以下の症状があります。
やる気が出ない
集中できない
今まで興味があったことに関心が持てなくなる
理由もなく悲しくなる
物事を悪い方向にばかり考えてしまう
さらに進むと、何も考えられなくなったり自分を責めて価値がないと感じたり、消えてしまいたいなどの気持ちが出てくることもあります。(※4)
こうした心のサインは、我慢して見過ごしてしまいがちですが、早めに気付くことが大切です。
※4
行動に現れるサイン
ストレスは心や身体だけでなく、日々の行動にも変化として現れることがあります。例えば、お酒やたばこの量が自然と増えたり、甘いものを無性に食べたくなったりすることがあるでしょう。
生活リズムが乱れがちになったり、仕事でのちょっとしたミスやうっかりした事故が増えたりするのも、行動面のサインの一つです。
ほかにも、口調がきつくなる、感情的になりやすいなどの変化が見られます。(※5)
※5
自分でできるストレスケア方法

ストレスの原因や、心・身体・行動に現れるサインを見てきました。自分に当てはまる部分が見えてきても、実際に何をすればよいのかわからないと感じている方もいるでしょう。
ここからは、自分でできるストレスケアの方法を具体的に紹介します。特別な準備がなくても、今日から少しずつ試せる工夫です。
すべてを完璧に行う必要はなく、無理なく続けられそうなものから取り入れてみましょう。
十分な睡眠や休息をとる
睡眠は、心と身体をリセットする大切な時間です。睡眠が足りない状態が続くと頭がうまく働かなくなったり、イライラしやすくなったり、体調を崩しやすくなったりと影響は多方面におよびます。
まずは6時間以上を目安に、しっかり睡眠時間を確保することを意識しましょう。(※6)
心地よく眠るためには、寝るときの環境づくりも大切です。身体に合った寝具を選び、季節に合わせた適度な室温と湿度に整えると、快適な眠りのための環境づくりに役立ちます。
また、日中に身体を動かす、朝食をとる、寝る前はゆったり過ごすなど、生活のリズムを意識してみましょう。
※6
適度に体を動かす

身体を動かすことは、ストレス解消に役立つ方法の一つとされています。運動の種類にこだわる必要はなく、自分が楽しく続けられるものを選ぶのがポイントです。
友人と一緒に始めたり、身体を動かした後に食事を楽しんだりすると、趣味の一つとして無理なく続けやすいでしょう。
ただし、いきなり激しい運動をすると、けがにつながるおそれがあるため注意が必要です。(※7)
デスクワークで長時間同じ姿勢が続くと、身体がこわばりやすくなります。仕事の忙しさや人間関係のストレスが重なると、筋肉の緊張がさらに強まることもあるでしょう。
そのようなときは、ときどきストレッチをしたり少し歩いたりすると、気分転換になります。
※7
信頼できる人と話す
真面目で完璧主義な性格の方ほど、人に頼ることが苦手で、悩みを一人で抱え込みやすい傾向があります。しかし、仕事や心配事は無理に自分だけで解決しようとせず、時には誰かに頼ることも大切です。(※8)
気の置けない友人や家族と話すだけで、気持ちが軽くなることは少なくありません。
一緒に過ごす時間そのものが心を落ち着かせてくれたり、悩みを言葉にすることで頭のなかが整理され、考え方が変わるきっかけになったりすることもあります。
たとえ明確な解決策が見つからなくても、話を聞いてもらうだけでイライラや不安が和らぐこともあります。
※8
入浴や呼吸法でリラックスする

不安や緊張が続くと、知らないうちに呼吸が浅くなっていることがあります。そのようなときは、意識してゆっくり深呼吸をしてみましょう。
ゆっくり深呼吸をすると、気持ちを落ち着けるきっかけになります。(※9)
息を吐くときはお腹をへこませ、吸うときはお腹をふくらませる腹式呼吸を意識すると、より深く呼吸できます。
また、湯船にゆったりつかる時間は、一日の緊張をほぐすリラックスタイムとして取り入れやすい習慣です。
※9
趣味や好きなことに取り組む
時間に余裕があるときは、趣味に没頭するのもおすすめです。
本を読んだり映画を見たり、ゲームをしたり絵を描いたりと、自分が夢中になれることに取り組むと日々のストレスから自然と離れることができます。
好きな音楽を聴くなど、まずは気軽にできることから始めるのもよいでしょう。(※10)
料理やお菓子作り、プラモデル、園芸なども単調な作業に集中することで雑念が消えて頭のなかがすっきりしやすくなります。
無理に何かを頑張る必要はなく、自分に合った方法で気分転換をすることが大切です。
※10
ストレスをためにくくするための生活習慣

ストレスを感じたときに役立つセルフケアに加えて、日頃の生活習慣を見直すことも、ストレスと上手に付き合うための一つの方法です。
ここからは、食事や生活リズムなど、日常のなかで意識したい習慣を解説します。特別なことをする必要はなく、いつもの生活に少しずつ取り入れていきましょう。
睡眠リズムを整える
日頃から睡眠のリズムを整えておくことも、疲れをため込まない過ごし方の一つです。
まず意識したいのは、就寝時間と起床時間をできるだけ一定にすることです。毎日ばらばらの時間に寝起きしていると、体内のリズムが乱れやすくなり、疲れが抜けにくくなります。
休日だからといって極端に寝坊するのではなく、平日との差を少なめに抑えることも、リズムを保つポイントです。(※11)
※11
バランスのよい食事を意識する

バランスのよい食事は、心と身体の健康を保つうえで欠かせない要素です。ビタミンやミネラルなど不足しがちな栄養素も意識し、食事のバランスを整えることが心身の健康づくりの基本です。
食事の工夫は誰でも気軽に始められる、身近なセルフケアの一つです。(※12)
暴飲暴食や偏った食事は避けたいですが、時には好きなものを楽しむことも気分転換になります。
※12
意識して休む時間をつくる
忙しい毎日を過ごしていると、休む時間を後回しにしてしまう方もいるでしょう。しかし、疲れやストレスを感じたときこそ、意識して身体を休ませることが大切です。
いつもより少し早めに寝るようにするだけでも、心と身体の回復につながります。
自宅では、横になって目を閉じ、何も考えずに過ごす時間をつくるのもおすすめです。数分だけでも、頭のなかを空っぽにする瞑想のような時間を持つと、たまった疲れがほぐれやすくなります。(※13)
※13
ストレスケアとして避けたい行動

ストレス解消のつもりで行っていても、量や頻度によってはかえって負担になってしまう場合もあります。
ここでは、ストレスケアとして避けたい行動と、その理由を具体的に整理します。何気なく続けている習慣が、自分の心身にとってどの程度の負担になっているか、振り返ってみましょう。
過度な飲酒や喫煙
お酒やたばこで気分を紛らわせることは、ほとんどの方が経験しているかもしれません。しかし、こうした習慣に頼りすぎると少しずつ量が増えていき、依存につながるおそれがあります。
特に、飲酒で睡眠の質が下がったり、気持ちが不安定になったりすることもあるため注意が必要です。長く飲酒を続けていると、お酒がないと気分転換ができないほど依存してしまうケースもあります。
そうなると、さらに飲酒量が増え、日常生活や仕事にも支障が出てしまう場合があります。喫煙も同様で、量が増えるほど心身への負担は大きくなるでしょう。(※14)
※14
カフェインの摂り過ぎ

コーヒーの香りや、ひと息つく時間を気分転換として楽しむ方もいるでしょう。
ただし、カフェインを摂りすぎると自律神経のバランスが乱れやすくなり、睡眠にも悪い影響が出ることがあります。
1日2〜4杯程度にとどめ、身体を冷やしにくいホットコーヒーを選ぶとよいでしょう。また、就寝前の3時間は控え、なるべく日中の時間帯に飲むことを意識しましょう。(※15)
※15
衝動的な買い物などに頼り過ぎる
買い物は、ストレス発散の手段として手軽に感じられるかもしれません。
実は、買おうかどうか迷いながら買ってしまおうと決断する瞬間こそが、快感を得やすいタイミングです。この間は脳が興奮状態になり、一時的な高揚感を味わえます。
しかし、いざ商品が届いてから、そこまで欲しいものではなかったと気付くと今度は自己嫌悪に陥ってしまうことも少なくありません。
買いすぎによる経済的な負担や後悔は、新たなストレスの原因になりかねません。一瞬の快感に頼りすぎず、後悔につながらない範囲で楽しみましょう。(※16)
※16
自分のストレスサインを把握することが大切

眠れない、お腹が痛くなる、いつもよりイライラしやすいなどストレスを受けているときには何らかのサインが現れていることが少なくありません。
こうした変化があるからといって、すぐに心の病気だと心配する必要はありません。ただし、気付かないまま放置してしまうと、少しずつ調子を崩してしまうこともあります。
大切なのは、自分にはどのようなサインが出やすいのかを、あらかじめ知っておくことです。時々自分の状態を振り返る習慣をつけておくと、変化に早く気付きやすくなります。
サインに早めに気付ければ、休息を取ったり気分転換をしたりと、負担が大きくなる前に対処できるようになるでしょう。(※17)
※17
自分でストレスケアするのが難しい場合の相談目安

ここまで紹介してきたセルフケアの方法を試しても、なかなか気持ちが晴れない、あるいは不調が続いていると感じることもあるかもしれません。
そのようなときは、このまま様子を見てよいのか、それとも誰かに相談すべきかと迷う方もいるでしょう。
ここでは生活への影響の大きさや、不調が続いている期間などを一つの基準として、相談を検討する目安を解説します。
心身の不調が長く続いている
眠れない、気分が沈む、イライラしやすいなどの不調は一時的なものであれば休息やセルフケアで少しずつ和らいでいくことが少なくありません。
しかしこうした状態が数週間にわたって続いていたり、理由もないのに不安な気持ちが消えなかったり、胸がどきどきして息苦しさを感じたりする場合には注意が必要です。(※18)
何をするにも元気が出ない、気持ちが落ち着かない状態が長引いているときは、ストレスが自分の対処できる範囲を超えているサインかもしれません。
セルフケアを続けてもつらさが軽くならない、むしろストレスがたまっていく一方だと感じるときは、無理をせず早めに医療機関へ相談しましょう。
※18
仕事や日常生活に支障が出ている
何度も確認しないと気が済まない、食欲がわかず食事がおいしく感じられない、なかなか寝つけずに夜中に何度も目が覚めるなど日常生活そのものに支障が出ている場合も注意したいサインです。
なかには、誰もいないはずなのに声が聞こえる、誰かに悪口を言われているように感じるなどの状態が現れることもあります。(※19)
仕事や家事、人づきあいに影響が出ていると感じたときは自己判断で様子を見続けるのではなく、早めに周囲の方や医療機関へ相談することが大切です。
※19
自分に合った方法で無理なくストレスケアを続けよう

ストレスは誰にでも起こるものだからこそ、我慢せずに自分のサインへ早めに気付くことが大切です。
睡眠や運動、信頼できる方との会話、呼吸法や趣味の時間など今日から少しずつ取り入れられる方法はたくさんあります。すべてを完璧にこなす必要はなく、自分の生活に合いそうなものから、無理のない範囲で始めましょう。
睡眠のリズムを整えたり食事の内容を見直したりと、日々の習慣から整えていくことも大切です。まずは日常のなかでできることから始めてみましょう。
そしてセルフケアだけではつらさが和らがないときは、一人で抱え込まず、早めに周囲や医療機関に相談しましょう。
参考文献
- e-ヘルスネット「健康日本21アクション支援システム Webサイト」
- ストレスのサインとは?心と体への影響
- こころの耳「2 良質な「睡眠」をとる(寝る):ストレス対処法としての生活習慣 - 食う・寝る・遊ぶの充電法」
- ストレスとセルフケア
- こころの耳「ストレスのセルフケア方法10選を紹介|原因や影響、注意点も解説の参考資料」
- こころの耳「1 「食事」を楽しむ(食う):ストレス対処法としての生活習慣 - 食う・寝る・遊ぶの充電法」
- 【心療内科 Q/A】「一杯のホットコーヒーがもたらす効果とは?」 - 新宿心療内科 新宿ペリカンこころクリニック【精神科・メンタルクリニック】
- 【心療内科Q/A】「ADHDです、つい衝動買いをしてしまうのですが…?」【大人の発達障害】 - 新宿心療内科 新宿ペリカンこころクリニック【精神科・メンタルクリニック】
- こころの病気について理解を深めよう
