
寝ても疲れが取れない原因は?考えられる疾患や睡眠の質をあげる方法、対処法を解説
180 寝ても疲れが取れない原因は?考えられる疾患や睡眠の質をあげる方法、対処法を解説
寝ても疲れが取れないと感じるとき、睡眠時間や生活習慣など、さまざまな原因が考えられます。
十分な睡眠時間を確保するだけでなく、生活リズムを整え、睡眠の質を高めることも大切です。
また、寝ても疲れが取れない背景には、睡眠時無呼吸症候群などの疾患が隠れている場合もあります。
この記事では寝ても疲れが取れない主な原因や考えられる疾患、睡眠の質を高める方法、医療機関を受診する目安を解説します。日々の生活を見直す際の参考にしてください。
寝ても疲れが取れない主な原因

たくさん寝たのに朝からだるい、疲労感が抜けないと感じる場合、睡眠時間だけでなく睡眠の質や生活習慣などさまざまな原因が考えられます。
よい睡眠をとるためには、十分な睡眠時間を確保するだけでなく、睡眠によって休養がとれている感覚である「睡眠休養感」を高めることも大切です。ここでは、日常生活を見直すことで改善につながる主な原因を解説します。
睡眠時間が足りていない
睡眠時間が不足すると、十分に休養できず、日中の眠気や疲労感につながることがあります。
成人は個人差を考慮しながら、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。(※1)
まずは自分に必要な睡眠時間を確保できるよう、就寝時間や起床時間を見直してみることが大切です。
ストレスがたまっている

日中に強いストレスを感じていると、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりするなど睡眠に影響を及ぼすことがあります。
心配事や悩みなどで心身が緊張した状態が続くと、十分に眠ったつもりでも休養がとれたと感じにくくなる場合があります。
就寝前はできるだけリラックスして過ごし、心身を落ち着かせることが大切です。(※2)
生活リズムの乱れや運動不足
就寝時間や起床時間が日によって大きく異なるなど、生活リズムの乱れも睡眠に影響します。
仕事などで就寝時間が遅くなることもありますが、できるだけ規則正しい生活を心がけ、毎日同じような時間に起床しましょう。
また、朝食をしっかり摂ることは、体内時計の調整や睡眠・覚醒リズムを整えることに役立つとされています。(※3)
運動不足も睡眠休養感の低下と関係しています。日中に適度に体を動かす習慣を取り入れることで、入眠の促進や睡眠の質の向上につながるとされています。(※3)
睡眠の質が低下している
睡眠時間を十分に確保していても、途中で何度も目が覚めたり、眠りが浅かったりすると睡眠による休養を十分に得られないことがあります。
睡眠中は脳と体の活動が低下するノンレム睡眠と、脳が活動している状態に近いレム睡眠が繰り返されています。
ノンレム睡眠とレム睡眠はそれぞれ異なる役割を担っており、睡眠全体の質を保つうえで重要です。(※4)
睡眠の質が低下する原因は、生活習慣やストレス、睡眠環境などさまざまです。
十分な睡眠時間を確保しているにも関わらず疲れが取れない場合は、睡眠の状態や日中の過ごし方を見直してみることが大切です。
寝ても疲れが取れない場合に考えられる疾患

睡眠時間を十分に確保し、生活習慣を見直しているにも関わらず、寝ても疲れが取れない場合は何らかの疾患が隠れている可能性もあります。
考えられる疾患はいくつかありますが、疲労感だけで病気を自己判断せず、気になる症状が続く場合は医療機関へ相談してみるとよいでしょう。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。
睡眠中に呼吸が繰り返し止まることで眠りが浅くなり、睡眠休養感の低下や日中の眠気、体のだるさなどにつながることがあります。
また、血液中の酸素が不足し心臓や脳、血管に負担がかかり脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患のリスクにも関係します。(※5)
睡眠時無呼吸症候群は、自分では気付かないこともあります。
家族などからいびきや睡眠中の無呼吸を指摘された場合や、日中の強い眠気やだるさが続く場合は医療機関への相談を検討しましょう。
糖尿病
糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度である血糖値が慢性的に高くなる病気です。
初期には自覚症状が少ないといわれていますが、血糖値が高い状態が続くと、喉が渇く・飲み物を多く飲む・尿の回数が増えるなどの症状が現れることがあります。(※6)
夜間に何度もトイレに起きることで睡眠が妨げられ、睡眠不足につながる場合もあります。
喉の渇きや夜間の頻尿などは、糖尿病でみられる代表的な症状の一つです。
貧血

貧血とは、血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態です。
ヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ役割を担っているため、貧血になると体に酸素が十分に行き渡らず、疲れやすい・息切れ・動悸などの症状が現れることがあります。
気になる症状が続く場合は、医療機関に相談しましょう。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が低下し、全身の代謝が低下する病気です。
甲状腺ホルモンが不足すると、疲れやすい・眠気がある・体がだるいなどの症状が現れることも特徴です。
甲状腺機能低下症では、睡眠の問題がみられる場合もあり、睡眠時無呼吸症候群と関連していることも報告されています。(※7)
精神疾患
うつ病などの精神疾患では、寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めるなどの不眠症状が現れることがあります。
不眠症は、うつ病や不安症などの精神疾患に伴って現れることも特徴です。(※8)
睡眠の問題だけでなく、気分の落ち込みや不安など、心身の変化が同時にみられる場合もあります。
睡眠の質を下げるNG行動の例

睡眠の質を下げてしまう行動はいくつかあります。特に就寝前の過ごし方は、睡眠に影響を及ぼすことがあるでしょう。
普段何気なく行っている習慣のなかにも、睡眠を妨げるものがあるため、できることから見直してみることが大切です。
寝る前にスマートフォンの画面を見る
就寝前にスマートフォンを操作すると、動画やSNSなどをついつい長時間見続けてしまい、寝る時間が遅くなることで睡眠不足につながることがあります。
またスマートフォンなどの明るい画面から発せられる光は、体内時計に影響を与え、夜間の眠気を妨げる可能性があります。(※9)
寝る前はスマートフォンやタブレット端末の使用をできるだけ控え、寝室には持ち込まないようにするのも一つの方法です。
照明もできるだけ暗くして、眠りにつきやすい環境を整えることが大切です。
寝る前にアルコールやカフェインを摂取する
寝る前のアルコールは一時的に寝つきをよくしますが、睡眠の後半に眠りが浅くなり、中途覚醒が増えるなど睡眠の質を低下させる可能性があります。
寝酒を習慣にすると睡眠の問題につながることもあるため、寝る前の飲酒は控えめにするとよいでしょう。(※10)
また、コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには覚醒作用があります。
カフェインの影響には個人差がありますが、夕方以降に摂取すると夜の睡眠に影響を及ぼすことがあるため、夕方以降は控えることがすすめられています。(※11)
睡眠の質を上げる方法

睡眠の質を高めるためには、毎日の生活習慣や睡眠環境を見直すことが大切です。
特別なことを始める必要はなく、朝の過ごし方や日中の活動、寝室の環境など取り組みやすいことから始めてみましょう。
朝の光を浴びて体内時計を整える
起床後に朝の光を浴びることは、体内時計を調整し、睡眠と覚醒のリズムを意識することにつながります。
朝はカーテンを開けて日光を取り入れたり、ベランダに出たりするなど、できる範囲で明るい光を浴びるようにするとよいでしょう。(※12)
また、朝の光を浴びることに加えて、夜の照明を暗めにするなど昼と夜の明るさにメリハリをつけることも大切です。
毎日できるだけ同じ時間に起床し、規則正しい睡眠・覚醒リズムを保つようにしましょう。
日中適度に体を動かす

適度な運動習慣は、良質な睡眠の確保に役立ちます。
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、寝つきをよくしたり、睡眠休養感を高めることにつながります。(※13)
運動のためにまとまった時間を確保するのが難しい場合は、通勤や買い物の際に歩く時間を増やしたり、エレベーターではなく階段を使ったりするなど日常生活のなかで体を動かすことから始めてもよいでしょう。
無理なく続けられる運動を習慣にするのが大切です。
寝具やパジャマを見直す
寝具やパジャマは、季節や室温にあわせて調整します。
暑すぎたり寒すぎたりすると睡眠を妨げることがあるため、その時期の室温にあわせてかけ布団やパジャマなどを選ぶとよいでしょう。(※14)
冬は保温性のある寝具を使用して、寝室が冷えすぎないようにするのがポイントです。
一方、夏は汗をかきやすいため、通気性や吸湿性のある寝具やパジャマを選ぶなど暑さや湿気にあわせて調整するとよいでしょう。
パジャマは着心地や肌触りのよいものを選んだり、自分の気に入ったデザインを取り入れたりすると就寝時間をリラックスして過ごせるでしょう。
湿度や室温を適切に保つ
就寝時の室温や湿度も、睡眠環境を整えるうえで重要です。
暑すぎたり寒すぎたりする環境では、寝つきが悪くなったり、睡眠が妨げられたりする場合があります。(※15)
夏場はエアコンなどを活用して室温を調整し、暑さを我慢しないようにしましょう。冬場は暖房などを使用して、寝室が冷えすぎないようにすることも大切です。
湿度に関しては、乾燥しすぎたり湿気がこもったりしないよう季節に応じて調整するとよいでしょう。
寝室の温度や湿度は、季節や住環境によっても異なります。
自分が寝苦しさや寒さを感じていないかを確認しながら、快適に眠れる環境を整えてみましょう。
寝ても疲れが取れない場合には睡眠時間の見直しも大事

しっかりとした睡眠休養感を得るには、睡眠時間を十分に確保し、睡眠の質を保つことも大切です。
睡眠の質が良ければ短時間での睡眠でも問題ないと考えるのではなく、自分に必要な睡眠時間を確保するようにしましょう。
仕事や家事などで忙しい日も、できるだけ睡眠時間を削らないように生活を調整してみましょう。
夜更かしが続いている場合は、就寝時間を早めたり、寝る前の行動を見直すことが大切です。
また、平日の睡眠不足を補うために休日に長時間眠ると、起床時間が大きくずれて生活リズムに影響する場合があります。
休日も平日と大きく変わらない時間に起床するなど、できるだけ一定の睡眠リズムを保つことを心がけるとよいでしょう。
寝ても疲れが取れない場合に自分でできる対処法

睡眠による休養感を高めるためには、まず生活リズムを整えることから始めてみましょう。
毎日の生活を大きく変える必要はなく、普段の習慣のなかから取り入れやすいものを選ぶことがポイントです。
就寝時間と起床時間をできるだけ一定にする
朝の光を浴びて、朝食を摂る
日中にウォーキングなどの適度な運動をする
夕方以降はカフェインを控える
アルコールの摂取量を減らし、寝酒は避ける
就寝前のスマートフォンの使用を減らす
就寝前はできるだけリラックスして過ごす
これらをすべて一度に取り組む必要はありません。例えば、まずは起床時間を一定にすることから始めるなど、自分が無理なく続けられる方法を取り入れてみましょう。
睡眠の習慣は一日だけ見直して終わりにするのではなく、できる範囲で継続することが大切です。
生活リズムや睡眠環境を少しずつ整えながら、自分の睡眠状態を確認してみましょう。
寝ても疲れが取れない場合に医療機関に相談する目安

これまでに解説したセルフケアで生活習慣を見直しても、寝ても疲れが取れない状態が続く場合は、何らかの疾患が隠れている可能性もあります。
特に、十分に睡眠時間を確保しているにも関わらず、日中に強い眠気やだるさが続いている場合は注意が必要です。
眠気によって仕事や家事などの日常生活に支障が出ている場合も、医療機関への相談を検討しましょう。
また、家族から大きないびきや睡眠中に呼吸が止まっていることを指摘された場合は、睡眠時無呼吸症候群が関係している可能性があります。
自分では睡眠中の状態を把握しにくいため、周囲から指摘された症状も受診を考えるきっかけになります。
疲労感だけでは原因となっている疾患を判断するのは難しいため、気になる症状が続く場合は自己判断で済ませず、医療機関に相談しましょう。
毎日の食事・水分補給で意識したいポイント

規則正しい生活の一環として日々の食事にも目を向けることが大切です。
特定の食品だけを意識するのではなく、エネルギー源となる主食・たんぱく質を含む主菜・ビタミンやミネラルなどを含む副菜を組み合わせ、栄養バランスのとれた食事を規則正しく摂ることを心がけましょう。
主食にはごはん・パン・麺類など、主菜には肉・魚・卵・大豆製品など、副菜には野菜・きのこ・海藻などが含まれます。さまざまな食品を組み合わせて、バランスのよい食事をこころがけるとよいでしょう。(※16)
忙しくて食事を準備する時間がない場合は、レトルト食品や冷凍食品などを上手に活用する方法もあります。
水分も適度に補給することが大切です。水分不足にならないよう、日中を中心にこまめに水分を摂るようにしましょう。
一方で、就寝直前に水分を多量に摂ると夜中にトイレに起きる原因になる場合があります。
また、夕方以降はカフェインの摂取を控え、寝酒も避けることが睡眠環境を整えるうえで大切です。食事や水分補給は無理なく続けられる方法を選びましょう。
寝ても疲れが取れないと感じているなら

寝ても疲れが取れないと感じる場合は、まず普段の睡眠時間や生活リズムを見直してみることが大切です。
睡眠時間が不足していないか、就寝時間や起床時間が日によって大きく変わっていないかを確認してください。
就寝前の睡眠環境を整えることは、今日からでも取り組みやすい方法の一つです。
寝る前のスマートフォンの使用を控え、照明を暗めにするなど、できるだけリラックスして眠りにつける環境を整えましょう。
生活習慣を見直す際は、すべてを一度に変えようとする必要はありません。
まずは、起床時間を一定にする・朝食を摂る・日中にウォーキングをするなど自分が続けやすいことから始めてみることが大切です。
睡眠時間を十分に確保し、生活習慣を見直しているにも関わらず疲れが取れない場合は、疾患が関係している可能性もあります。
強い眠気やだるさが続いている場合や、いびきや睡眠中の無呼吸を指摘された場合は、医療機関への相談を検討しましょう。
