
テアニンはいつ飲む?目的別の取り入れ方や睡眠に関する研究を解説
睡眠やリラックスを意識してテアニンを取り入れたいものの、「いつ飲めばよいのだろう」と迷う方もいるでしょう。寝る直前がよいのか、日中に摂ってもよいのかなど、目的によって適した取り入れ方が違うのか気になるところです。
テアニンはお茶に含まれるアミノ酸の一種で、睡眠・ストレス・集中力などとの関係について研究が行われています。一方、決まった時間に摂取すれば誰でも同じような変化を感じられるわけではありません。
この記事ではテアニンの基本から目的別の摂取タイミングや睡眠との関係、摂取方法や量、カフェインと一緒に摂る場合の注意点まで解説します。
テアニンに関する研究内容や取り入れ方を確認しながら夕方以降のカフェイン摂取や就寝・起床時刻など、日々の生活習慣について見直すきっかけにしてください。
テアニンとは
テアニンは茶葉に含まれるアミノ酸の一種で「L-テアニン」と表記されることもあり、緑茶をはじめとしたお茶に含まれています。
テアニンは、睡眠薬のように眠気を起こすための医薬品ではありません。これまでリラックス・ストレス・注意力・睡眠などとの関係について、さまざまな研究が行われています。
ただし、研究によって対象者や摂取量、摂取期間や評価方法などの条件は異なります。したがって、報告されている結果がすべての方にそのまま当てはまるとは限りません。
そのため、テアニンは飲めば必ず眠れる成分と考えるのではなく、食品に含まれる成分の一つとしてとらえることが大切です。
睡眠を意識して取り入れる場合も、摂取する時間だけを見るのではなく、普段の就寝時刻・カフェイン摂取・食事・入浴など生活全体から考えましょう。(※1)
テアニンはいつ飲む?

テアニンを取り入れる時間に、すべての方に共通する正解があるわけではありません。睡眠を意識するのか、リラックスタイムに取り入れたいのか、集中したい場面で活用したいのかによって考え方が異なるためです。
また、テアニンを含む食品やサプリメントは、商品によって含有量や摂取方法が異なります。研究で用いられた摂取時間だけでなく、利用する商品表示の確認も大切です。
まずは、何のためにテアニンを取り入れたいのかを整理して、商品に記載されている摂取方法を確認しましょう。
睡眠やリラックス、集中など目的によって参考になる研究内容も異なるため、自分の生活リズムに合わせて取り入れることが大切です。(※2)
睡眠を意識して取り入れる場合
睡眠との関係を調べた研究では、就寝前に摂取した例があります。健康な男性を対象とした研究では、L-テアニン200mgを就寝1時間前に摂取し、睡眠効率や入眠後の覚醒など一部の指標に変化が確認されました。
研究段階の報告であり、食品としての効果を示すものではありません。
一方、総睡眠時間には有意な差が認められていません。また、2025年のシステマティックレビュー・メタ解析でも、主観的な入眠時間など一部の睡眠指標への影響が報告されています。ただし、研究ごとに摂取条件は異なります。
必ず寝る1時間前に飲めばよいと考えず、就寝前に摂取した研究例の一つとしてとらえましょう。機能性表示食品やサプリメントを利用する場合は、商品に記載された摂取方法を確認してください。(※3)
リラックスタイムに取り入れる場合
仕事や家事の合間には、休憩時間を設けて気持ちを切り替えることも大切です。お茶をも飲む時間を休憩のきっかけにするなど、自分にあった過ごし方を取り入れる方法があります。
テアニンとストレスとの関係性については、健康な成人を対象とした研究がおこなわれています。健康な成人120名を対象としたランダム化比較試験では、テアニンを摂取した群とプラセボ群を比較し、心理的ストレス負荷後の指標に違いが認められました。
ただし、研究の対象者や摂取量、評価方法などの条件が限られています。研究結果は、テアニンを含む食品を摂取すれば気持ちが落ち着くことを示すものではありません。
研究で示された結果と日常的な食品の摂取は分けて考えることが重要です。(※4)
集中したい場面で取り入れる場合

テアニンと注意力や認知機能との関係を調べた研究もあります。
健康な成人を対象としたランダム化比較試験をまとめたシステマティックレビュー・メタ分析では、L-テアニン単独またはカフェインと組み合わせた場合が検討されています。
その結果、選択反応時間や注意を切り替える課題など、一部の認知機能に関する指標で変化がみられたとの報告です。
また、テアニンとカフェインを組み合わせた研究では、注意課題の一部で成績の変化が報告されています。
ただし、研究結果をそのまま仕事や勉強の成果に置き換えることはできません。日中にお茶からテアニンを摂取する場合は、同時に含まれるカフェインの量にも注意しましょう。(※5
)
テアニンと睡眠の関係

テアニンは、睡眠との関係が国内外で研究されている成分です。就寝前に摂取した場合の睡眠の質や入眠に関する指標などが調べられていますが、研究ごとに対象者や摂取量、評価方法は異なります。
そのため、テアニンを摂れば必ず眠りやすくなると考えるのは適切ではありません。また、テアニンは医薬品ではなく、不眠症を治療するものではありません。
研究結果と商品表示は分けて考え、目的や生活リズムに合わせて取り入れることが大切です。
睡眠に関する研究が行われている
テアニンと睡眠については、単独摂取やほかの成分との組み合わせなど、さまざまな条件で研究が行われています。
2025年に公表されたシステマティックレビュー・メタ解析では19件、計897名を対象とした研究が選定され、そのうち18件がメタ解析に含まれました。解析では、主観的な入眠時間や日中の機能、全体的な主観的睡眠の質など一部の指標で変化が報告されています。
一方、純粋なL-テアニンのみを対象とした研究は十分でなく、睡眠の質を維持・向上するための適切な摂取量や摂取期間について、さらなる研究が必要とされています。
そのため、テアニンを摂取すれば睡眠時間が必ず長くなると考えるのではなく、研究でどのような睡眠指標が評価されているかを確認することが大切です。(※6)
商品ごとの機能性表示を確認する

テアニンを含む機能性表示食品を利用するときは、商品のパッケージに書かれている内容を確認しましょう。
機能性表示食品は、事業者が安全性や機能性に関する科学的根拠などを消費者庁へ届け出たうえで、機能性を表示する制度です。ただし、特定保健用食品とは異なり、国が個別の商品について販売前に審査する制度ではありません。
また、機能性表示食品は医薬品とは異なり、疾病の治療や予防を目的としたものではない点に注意が必要です。
同じテアニンを含む商品でも、含有量・摂取目安量・表示されている機能などが同じとは限りません。
成分名だけで判断せず、その商品の1日あたりの摂取目安量や摂取方法を確認してください。(※7)
※7
テアニンについて行われている主な研究

テアニンについては睡眠だけでなく、リラックスやストレス、集中力など幅広い観点から研究が行われています。
研究では摂取後の心理状態や注意力に関する指標などが調べられていますが、対象者や摂取量、評価方法は研究ごとに異なります。
そのため、報告されている結果がすべての方に同じように当てはまるとは限りません。研究されている働きと、医学的に確立された効果や治療効果は分けて考えることが大切です。研究結果を参考にしつつ、過度な期待を避けて取り入れましょう。
リラックスとの関係
テアニンについては、脳波などを指標としてリラックスとの関係を調べた研究があります。
研究では、L-テアニン200mgの摂取後に後頭部でα波の出現が確認され、被験者がリラックスを感じたことが報告されています。
ただし、研究の対象者数や摂取条件は限られており、この結果だけでテアニンを含む食品にリラックス作用があると判断することはできません。
そのため、研究で観察された変化と食品を摂取した場合に得られる作用は分けて捉えることが大切です。(※8)
ストレスとの関係

L-テアニンとストレスについて、健康な成人を対象としたランダム化比較試験が行われています。
健康な成人120名を対象とした研究では、テアニン100mgを摂取した群、テアニン100mgとアルギニン50mgを摂取した群、プラセボ群の3群に分け、心理的ストレス負荷後の反応が調べられました。
その結果、テアニン単独群とプラセボ群との間で、ストレス反応の指標となる唾液中アミラーゼ活性の変化量に違いが認められています。
ただし、対象者は20代が中心であり、研究結果をすべての年代にそのままあてはめることはできません。
研究で確認された変化は特定の条件下で得られた結果として捉えることが大切です。(※9)
※9
注意力に関する研究
テアニン単独や、テアニンとカフェインを組み合わせた状態で注意力や集中力との関係を調べた研究があります。
L-テアニン97mgとカフェイン40mgを組み合わせた研究では、自覚的な注意力や疲労感に関する変化が報告されています。
ただし、こうした研究結果をそのまま仕事や勉強の成果に置き換えることはできません。
また、カフェインには覚醒作用があるため、日中の集中を目的に取り入れる場合と睡眠を意識して夜に摂取する場合では考え方が異なります。特に夕方以降は、テアニンだけでなくカフェインの摂取量にも注意しましょう。(※10)
※10
テアニンを摂取する方法

テアニンは、緑茶などのお茶から摂取する方法のほか、機能性表示食品やサプリメントから取り入れる方法があります。
食品から摂る場合は、テアニン以外の成分も同時に摂取することになるため、特にカフェインの有無や量の確認が大切です。
一方、機能性表示食品やサプリメントは、商品ごとにテアニンの含有量や摂取方法が異なります。
摂取方法だけで判断せず、含まれる成分や1日あたりの摂取目安量を確認し、自分の目的にあった方法を選びましょう。
お茶から摂取する
テアニンは茶葉に含まれているため、緑茶などから日常的に摂取できます。一方で、緑茶に含まれるテアニン量は、研究で用いられた 100~200mgなどの摂取条件とは異なります。
そのため、緑茶に含まれるテアニン量は研究で用いられた量とは異なり、お茶を飲むことで同様の変化が得られるわけではありません。
また、緑茶や紅茶にはテアニンだけでなくカフェインも含まれます。睡眠を意識する場合は、テアニンだけでなく、同時に摂取するカフェインの量や時間帯にも注意が必要です。
普段からコーヒー・紅茶・緑茶・エナジードリンクなどを飲む方は、1日を通したカフェイン摂取量を把握しておくとよいでしょう。(※11)
※11
機能性表示食品やサプリメントから摂取する
機能性表示食品やサプリメントを利用すると、商品に含まれるテアニン量を確認しやすい点が特徴です。
ただし、食品によってテアニンの含有量や配合されているほかの成分は異なります。また、1粒や1包ではなく、1日摂取目安量で成分量が表示されている商品も少なくありません。
消費者庁では、機能性表示食品のパッケージに記載された1日あたりの摂取目安量・摂取方法・注意事項を確認するよう案内しています。
利用するときは成分量だけを比べるのではなく、商品表示全体を確認してください。(※12)
テアニンの摂取量を考えるときのポイント

テアニンに関する研究では、さまざまな量が用いられています。ただし、研究で使用される量をそのまま日常の摂取量に当てはめる必要はありません。
研究では対象者や期間、摂取条件などが設定されており、市販されている食品やサプリメントの利用方法とは異なるためです。また、商品ごとにテアニンの含有量や1日あたりの摂取目安量も異なります。
実際に取り入れる場合は、研究で使われた数字だけを参考にせず、商品表示を確認して摂取目安量を守ることが大切です。
商品に記載された摂取目安量を確認する
機能性表示食品やサプリメントには、1日あたりの摂取目安量が記載されています。テアニンに関する睡眠研究のなかには200mgを使用したものがありますが、これはすべての方が200mg摂るべきとの意味ではありません。
研究では参加条件が設定され、決められた条件で評価が行われます。一方、市販食品には商品ごとに成分や利用方法が設定されています。
そのため、研究で見かけた摂取量を参考に自己判断で増量しないことが重要です。複数のサプリメントや機能性表示食品を利用している方は、同じ成分が重複していないかも確認しましょう。(※13)
※13
多く摂ればよいわけではない
成分の働きを期待して、量を増やせばよりよいのではと考える方もいるかもしれません。
しかし、消費者庁は、機能性表示食品について、たくさん摂取すればより多くの効果が期待できるものではなく過剰摂取によって健康に影響が生じる場合があると案内しています。
テアニンを含む機能性表示食品も、摂取目安量を超えて多く摂ればよいと考えないようにしましょう。毎日続ける場合ほど、決められた摂取量を守ることが基本です。(※14)
テアニンとカフェインを一緒に摂るときの注意点

茶葉にはテアニンだけでなくカフェインも含まれているため、お茶から摂取する場合は両方を同時に取り入れることがあります。テアニンとカフェインの組み合わせは、日中の注意力や集中力との関係が研究されています。
一方、カフェインには覚醒作用があり、摂取する量や時間帯によっては睡眠への影響が考えられる成分です。特に夕方以降にお茶やコーヒーを飲む習慣がある方は注意が必要です。
睡眠を目的にテアニンを取り入れる場合は、テアニンだけでなくカフェインの量や摂取時刻もあわせて確認しましょう。
お茶に含まれるカフェイン量を確認する
カフェインはコーヒーだけでなく、緑茶や紅茶、エナジードリンクなどにも含まれています。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、カフェイン摂取量が1日400mgを超えると、夜眠りにくくなる可能性があるとされています。
ただし、カフェインへの反応には個人差があるため、普段から多く摂る方と少量でも影響を感じる方では同じ量でも受け止め方が異なるでしょう。
1杯のお茶だけを見るのではなく、その日に飲んだコーヒーやほかの飲料も含めて確認することが大切です。(※15)
※15
夕方以降は睡眠への影響を考える
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、カフェインが睡眠に及ぼす影響だけでなく、摂取する時間帯にも関係すると示されています。
また、夕方以降に100mg以上のカフェインを摂取すると、寝つきが悪くなったり、深い睡眠が減ったりする可能性があるため注意が必要です。良質な睡眠を確保するため、夕方以降はカフェインを含む食品や飲料を控えることが推奨されています。
夜の睡眠が気になる場合は、夕方以降にカフェインを含む飲料を習慣的に摂っていないかの確認が一つの対策になります。夜にお茶を楽しみたい方は、カフェイン量を確認したうえで選びましょう。(※16)
テアニンを摂取するときの注意点

テアニンは食品に含まれる成分ですが、体質や体調、服薬状況によっては摂取方法に注意が必要です。
特に医薬品を服用している方や治療中の方は、自己判断でサプリメントなどを取り入れず、必要に応じて医師や薬剤師へ相談しましょう。また、機能性表示食品やサプリメントは、商品ごとに含まれる成分や摂取目安量が異なります。
安全性を考慮して取り入れるためには、自分の体調や服薬状況を確認し、商品に記載された摂取方法や注意事項を守ることが大切です。(※17)
※17
服薬中の方は飲み合わせを確認する
医薬品を服用している方がサプリメントや機能性表示食品を取り入れるときは、影響には注意が必要です。
テアニンを含む商品には、テアニン以外の成分が配合されている場合もあります。そのため、テアニン単独の情報だけでは商品の飲み合わせを判断できません。
治療中の方や継続して薬を服用している方は、利用前に医師や薬剤師などへ相談してください。
また、受診時には使用している健康食品やサプリメントも伝えると、確認がスムーズです。
体調に合わない場合は摂取を控える
食品であっても、体質や体調によって合わない場合があります。消費者庁は、機能性表示食品を利用して体調に異変を感じた場合、速やかに摂取を中止し医師へ相談するよう案内しています。
初めて利用する食品の場合は、パッケージに記載されている原材料やアレルギー表示なども確認しましょう。
健康のために始めた場合でも無理に続けるのではなく、体調の変化があれば摂取をやめる判断も必要です。(※18)
※18
テアニンの研究と取り入れ方を理解しよう

テアニンをいつ摂取するかは、睡眠・リラックス・集中など、目的によって研究されている条件が異なります。ただし、特定の時間に摂取すれば、すべての同じ変化が得られるわけではありません。
機能性表示食品やサプリメントを利用する場合は、研究で用いられた条件だけを参考にせず、商品に記載された摂取方法や1日当たりの摂取目安量を確認しましょう。
また、睡眠を意識する場合は、夕方以降のカフェインを控える、就寝・起床時刻を整えるなど、生活習慣を見直すことが大切です。
テアニンについては、睡眠やストレス、注意力などとの関係について研究がおこなわれています。研究結果の範囲や注意点を理解したうえで、情報を参考にしましょう。
参考文献
- J-STAGE「緑茶成分テアニンの向精神作用について」
- J-STAGE「アクチグラフを用いたL-テアニンの睡眠改善効果の検討」
- J-STAGE「心理的ストレスに対するテアニン・アルギニン併用摂取作用の検討:単盲検ランダム化比較試験」
- 茶(Camellia sinensis)またはその生理活性化合物L-テアニンまたはL-テアニン+カフェインが健康な参加者の認知,睡眠および気分に及ぼす影響:ランダム化比較試験のシステマティックレビューとメタ分析【JST機械翻訳】 | …
- 消費者庁「機能性表示食品について」
- 消費者庁「保健機能食品について」
- J-STAGE「L-テアニンのヒトの脳波に及ぼす影響」
- J-STAGE「テアニンはいつ飲むに関する論文」
- J-STAGE「テアニン」
- J-STAGE「給茶機RICH+(リッチプラス)を用いた茶葉中各種健康機能性成分の抽出条件の検討」
- 厚生労働省「テアニンはいつ飲むの参考資料」
- 農林水産省「緑茶の美味しさと機能性を両立する「水出し緑茶」:農林水産省」
- J-STAGE「閉経後の中高年女性に対するL-theanineが睡眠時の自律神経活動に及ぼす影響」
- 厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」
- 消費者庁「健康食品(一般の方向け)」
- 消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」
- 厚生労働省「・医薬品と健康食品の相互作用に対する注意喚起等について(依頼)(◆平成25年02月28日薬食総発第228002号)」
