
寝る前に水を飲むメリットは?適切な量や注意点を解説
寝る前に水を飲むメリットは?適切な量や注意点を解説
就寝前の水分補給は、睡眠中の水分不足を防ぐためにも大切です。一方で、一度に水を飲みすぎると夜間にトイレへ行きたくなり、睡眠を妨げる可能性があります。
では、どのくらいの量をいつ飲むとよいのでしょうか。本記事では、寝る前に水を飲む意味・適量・タイミング・飲み物の選び方・注意点を順に解説します。
日中の水分補給も含めて、無理なく続けられる習慣を考えていきましょう。
寝る前に水分補給が必要とされる理由

寝る前の水分補給について考えるときは、夜中に水分が不足するかだけで判断するのではなく、日中の水分摂取量や発汗なども含めて考えることが大切です。
また、就寝前の水分量によっては、夜間にトイレへ行きたくなる場合もあります。ここからは、寝る前に水分補給が必要とされる理由について解説します。
睡眠中も汗や呼吸によって水分が失われる
睡眠中も、体から水分が失われることがあります。呼吸によって空気中へ水分が出ていくほか、室温が高い場合や発熱している場合などには、汗による水分の損失も増えます(※1)。
特に、寝室の乾燥や暑さ、風邪などで口呼吸になっているときは普段より水分が失われやすい点に注意が必要です。
そのため、寝る前の水分補給を考える際は睡眠中に失われる水分だけに注目するのではなく、日中にどれくらい水分を摂っているか、寝室の環境やその日の体調はどうかまで含めて考えることが大切です。
就寝中は長時間にわたって水分を補給できない
睡眠中は、起きているときのように自由に水分を摂れません。そのため、寝る前の時点で水分が不足していると、睡眠中にさらに水分が不足する可能性があります(※2)。
特に、日中にあまり水分を摂っていなかった日や、暑さ・乾燥などで水分を失いやすい環境では、夜間の水分不足にも注意が必要です。
大切なのは、就寝前だけで水分不足を補おうとせず、日中から必要な水分をこまめに摂っておくことです。
そのうえで、寝る前に喉が渇いている場合は無理に我慢せず、体調やその日の水分摂取量に合わせて補給するとよいでしょう。
寝る前に水を飲むメリット

寝る前に水を飲むことには、睡眠中の水分不足が気になるときに取り入れやすいという利点があります。
ただし、すべての方に同じ方法が適しているとは限りません。
夜間のトイレが気になる場合は、飲む量やタイミングだけでなく、日中の水分摂取や生活環境もあわせて考えることが大切です。ここからは、寝る前に水を飲むメリットを解説します。
睡眠中の水分不足に備えやすくなる
睡眠中は、起きているときのように自由に水分を補給できません。さらに、呼吸や発汗などによって体内の水分は少しずつ失われます(※3)。
そのため、就寝前に適度な水分を補給しておくことは、睡眠中の水分不足を防ぐための一つの方法になります。
ただし、就寝前に一度に大量の水を飲めばよいわけではありません。夜間のトイレが気になる場合は、寝る直前の多量摂取を避け、日中からこまめに水分を補給しておくことが基本です。
喉の渇きやその日の発汗量、室温などを目安にしながら、無理のない範囲で取り入れましょう。
体内の水分バランスを保つ一つの方法になる

水分は、体内で血液をはじめとする体液の一部として存在しています。体内の水分が大きく不足すると、循環する血液量にも影響するため、脱水を避けて体液量を適切に保つことが大切です(※4)。
そのため、就寝前に適度な水分を摂ることは、睡眠中の水分不足を防ぎ、体内の水分バランスを保つための一つの方法です。
ただし、寝る前に水を多量に飲めば血流がよくなる、という意味ではありません。
水分を摂る量は1日の摂取状況や発汗量などによって異なるため、日中からこまめに補給することを基本に考えましょう。
寝室環境とあわせて考えたい水分補給
水分補給は、睡眠そのものを改善するための特別な方法ではありませんが、睡眠中の水分不足を避けるという面から快適な睡眠環境を整えるうえで意識したい習慣です。
一方で、寝る前に水分を摂りすぎると、夜間の尿量が増えてトイレに起きる原因になる場合があります(※5)。
そのため、寝る前にたくさん飲むことを目標にするのではなく、1日の水分摂取を整えたうえで喉の渇きなどに応じて必要な分を補うという考え方が大切です。
寝る前に飲む水の量とタイミング

寝る前の水分補給は、多ければよいというものではありません。夜間の水分不足を避けながら、トイレで目が覚めることも防ぐには、日中の水分摂取量やその日の発汗、喉の渇きなどを踏まえて考えることが大切です。
ここからは、就寝前に飲む水の量とタイミングを考える際のポイントを整理し、自分の生活に無理なく取り入れられる方法を確認していきましょう。
量はコップ1杯程度が目安
寝る前に水を飲む場合は、一度にたくさん摂るのではなく、コップ1杯程度を目安にするとよいでしょう(※2)。
ただし、コップ1杯がすべての方に適した決まった量というわけではありません。その日の水分摂取量や発汗、喉の渇き、夜間のトイレの回数などによって調整してください。
就寝直前を避けて少し前に飲む
寝る前に水分を摂る場合は、就寝直前に一気に飲むのではなく、少し時間に余裕を持って補給することを意識しましょう。
寝る直前の水分摂取が多いと、夜間の尿量が増えてトイレに起きる原因になる場合があります。ただし、就寝の何時間前までと一律に決める必要はありません(※5)。
喉の渇きや日中の水分摂取量、その日の発汗量などを考慮しながら、必要な分を補ってください。
寝る前の水分補給には常温の水や白湯がおすすめ

寝る前の水分補給では、常温の水や白湯など、刺激の少ない飲み物を選ぶと取り入れやすくなります。
ただし、常温の水や白湯だから睡眠の質が高まるという医学的な効果が確認されているわけではありません(※6)。
大切なのは飲み物の温度だけにこだわらず、必要な水分を無理なく補うことです。
特に夜間のトイレが気になる場合は、飲み物の種類だけでなく、飲む量や時間帯にも目を向ける必要があります。
また、白湯を選ぶ場合も白湯なら多く飲んでもよいという意味ではありません。自分が飲みやすく、夜の習慣として続けやすいものを選ぶことがポイントです。
寝る前の水分補給で避けたい飲み物

寝る前の水分補給では水分量だけでなく、何を飲むかにも目を向ける必要があります。
飲み物によっては、カフェインやアルコールなどが睡眠や夜間の排尿に影響する場合があるためです。
普段何気なく選んでいる飲み物を一度見直し、自分の睡眠やトイレの回数に影響していないか確認してみましょう。ここからは、就寝前に控えたい飲み物と、その理由を整理します。
カフェインを含む飲み物は睡眠に影響することがある
カフェインには覚醒作用があるため、寝る前に摂ると寝つきや睡眠の質に影響することがあります(※7)。
コーヒーだけでなく、緑茶やエナジードリンクなどにも含まれているため、水分補給のつもりで何気なく飲んでいる場合は注意が必要です。
特に、カフェインの影響を受けやすい方は、夕方以降のコーヒーやお茶などを控え、水や麦茶などカフェインを含まない飲み物へ切り替えるとよいでしょう。
なお、カフェインへの反応には個人差があるため、自分の睡眠状態を見ながら調整しましょう。
アルコールは水分補給の代わりにならない
アルコールには利尿作用があり、尿として排出される水分が増えるため、アルコール飲料は水分補給を目的とした飲み物には適していません(※2)。
飲酒後の水分補給には、水などアルコールを含まない飲み物を選びましょう。
アルコールで一時的に寝つきがよくなっても、睡眠の後半に眠りが浅くなり、途中で目が覚めやすくなるため注意が必要です。夜にお酒を飲む習慣がある場合は、睡眠への影響も含めて見直してみましょう(※6)。
寝る前に水を飲みすぎた場合の影響

寝る前の水分補給は不足だけでなく、摂りすぎにも目を向けることが大切です。
一度に多く飲むと夜間の排尿につながり、睡眠が途切れる場合があります。
また、普段とは違う体調の変化があるときは、水分量だけが原因とは限りません。ここからは、寝る前に水を飲みすぎた場合の影響を解説します。
夜中のトイレで目が覚め睡眠を妨げる可能性がある
寝る前に水分を摂りすぎると、夜間の尿量が増えてトイレに起きることがあります。特に、就寝前にまとめて水分を摂る習慣がある場合は、飲む量を見直すことが対策の一つになります(※5)。
就寝前は水分を摂らないことを目指すのではなく、日中から適切に水分を補給し、寝る前に必要以上にまとめて飲まないことがポイントです。
寝る前に水を飲むだけで必ずむくむわけではない

寝る前に水を飲んだからといって、必ず翌朝にむくむわけではありません。むくみは、体の水分が単純に増えた状態とは異なり、皮膚の下などに水分が溜まって起こるものです(※8)。
そのため、健康な方が必要な水分を適度に摂ることまで避ける必要はありません。
むしろ水分不足にならないよう、日中からこまめに補給することが基本です。
就寝前も喉が渇いている場合は、無理に我慢せず、必要な分を補うようにしましょう。
一方、急にむくみが強くなった、体重が増えた、足などを押すとへこみが残るといった変化がある場合は、水分摂取だけが原因とは限りません。
気になる症状が続くときは、水分を極端に減らすのではなく、医療機関に相談してください。
塩分の摂りすぎもむくみにつながることがある
むくみが気になるときは、水分量だけでなく、食塩の摂取量にも目を向けてください。
食塩に含まれるナトリウムには、体内の水分量を調整する働きがあります。
摂りすぎると体内にナトリウムが蓄積し、それに伴って体液量が増えることで、むくみにつながる場合があります(※4)。
ただし、むくみは塩分だけで起こるものではありません。急にむくみが強くなったり長く続いたりする場合は、水分や塩分を自己判断で極端に制限せず、医療機関に相談してください。
寝る前の水分補給で注意が必要な方

寝る前の水分補給は、多くの方にとって取り入れやすい習慣ですが、体調や持病によっては水分量への配慮が必要です。
また、夜間のトイレが増えている場合も水を飲みすぎているとは限りません。
ここからは、水分補給によって負担が生じる可能性があるケースや、自己判断で量を増減しないほうがよいケースを整理し、自分の状態に合った方法を考えていきましょう。
夜間頻尿が気になる方
夜中にトイレへ行く回数が多い場合は、寝る前の水分量を調整することだけで解決しようとしないことが大切です。
夜間頻尿には水分の摂りすぎのほか、膀胱の機能や睡眠の状態など、さまざまな原因が関係する可能性があります(※5)。
まずは、寝る前に水分を摂りすぎていないか、日中にどの程度飲んでいるかを振り返ってみましょう。
飲んだ量や時間帯、夜中にトイレへ行った回数を記録しておくと、相談時に状況を伝えやすくなります。
一方で、水分量を減らしても夜間のトイレが続く場合は、別の原因が隠れている可能性もあります。症状が気になる場合は、記録を持参して泌尿器科などの医療機関へ相談するとよいでしょう。
心臓や腎臓の病気で水分量の指示を受けている方
心臓や腎臓の病気があり、医師から水分摂取量について指示を受けている場合は、一般的な目安だけで就寝前の水分量を決めず、主治医の指示を優先してください。
病状によっては水分が体内に溜まりやすく、摂りすぎることでむくみなどにつながる場合があります(※8)。
そのため、すでに水分量について主治医から指示を受けている方は、寝る前だけ量を変えたり、健康な方向けの目安をそのまま取り入れたりせず、指示された1日の摂取量を基本にしてください。
寝る前以外にも意識したい水分補給の習慣

寝る前の水分補給だけで夜間の水分不足を補おうとすると、飲む量やトイレの回数が気になり、かえって負担になることがあります。
大切なのは、1日の水分補給を時間帯ごとに分けて考えることです。
自分の生活リズムや喉の渇き、夜間のトイレなどを振り返りながら、無理なく続けられる方法を探してみてください。
起床時に水分補給する
睡眠中は汗や呼吸などによって水分が失われるため、起床時は体内の水分が不足しやすい状態です(※1)。
朝起きたら、まずコップ1杯程度の水を飲む習慣を取り入れると、水分補給のタイミングを作りやすくなります(※2)。
自分の喉の渇きや尿の状態、生活環境なども確認しながら、無理なく続けられる方法を探してみましょう。
入浴の前後に水分補給する

入浴すると体が温まって汗をかくため、水分が失われることがあります。そのため、入浴前後に水分を補う習慣をつけておくと、汗で失われた水分を補うことにつながります(※2)。
入浴中にも汗で水分が失われるため、入浴前から水分を補給しておくことも意識してください。入浴中に喉が渇いた場合は、無理に我慢せず、こまめに水分を補給しましょう(※2)。
また、入浴後も汗をかいた分を補うように水分を摂ることが大切です。喉の渇きや入浴時間、その日の水分摂取量などを考慮し、必要な分を無理なく補うことを意識しましょう。
喉が渇く前にこまめに水を飲む
水分補給は、喉が渇いてから一度に多く飲むのではなく、喉が渇く前から少しずつ摂ることを意識してください(※3)。
具体的には、仕事や家事の合間など普段の生活のなかで飲むタイミングをいくつか決めておくと実践しやすくなります。
特に汗をかいたときや暑い環境で過ごす場合は、普段より意識して水分を補う必要があります。
自分の生活リズムに合わせて、無理なく続けられるタイミングを探してみてください。
寝る前の水分補給は自分に合った量とタイミングで取り入れよう

寝る前の水分補給は、夜中の水分不足が気になるときの選択肢の一つです。
ただし、就寝前にまとめて飲む必要があるわけではなく、起床時や入浴前後などにも分けて補うことが大切です。
喉の渇きや汗をかいた量、夜間のトイレの回数などを振り返りながら、自分に合うタイミングを見つけていきましょう。
まずは、負担の少ない行動を一つ選ぶところから始めてみてください。続けにくい方法を無理に習慣化する必要はありません。
数日試してみて、自分の生活に取り入れやすいものを残していくとよいでしょう。
参考文献
- 環境省「熱中症予防情報サイト」「kogi02」
- 厚生労働省「寝る前に水を飲むメリットはの参考資料」
- 環境省「熱中症予防情報サイト」「あなたの熱中症対策 本当に大丈夫ですか?」
- 国立循環器病研究センター「寝る前に水を飲むメリットはの参考資料」
- 頻尿、過活動膀胱、尿失禁、骨盤臓器脱|診療内容|泌尿器科
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- 厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」
- 国立循環器病研究センター「寝る前に水を飲むメリットはの参考資料」
- 寝る前に水を飲むメリットはの参考資料
- 厚生労働省「寝る前に水を飲むメリットはの参考資料」
