
不眠症の種類は?症状、4つのタイプ別の原因や改善方法、セルフチェックを解説
なかなか寝付けない、眠りが浅く朝起きても疲れが残っている、このような悩みはありませんか。それはもしかすると、不眠症の影響かもしれません。
眠れない症状を不眠症と呼ぶことは何となくわかっていても、詳しいことはわからない方もいるでしょう。今回は不眠症について、詳しく解説します。
よく不眠症とひとまとめでいわれますが、大きく4種類に分類できます。不眠症4タイプについて、それぞれの原因と対策について見ていきますので、自分に当てはまるタイプがあれば参考にしてください。
不眠症とは

眠れない病気を不眠症と呼ぶことは知っていても、詳しい定義を理解していない方もいるでしょう。不眠症は一時的に眠れなくなるのとは異なります。
まずは何をもって不眠症と呼ぶのかを解説します。不眠症はそのまま放置し続けると、日常生活に悪影響をもたらす危険性がある病気です。
不眠症がどのような影響を与えるかも紹介します。自分が不眠症だと自覚したのであれば、できるだけ速やかに対策を講じた方がよいでしょう。
一時的な不眠との違い
不眠症とはなかなか寝付けない、夜中に目が覚めてしまうなどの眠れない症状を指します。ただしこのような症状は、多くの方々が一時的に経験するでしょう。
不眠症はこのような症状が長期にわたり継続するのが、一時的な不眠との違いです。一般的に週3日以上、3ヶ月以上不眠が持続すると、治療の必要な不眠症といわれます。
不眠症は、精神疾患や身体疾患の一環として症状が顕在化するケースもあります。このように別の症状と関連している可能性があるため、当てはまる方は一度診察を受けた方がよいでしょう。
「今夜もまた眠れないのではないか」という不安が毎晩続くようなら、それは心身からの大切なサインかもしれません。
まずは自分の眠りのパターンを一度冷静に振り返ることから始めてみましょう。
不眠症が与える影響

不眠症を放置すると、日常生活に影響を与えかねません。慢性的な睡眠不足により、日頃のパフォーマンスが低下します。
勉強や仕事の作業効率が低下し、集中力散漫でミスを起こしかねません。また、心身ともに悪影響をもたらす恐れもあります。
精神面では自己肯定感が低下し、気分が落ち込んで鬱のような症状を発症するかもしれません。身体面では生活習慣病のリスクが上昇します。
さらに、免疫力が低下するために、体調を崩しやすくなる可能性があります。
不眠症の症状

不眠症の症状で代表的なものは、主に入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害の4つです。
入眠困難は、いわゆる寝付きが悪い状況を指します。床に就いてもなかなか眠れない症状です。
中途覚醒とは、いったんは眠りに就いても夜中に目が覚めてしまい、そこからなかなか寝付けない症状です。
早朝覚醒は、予定よりも目が覚めてしまう症状を指します。これら症状のいずれかが週3回以上見られ、3ヶ月以上続くと不眠症の可能性が高くなります。
熟眠障害とは、十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、眠りが浅く目覚めたときに疲労感が残る症状です。
不眠症の種類

不眠症と一言で紹介されることも少なくないものの、実際には不眠症のなかでもいくつか種類があります。主な種類として以下の4つのタイプが挙げられます。
- 入眠困難
- 中途覚醒
- 早朝覚醒
- 熟眠障害
ここでは、この4種類の不眠症の特徴を解説します。もし不眠症かもしれないと考えているのであれば、自分はどのタイプかの判断材料に活用しましょう。
どの種類かによって、その原因や改善方法が異なる点にも留意しましょう。
入眠困難
入眠困難とは、いわゆる寝付きの悪いタイプの不眠症です。床に就いても、なかなか眠れないのが代表的な症状です。
目安としては、床に就いてから入眠するまでに30分から1時間以上かかる方は入眠困難かもしれません。
入眠困難は、不眠症のなかでもしばしば見られる症状です。緊張や不安などの心理的要因によるものが大きいといわれています。
「早く眠らなきゃ」と焦るほど目が冴えてしまうケースも少なくありません。時計を何度も見てしまうと余計に緊張が高まるため、思い切って時計を遠ざけて、体をゆったりと布団に預けるイメージを持つことから始めてみましょう。
中途覚醒

中途覚醒とは、夜中に何度も目が覚めてしまう症状です。夜中に目が覚めて、以降なかなか眠れない、眠れても眠りが浅いのも中途覚醒の特徴です。
中途覚醒は、心理的な要因によるものが多いといわれています。しかしなかには睡眠時無呼吸症候群のような、別の病気が原因のケースも見られます。
早朝覚醒
早朝覚醒とは、朝早くに目が覚めてしまうタイプの不眠症です。予定している時刻よりも早く目覚めてしまうのが特徴です。
しかも目覚めてから眠ろうとしても、眠れません。結果、慢性的な睡眠不足の状態に陥ってしまいます。
結果日中に強い疲労を感じたり、集中力散漫になったりします。なかにはうつ病の症状として顕在化する場合もあるため、注意が必要です。
まだ外が暗いうちに目が覚めてしまうと、損をしたような気分になるかもしれません。
まずは体を休めているだけでも効果があると割り切り、静かに横になって心身を穏やかな状態に保つ工夫をしてみるのがおすすめです。
熟眠障害
しっかり眠ったはずなのに疲れが取れていなければ、熟眠障害による不眠症の可能性があります。ぐっすり眠った感じがない、起きてもだるいなどの症状が見られます。
夜間に断続的に覚醒していたり、眠れているものの浅い眠りが続いていたりするのが原因です。熟眠障害は、睡眠環境に問題があるためかもしれません。
睡眠環境を見直すことで、睡眠時の快適性向上につながる場合があります。
不眠症の種類別の原因

不眠症の主要な4種類を別項で紹介しました。どの種類かによって、特徴だけでなく原因も違ってくる場合があります。
ここでは、タイプ別に不眠症に陥ってしまう主な原因を見ていきます。自分の当てはまるタイプで、心あたりのある原因はないか確認しましょう。
不眠症は、ストレスによって引き起こされると考える方もいるかもしれません。たしかにストレスも、不眠症の原因の一つです。
しかしストレス以外にも原因はあるため、なぜ不眠症で悩まされているのか一度見つめ直してみるとよいでしょう。
入眠困難の場合

入眠障害の原因として、精神的な要因がしばしば指摘されます。例えば不安なことを抱えていて、あれこれ考えごとをし続けて眠れなくなるパターンです。
学業や仕事で何らかのストレスを抱えていると、それが原因かもしれません。また翌日早く起きなければならない場合、それがプレッシャーとなってますます脳が興奮して眠れなくなるパターンもあります。
一度寝付けないと「また同じことが起こるのではないか」と不安になって、ますます眠れなくなるケースも少なくありません。
日中の忙しさや緊張が夜まで続いてしまうと、脳が休息モードに切り替わりません。
布団のなかは悩む場所ではなく休む場所だと決め、今日あった出来事は一度棚に上げて、心地よい音楽や香りに意識を向けて脳をリラックスさせてあげましょう。
中途覚醒の場合
中途覚醒の原因として、まず加齢が考えられます。年齢を重ねるとともに眠りが浅くなり、夜中に何度も起きてしまいます。
また、ストレスを過剰に抱えていると、浅い眠りになりがちです。もし何か心理的な問題を抱えているのであれば、それを解決するのが先決です。
病気により、中途覚醒になっている可能性もあります。睡眠時無呼吸症候群や前立腺肥大による頻尿で、眠りが浅くなっているのが原因です。
この場合、まずは中途覚醒に隠れている疾患に対応をしている医療機関への相談を検討しましょう。
早朝覚醒の場合
朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒は、まず加齢が原因です。年齢とともに体内時計が前倒しになってしまい、本来よりも2〜3時間早く目が覚めてしまいます。
また、生活習慣が原因の可能性もあります。昼寝をしすぎている、慢性的な運動不足だと早朝覚醒を起こしがちです。
ほかに、うつ病のような心の病が原因のケースも見られます。早朝覚醒だけでなく、気分の落ち込みや意欲の低下も感じているのであれば、心に問題を抱えているかもしれません。
熟眠障害の場合

十分に睡眠時間を取っても疲れが取れなかったり、ぐっすり眠った感じがしなかったりすれば、熟眠障害の可能性があります。熟眠障害は何らかの影響で睡眠の質が低下しているのが原因です。
睡眠環境が適切でないことが、睡眠の質低下の要因の一つです。寝具が自身に合っていなかったり、寝室の室温や湿度が適切でなかったりすると、熟眠障害を引き起こしかねません。
また、睡眠時無呼吸症候群が原因かもしれません。眠っている際に気付かぬうちに無呼吸になっていて、深い眠りを妨げている可能性があります。
不眠症のタイプ別の原因を見てきたものの、なかには原因がはっきりせずに悩んでいる方もいるでしょう。そのような方は、睡眠リズムを整える習慣をまずつけることが大事です。
不眠症の種類別の改善方法

不眠症を何とかしたいけれども、どのように対処すればよいか悩んでいる方もいるでしょう。ここまで見てきたように、不眠症にはいくつか種類があります。
どのタイプかによって、不眠症になる原因が異なるため、改善方法も異なりますタイプ別に改善方法を見ていきましょう。
深刻な場合は医療機関を受診した方がよいでしょう。しかし、症状によっては生活習慣を見直すきっかけになる場合があります。
今回は、自身でできる改善方法を中心に見ていきますので、参考にしてください。
入眠困難の場合

入眠障害は、心理的な要因が主といわれています。緊張すると眠れなくなるため、リラックスする方法を見つけることが重要です。
リラックスするために手軽に実践できるのが腹式呼吸です。お口から3秒間息を吐き、その後鼻から息を吸い込みます。
呼吸する際には、吐くときにはへこみ、吸うときには膨らむこのお腹の動きを意識しましょう。これを数分続けると、気持ちも落ち着くでしょう。
また、眠る前に入浴するのも、リラックス習慣として取り入れられることがあります。少しぬるめのお風呂にゆっくり浸かるように習慣付けましょう。
中途覚醒の場合
中途覚醒は、夜中に目が覚めやすくなる要因を排除するのが効果的です。例えば、眠る前にカフェインやアルコールを摂取すると、夜中尿意を催しやすくなります。
そこで、眠る前にはお酒やカフェインを含む飲み物は、極力控えましょう。また眠る前には水分をあまり摂取しないのもおすすめです。
また、ストレッチをしたりアロマオイルを使ったりして、リラクゼーションを取り入れるのも気分転換につながる場合があります。
早朝覚醒の場合

早朝覚醒は、体内時計の乱れで起こるケースは少なくありません。そこで体内時計を調整するために、朝起きたら日光を浴びるとよいでしょう。
睡眠時刻を少し遅らせてみるのも一つの方法です。ただし、あまり遅らせると睡眠リズムが狂うので、適度に調整するのが大切です。
またカフェインやアルコールなどの刺激物を睡眠前摂取するのも、控えてみるとよいでしょう。
さらに、夜に自然な眠気がやってくるように、日中の活動量を少し増やすこともおすすめです。
熟眠障害の場合
熟眠障害の場合、現在の睡眠環境に問題があるかもしれません。そこで寝具を見直してみるとよいでしょう。
また、寝室の室温や湿度などが合っていない可能性があります。エアコンや加湿器などを使って、快適な環境を見つけましょう。
ほかには、寝室がうるさかったり、明るかったりして深い睡眠を妨げている可能性もあります。その場合には耳栓やアイマスクを使用してみるのも一考です。
不眠症のセルフチェック

自分が不眠症かどうかわからないという方もいるでしょう。以下の項目にいくつ当てはまるか、セルフチェックしてみてください。
- 寝付きが悪い(床に就いてから30分〜1時間以上眠れない)
- 夜中に何度も目が覚める
- 希望する起床時間よりも早く目覚めてしまう
- 眠りが浅く、熟睡した感じがない
- 日中、強い眠気を感じることがある
- 日中、だるさや集中力の欠如を感じる
これらの項目が頻繁にあり、日常生活に支障が出ている場合は、不眠症の可能性があります。無理をせず、医療機関で詳しい検査を受けてみたほうがよいでしょう。
眠れない状態が続くなら早めの対策を

たまたまよく眠れない、なかなか寝付けないケースなどのケースはあるでしょう。しかし、もしそれが継続して続くようであれば、不眠症の可能性も考えられます。
不眠症には、ここで紹介したように4つのタイプがあります。種類によって特徴や原因が異なるため、まず自分がどのタイプか自覚するところから始めましょう。
不眠症は、生活習慣の見直しで改善できる場合もあります。ここで紹介した改善方法で試せるものから取り入れて、質の良い睡眠を取り戻しましょう。
参考文献
- 国立精神・神経医療研究センター「不眠症(睡眠障害)」
- J-STAGE「不眠症に関する論文」
- 国立精神・神経医療研究センター病院「私って不眠症?~不眠症と間違えられやすい睡眠障害~」
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」
- 国立病院機構霞ヶ浦医療センター「睡眠時無呼吸外来」
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023(案)」
- 国立精神・神経医療研究センター病院「気分障害に併存する睡眠障害」
- e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
- 国立精神・神経医療研究センター「不眠症(睡眠障害)」
- 厚生労働省「不眠症に関する資料」
- e-ヘルスネット「不眠症」
- こころの耳「中途覚醒:用語解説」
- こころの耳「早朝覚醒:用語解説」
- 労働者健康安全機構「不眠症に関する資料」
- J-GLOBAL「KKスケール法を用いた不眠症の被験者に対するアロマセラピー効果の評価」
- 女性の健康推進室ヘルスケアラボ「不眠症セルフチェック」
